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「溺れたい・・・」中編(観潮楼企画参加SS)

 08, 2010 18:00
<18禁です>

唇を離した真田に向かって「二度も先を越されたな」と苦笑している。
「10分・・・シャワー浴びてくるから・・
心配しないで直ぐに体を繋げるような事はしないから
でも真田に触れたい・・・もし嫌だったらこの部屋に居て
嫌じゃなかったら、隣の寝室に居て・・・」
そう言い残すと諏訪はバスルームに消えて行った。

「10分・・・」諏訪の体内時計の正確さは社内でも有名だった。
諏訪が10分と言えば必ず10分だ。
真田はへなへなとその場に座り込んだ。
体は繋げないと言われたけど、寝室って事はそれに近い行為がある?
諏訪の事だ、このままこの部屋に居ても何も言わないだろう。

『どうしよう・・・』望んでいた事だけど胸がドキドキして考えがまとまらない。
体も小刻みに震えている『どうしよう』
喉がカラカラに渇いてきてさっき煎れてもらった珈琲に口を付けた。
美味しいのだろうけど今の真田には味も判らなかった。
『でもこのままじゃ嫌だ・・』

もう7・8分は過ぎただろう・・・真田は意を決して立ち上がり寝室のドアに手を掛けた。
そっと伺った寝室はモノトーンで統一され、お洒落なベッドが置いてあった。
ごくっと喉が鳴る。
この部屋がとても淫蕩な部屋に感じてしまい、脚がガクガク震えて止まらない。

そのベッドに腰掛ける事も出来ずにただベッドを前に立ち尽くしていた。
カチャっと言う音と共に人の気配を感じた。
「真田・・・」諏訪の呼びかけに引き攣ったような笑顔を向け
「先輩・・・僕」
「そう緊張するなよ、とって食おうとしてる訳じゃないから」
そう言いながら立ち尽くす真田の体をそっと押してベッドに座らせた。

「緊張してる?」揶揄するような余裕ある言葉に
「先輩は・・慣れてる?」
「う・・ん?慣れてなくは無いけど、この部屋に来たのは真田が初めてだよ」
「・・でも他の人としたんだ・・・・」
言葉にした途端真田の胸の中がキリキリ痛んだ。

「それってヤキモチ?大丈夫だよ、もう他の人とはしないから」
「本当に?」それがこの場限りの言い逃れでも嘘でも良いと思いながらも
諏訪の胸に誰かが抱かれるのは考えたく無いほど嫌だった。

「真田・・・」諏訪の手が肩に掛かり引き寄せられた。
黙って諏訪の胸に凭れかかり顔を埋める。
そっと顔を上に向かされ熱い唇を受けた。
さっき自分からしたのとは比べようもない程の熱い口付けだった。
閉じた唇を舌でこじ開けられる頃には息も上がり目もとろんとしてきた。

歯列をなぞられ、舌を絡められる『もう好きにして』と叫びたくなるほど
自分の体が官能の渦に巻き込まれていた。
「真田・・可愛いよ」
前がゆったりしたバスローブに手を忍び込ませるなんて簡単な事だった。

「ぁっ」諏訪に触れられただけで甘い声が漏れてしまい顔が熱くなる。
乳首を引掻くように弄られるだけで、蕩けそうに気持ちが良かった。
「ここ感じるの?」
諏訪の言葉にこくんと頷いた。
「ああぁ・・・」他人に触れられるそこがこんなに気持ちいいなんて知らない。

諏訪の手がバスローブの紐に掛かった。
下着も履いてない体はもうベトベトに濡れバスローブの前も汚してるだろうと思い、
それを見られるのは凄く抵抗があり、そして何より恥ずかしかった。

「いやっ!」思わず声が漏れてしまうが諏訪の動きは止まらない。
「感じてるの?」
「・・・恥ずかしい」
「恥ずかしくは無いよ、感じてくれて嬉しいよ」
普通の男がこんな言葉を甘く吐いても気持ち悪いだけかもしれないが
諏訪の甘いマスクと優しい声で囁かれると、
それだけで真田は自分の体が余計に熱くなってしまい仕方なかった。

「ここ舐めるよ」
信じられない諏訪の言葉に被りを振った。
「ダメッ!そんな事・・・」
真田の前に回りこみ体勢を整えた諏訪の手が真田の性器を握り
あっという間にその昂ぶりを咥えた。

「ああっ!」熱い口腔に包まれた真田の性器は一層膨らみ快感を体で表している。
諏訪の舌の動きも指の動きも慣れない真田を直ぐに追い込んでしまった。
「もっ・・あぁ・・もう止めて・・先輩」
諏訪はそんな真田の脚を大きく開かせ、奥の密かな場所に指を這わせた。

咥えられたまま体の奥に今まで知らなかったゾクっとする感触を与えられ
真田はその瞬間に諏訪の口腔に全てを吐き出してしまった。
諏訪がそれを飲み干すのを呆然と眺めていた。
声も出ず体を動かす事も出来なかった。

「真田って凄く感じやすい体をしているね」
淫乱だと言われたようで諏訪の顔を見る事が出来なかった。
「真田があまりに可愛いから・・ほら」
諏訪の視線の先を追うように見ると、バスローブの前が酷く膨らんでいた。

真田はそれを『欲しい・・』と思った。

「先輩・・・僕の中に挿れて下さい」
「何を・・?」口角を上げて諏訪が聞きなおす。
「先輩意地悪だ・・・先輩の・・ペ・ペニスを」震える声で答えたのに
「どこに?」などと、諏訪の意地悪は続いた。

「ぼ・・僕の・・・お尻の中に・・・」
知識があった訳じゃないけど本能がそう言わせた。
あまりの恥ずかしさと諏訪の意地悪な言葉に涙が零れて来る。
そんな真田を見て慌てたように
「ごめん、真田があまりに可愛いから、つい苛めたくなった、ごめん」
そう言って零れた涙を優しく拭いてくれた。

「本当に挿れていいの?一度抱いたら真田を離したくなくなるけど?」
「先輩・・・」離したくないと言われて嘘でも嬉しい。
「それに私は意外とヤキモチ妬きだ」
「先輩が?」いつも余裕のある諏訪がヤキモチ妬きだとは思えなかった。

諏訪が2人の名前を出し「彼らにはもう触れさせないで」と言ったのには驚いた。
同期と1つ年上の先輩は何かと理由を付けて真田の体に触れて来ていた。
肩に手を置いたり、大袈裟に首に腕を巻きつけたりの高校生のような戯れだったが
それすらも諏訪は本当は苛々して眺めていたと言う。

「それって・・・?」
「ヤキモチだよ」そう肩を少し竦めて言う諏訪に驚いた。
思い返すとそういう事をしていると必ず「真田君ちょっと」と呼ばれ
仕事を言いつけられたりしていた気がする。
「鈍いな真田は・・・」
週のうち3回は昼飯を一緒に食べていた・・・
月に二度程は飲みに誘われていた・・・

ちょっと待っててと一人部屋を出た諏訪が戻って来た時には
洗面所にあったベビーオイルを手に持っていた。
この部屋に誰も入れた事が無いというのは本当なんだ・・・
ぼうっとその手にしたオイルを見ながら真田は思っていた。

「大丈夫?怖い?」
諏訪の労わるような言葉に首を横に振った。
体の奥から湧き上がって来る熱を早くどうにかして欲しかった。

「うつ伏せになって」そう言いながら真田の体をひっくり返して行く。
すらりと伸びた体を眺めた後に真田の背中に唇を這わす。
「あぁ」背筋に性感帯があるなんて知らなかった。
つつーっと背筋を這う指先に背中が仰け反ってしまう。
「真田亮太」突然フルネームで呼ばれ驚いて「はい!」と返事をしてしまった。
「亮太・・・」今度は甘く名前で呼ばれ枕に顔を埋めたままコクンと頷いた。


2010-11-KEI.jpg





BL観潮楼秋企画に参加させて頂きました。
お借りしたイラストは希咲堂の慧さまの「それは野分のように」です。

今回はイラストを下に持ってきました。
何だか「きゃーっ」って感じです。
今真っ最中のお二人さんです!


前後編で終わる予定が・・・後編が既に5000文字を超えてしまい
前中後編に分けてしまいました^^
18禁って何故にあんなに長くなってしまうのだろうか・・・・・


イラストの版権及び著作権は慧様に属しますので、
無断転写等はお控えくださいませ。


kikaku-aki.jpg




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COMMENT - 12

-  2010, 11. 08 [Mon] 19:03

管理人のみ閲覧できます

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kikyou  2010, 11. 08 [Mon] 19:18

鍵コメ Cさま

台風ですよね。ま、表現の違いだけだと思いますが・・嵐でも良いんでしょうね?

日本語って素敵ですよね。
「野分」って言葉を使うだけで秋色が出てきて、ロマンチック!

私も・・ちょっと読もうかな光源氏。
大人になってから読んでないような気がする。

Cさん!脳みそまだパンパンじゃないですか!
私が「野分」と聞いて最初に思い出すのは「純ロマ」でした^^(笑)

コメントありがとうございました。

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-  2010, 11. 08 [Mon] 20:24

管理人のみ閲覧できます

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-  2010, 11. 08 [Mon] 20:42

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kikyou  2010, 11. 08 [Mon] 23:55

鍵コメ Yさま

そうですよね・・・
皆さん一度書くと長くなる。

前略・中略・後略

あれ?どこで繋がる?(笑)

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kikyou  2010, 11. 09 [Tue] 00:01

鍵コメ Kさま

そんな所から眺めてないで正面の一番良い席をご用意いたしましたので是非!

この絵から生まれますよ~
もう大好物の絵です。
萌えとエロが上手く絡んでいますからネ。

2行で終える事が出来るのもそれも又個性と才能!
でも『硬くなったぞうさん』も待ってます。

って誰だかバレバレじゃん!(笑)

Edit | Reply | 

jun  2010, 11. 09 [Tue] 05:03

お早うございます。
真田と諏訪、ゴールインですね。
うらやましいです。
やっぱり朝から読むのは毒でした。
でも続きも行っちゃいます。

天使が啼いた夜、コメント送れません。

Edit | Reply | 

慧  2010, 11. 09 [Tue] 08:33

最中のお二人さん!!キャー♪ o(>▽<*)(*>▽<)o キャー♪
「寝室で待ってたら今から何されるの?!」という
まさしく真田くんにとっては未知の行為!
脚が震えちゃってるのが、もうvvv可愛いです!!
そんな初心な子に諏訪先輩、恥ずかしい事言わせて泣かせちゃった~~
意地悪しちゃ駄目よ!!
でも、もっと苛めてやんなさいっ!(え。)
美味しいRが中編、後編に伸びて
わたしくし、鼻の下が伸びっぱなしです!

∑(゚Д゚*)ノ はい!わたしも「野分」で「純ロマ」が過ぎります(笑)

Edit | Reply | 

kikyou  2010, 11. 09 [Tue] 12:22

junさま

> お早うございます。

こんにちはー。

> 真田と諏訪、ゴールインですね。
> うらやましいです。
> やっぱり朝から読むのは毒でした。
> でも続きも行っちゃいます。

だ・大丈夫ですか?(笑)
後編は夕方にでも読めるかな?(もうアプ済みです)
あ、でも朝からの方が忙しいから逆に良いかもしれませんネ^^


>
> 天使が啼いた夜、コメント送れません。

大丈夫ですよ、気を使って下さってありがとうございます。

それと、junさまは携帯からですよね?
コメントの引用はしない方が読みやすいですか?
改善しますので教えて下さいネ。

ではコメントありがとうございました。

Edit | Reply | 

kikyou  2010, 11. 09 [Tue] 12:35

慧さま

> 最中のお二人さん!!キャー♪ o(>▽<*)(*>▽<)o キャー♪

きゃー読んで下さったのですか^^;
美麗なふたりにあんな事やこんな事までさせてしまって・・・


> 「寝室で待ってたら今から何されるの?!」という
> まさしく真田くんにとっては未知の行為!
> 脚が震えちゃってるのが、もうvvv可愛いです!!
> そんな初心な子に諏訪先輩、恥ずかしい事言わせて泣かせちゃった~~
> 意地悪しちゃ駄目よ!!

諏訪・・結構Mかもしれません^^;
でも真田がきっと嗜虐心を煽ってしまうのでしょうね。
あの頬を染めたキスシーンがとても可愛いんですもの。



> でも、もっと苛めてやんなさいっ!(え。)
> 美味しいRが中編、後編に伸びて
> わたしくし、鼻の下が伸びっぱなしです!

何だか甘いエチシーンになってきました。
書いててもニタニタしながら書いている私の鼻の下も伸びていると思います(笑)


>
> ∑(゚Д゚*)ノ はい!わたしも「野分」で「純ロマ」が過ぎります(笑)

良かった・・お仲間
BLの火付け役の「純ロマ」やはり王道ですよね。
ここから私もこの世界に入りました。

でもとても素敵なタイトルに萌え萌えです。
ありがとうございました。

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紫猫  2010, 11. 09 [Tue] 19:46

イエーーーーーーーイ!後編へと続く!!

真田くんは初めての行為だから優しくしてあげてくださいねw
あんまり苛めちゃ可愛そうですよww←字が違う…

Edit | Reply | 

kikyou  2010, 11. 10 [Wed] 00:14

紫猫 さま

> イエーーーーーーーイ!後編へと続く!!
>
> 真田くんは初めての行為だから優しくしてあげてくださいねw
> あんまり苛めちゃ可愛そうですよww←字が違う…


       ↑ 完全に喜んでますねぇ(笑)

可愛い子程苛めたくなるって言うし・・
でも諏訪マジM入ってますね。


後編に続く^^

Edit | Reply | 

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