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番外編 鳴海君と僕(読切)

 14, 2011 00:00
 初めて結ばれた時から、鳴海君は必死に受験勉強をした。僕と同じ大学に行きたいと言うから僕も嬉しくて、受験勉強に付き合った。
本当は僕も鳴海君と同じ大学に行くのなら、ランクをひとつ下げようかな?と考えもしたが、それは絶対兄が許さないのが分かっていたから断念した。

 僕たちが目指した大学は兄の母校でもある。兄は僕を大学の後輩にもしたかったのだ。普段はとびっきり甘い兄だったけど、こういう所は厳しい。

 そして僕たちは念願が叶って同じ大学に合格した。僕は法学部で鳴海君は残念ながら経済学部と学部は違ったけど、同じキャンパスを歩けるのならそれで良しとしようと思った。だって鳴海君が僕と同じ大学に合格したのは殆ど奇跡に近いんだもの。でもそれは本人には言わないけど……。

「潤也……」
鳴海君は、昼時になると必ず僕を探しにやってくる。僕の学部の女子も鳴海君が顔を出すと嬉しそうに迎えてくれる。僕はヤキモチを妬いてもいいのだろうか?
 でも、鳴海君とは秘密の関係だから大っぴらには妬けない。女子大生という甘い響きと化粧で、女子はどんどん綺麗になって行くように思えた。僕にはそういうオブラートは無い。ちょっと残念な気がするけど鳴海君は、どんな美人にも見向きもしないみたいだからそれでいい。

 僕だって大学生になり全然モテない訳じゃない。でもね、声を掛けてくるのは女子よりも男子が多いのはどうしてだろう。もしかして、僕が鳴海君とエッチな事をしているのを知っているのかな?でも残念ながら僕は鳴海君以外とエッチするつもりは無い。


 あのお祭りの夜から、僕と鳴海君は7回エッチした。大学入試が終わった夜に2回目をするまで、半年もかかった。大学生になっても、月に一度すればいい方だった。

 僕は記憶力に自信があるから間違いないと思う。でも鳴海君は足りないと騒ぐ。普通の恋人同士は少なくても1週間に1度はしていると鳴海君は言うけど、そのデータはどこのものだろう?
 それに僕たちは普通じゃないのを僕は知っている。

 普通エッチは男女間でするものだ。でも僕は鳴海君がいいから仕方ない。女子とエッチする事は想像できないし、した事もなかった。でも鳴海君は高校生の頃に女子としたんだ……ちょっと負けたような気がするけど僕は女子とする自信も勇気もなかった。

 学食で、昼食を食べた後鳴海君は確認するように言った。
「潤也、明日な」
 蕩けそうな笑顔を僕に向けてくれる。明日は鳴海君の誕生日で、僕は1日貸し切りにされてしまったのだ。
 大学も休み、外泊の許可も兄にもらった。僕は大学生になったのに相変わらず兄の監視下にある。文句を言っても負けるので僕は無駄な努力はしない事にしていたが、今回だけは一生懸命にお願いをしたのだ。

 でも、予想を裏切って兄は簡単に許可を出してくれた。僕も少しは大人になったと兄も認めてくれたのだろう。その日は朝から映画を観て、買い物をして食事をする予定だった。
僕は鳴海君みたいな蕩ける顔はみせなかったけど内心では凄く嬉しい。
お祭り以降勉強ばかりで外でデートしていない。

 デ、デート…なんだかドキドキしてしまう。
もし鳴海君にホテルに誘われたらどうしょう。自慢じゃないけど僕はホテルなんて行った事はない。あ…っ、男同士でホテルってのも変か?

 鳴海君への誕生日のプレゼントはもう決めてあるんだけど、僕は慎重だから本人に見てもらってから買うんだ。気にいらないと悲しいからね。


 そして運命のデートの日。あ…もとい鳴海君の誕生日。僕は結局普段と変わらない服装で待ち合わせの場所に行った。
「な、鳴海君……」
 僕の目の前に現れた鳴海君は、ちょっとラフな雰囲気のブレザー姿だった。普段より2割増し格好よかった。何だか普段着の自分が恥ずかしい気がした。

「潤也、待ったか?」
「ううん、さっき来たところ……どうしてそんな格好なの?」
「え……っと、大人のデートしようと思って」
「デ、デ、デ……」
「行こうか?」
 鳴海君は僕が口をパクパクさせている間に、僕の背を……まるで女性をエスコートするように優しく押した。何だか……鳴海君は狡い。自分だけ先に大人にならないで欲しい。

「どうした?映画始まるぞ」
「う、うん……」
 鳴海君と肩を並べて歩くと同級生には見えないかもしれない。体格差は歴然としていたけどそれだけじゃない。何だか自分が酷く幼く見えて恥ずかしかった。


 僕たちは、流行りの映画を観て昼食を食べ、鳴海君にプレゼントを買う為にショップへ行った。前から目を付けていた格好いい革の財布を僕がプレゼントすると鳴海君は凄く嬉しそうな顔をしてくれた。でも今日の格好にその財布は似合わない……それが何だか寂しかった。

 ひとつしか年が増えていないのに、今日の鳴海君は完全に大人の男に見えた。一気に3つくらい年が増えたみたいだ。
 計画していた予定をひとつずつ終わらせ、僕は鳴海君に都内のホテルに連れて行かれた。周りの友達がよく言うラブホという物では無かった。ベルボーイがいるような立派なホテルのエントランスで僕は小さくなって佇んでいた。鳴海君は、ちょっと待っていてと僕を置いてフロントに行ったからだ。

 暫くすると少し怒ったような顔で鳴海君が近づいて来た。
「行こう」
鳴海君は一言告げると、すたすたと歩き出すから、僕は慌ててその後ろを追いかける。何だか鳴海君の顔が怖い。


 エレベーターに乗り込んだ時には、周りに誰も居なかった。ほっと小さな息を吐く僕を鳴海君が笑った。その笑顔が大人っぽくて僕は少しだけゾクリとしてしまった。だけどそんな事を教えたらきっと鳴海君はつけ上がるから、僕はツンとそっぽを向いた。

 慣れた手つきでカードキーを差し込み、扉を開ける鳴海君をまた淋しい思いで僕は見ていた。
「潤也……」
だけど部屋に入るなり僕をぎゅっと抱きしめてきた鳴海君の声はいつもの、ちょっと焦った鳴海君だった。

「あー緊張したぁ!」
ぎゅっと僕を抱きしめた後に、鳴海君はそう大きな声で言い放った。
鳴海君は僕の手を引いて、ソファに座らせる。

「高そうなホテルだね……」
「あぁちょっとね。でも潤也と初めて外泊する時はきちんとしたホテルって決めていたから」
「鳴海く……ん」
ちょっとだけ感激した僕の前で鳴海君はブレザーを脱ぎ捨て、ソファの背に掛けた。
「兄貴のクレジットカード使ったからさ……」
ちょっと、恥ずかしそうに鳴海君は教えてくれた。
「だから、そんな格好で?」
「だってあの日以来だから、潤也と泊まれるなんて」

 鳴海君が言うのは、初めて鳴海君とエッチしたあのお祭りの日の事だ。それ以降エッチはしても僕は外泊する事がなかったんだ。急に鳴海君が可愛く見えてしまう。ちょっと大人っぽい格好をしていても中身は鳴海君のままだ。
「晩飯もルームサービスでいいよな?俺はずっと潤也とベタベタしていたい」
 鳴海君の言葉に少し恥ずかしくなったけど、今日は鳴海君の誕生日だ。僕は1日貸し切りにされているのだから文句など言えない、言うつもりもなかった。だって僕もベタベタしたかったから……

「鳴海君、誕生日おめでとう」
僕はソファに座り鳴海君と向き合って改めてお祝いの言葉を言った。
「ありがとう潤也。一緒に風呂入ろうか?」
「ふ、風呂……」
「俺、誕生日だし……」
 誕生日だと一緒にお風呂に入らないとダメなのかな?兄とは小さい頃一緒に風呂に入っていたから、去年一緒に入った時も恥ずかしくなかったけど、鳴海君とは少し恥ずかしい。今までエッチしても一緒に入った事はなかった。

「あ……」
 考えてみたら僕は、まじまじと鳴海君の裸を見た事がなかった。ちょっと興味はある。
「入るよな?」
「う、うん。僕が背中を流してあげる」
「ありがとう。俺も潤也の背中流したい。背中だけじゃないよ、全部俺が洗ってあげる」
「全部……全部はいい」
 僕は、鳴海君の言葉が恥ずかしくて、うんと言えなかった。だって全部って……全部だよね?どうしよう、緊張してしまう。
 高校を卒業して僕はもう委員長じゃないけど、あまり狼狽えるのも格好悪いから僕は平気な顔をして鳴海君の申し出を断った。

「俺、誕生日なのに……」
いつもは強気の鳴海君が、か細い声を出した。
「……今日だけだからね、今日だけ……」
「潤也、ありがとう」
途端にいつもの鳴海君の顔になって僕に礼を言う鳴海君だけど、洗ってもらうのは僕なのに礼を言われるのは変じゃないかな。



 僕は、格好悪くてもきちんと断れば良かったと後悔したのは、それから暫くして一緒に風呂に入った時だった。僕は当たり前だけど全裸で鳴海君に体を洗われていた、それも隅々までとても丁寧に洗ってくれる。お陰で僕は一生分くらいの羞恥を味わったんだ。
今も……鳴海君の指は、僕の……その……いつも鳴海君と繋がる場所を丁寧に洗っている。体を洗われて声を出すのも変だから、僕は必死に我慢しているのに、鳴海君は気づかないのか、お構いなしに綺麗にしてくれる。そろそろ解放してもらわないと僕はもっと恥ずかしい事になってしまう。

「な、鳴海君。あとは自分で……あん」
「ん?あとは何?」
 受験勉強は一生懸命にしたのに、人の気持ちを察する勉強はあまりしなかったからなのか、鳴海君は僕の言いたい事を全然分かってくれないみたいだ。それに残念ながら鳴海君は経済学部だ。
まあそんなに綺麗な場所ではないと思うけど、そこまで丁寧に洗わなくても……やっぱり、鳴海君は女の子がいいのだろうか。女の子だったらここまで綺麗にしなくても済みそうだ。なんだかちょっと気持ちが沈んで来てしまった。

「もう少し洗おうな」
 そんな僕の耳元で、鳴海君は追い打ちを掛けるように囁いた。
「う、うん……」
 同じ言葉をあと一回言われたら僕は泣くかもしれない。でも僕のそんな心境とは別に僕のささやかなペニスは鳴海君の指を喜んでいるみたいだった。節操なしめ。

「やあ―――ん」
鳴海君が指を増やし3本も僕の中に入れている。もう充分に綺麗になったんじゃないかな?って言ってもいいかな。

「な、鳴海君あの……」
「ああ、そろそろ挿れるよ」
「ええっ!?」
「え、だめ?だって潤也だってもうこんなだし、俺も大変な事になってる」
 鳴海君の言葉に僕は、そっと後ろを振り返った。ぎゃっと心の中で叫んでしまったのは内緒にしようと思う。そんな事を教えたら、きっと鳴海君が喜び過ぎるから。

 まだ返事をしていないのに、鳴海君は大きくなった自分のペニスを僕の後ろに宛がっていた。
「ああ……鳴海君、ここお風呂場なんだけど、あぁ……っ」
人の言葉は最後まで聞かないとダメだと後で教える事にするよ僕。

「潤也……凄くぬるぬるして気持ちいい」
「ああぁん」
僕も気持ち良くて、でも恥ずかしくて涙が出て来た。
「つらい?」
鳴海君が僕の涙に気づいて優しく声を掛けてくれた。侮れないね鳴海君。

「潤也ごめんな、俺早く潤也の中に挿れたくて焦っていたみたいだな、やっぱ抜こうか?」
「ち、違う。つらくないよ、何だか嬉しくて……」
「潤也……」
 僕の言葉を聞いて鳴海君のペニスがいちだんと大きく膨れたみたいだった。
「ああぁ……鳴海君の凄い」
「ほんと?じゃあ動いていい?」
 現金な鳴海君は、とっても嬉しそうな声で僕に確認してきた。でもまた僕が答える前に腰を大きく動かし始めた。やはり注意した方がいいみたい。

「はぁっ……あぁ……」
 恥かしいけど、鳴海君が腰を動かすたびに僕の口からは、はしたない声が漏れてしまう。浴室だからその声が響いて自分の声では無いように感じてしまい、僕の欲情に火を点ける。
「すごい潤也色っぽい」
 鳴海君の声も色っぽいから。

 僕は、いつのまにか浴室の壁に両手を突いて自分の体を支えていた。鳴海君は相変わらず僕の腰を掴み僕の中で暴れていた。
「潤也、気持ちいい?」
「気持ちいい……」
 僕は、鳴海君の問い掛けに答えるように腰をもぞもぞと動かした。僕のペニスが寂しそうにしている事に鳴海君が気づいてくれるように。
 でも、鳴海君の両手は僕の腰をしっかり捕まえたまま離れそうにない。

「鳴海くん……」そう甘えた後にもう一度腰を動かした。
「ん、気持ちいいよ俺も」
 そう言って鳴海君は、浅い所までペニスを引き抜き、そしてまた最奥まで突き上げる。
「あぁぁぁ」
 その感覚に頭の奥で火花が散ってしまう。気持ちいい、とっても気持ちいい。でも足りない。人の気持ちを察してくれない鳴海君にまた涙が出てしまう。もっと優しい大人になってもらわないと困る。


 ふっと体が軽くなった。鳴海君が抱き寄せるように僕の体を反転させた。
床に座った鳴海君の膝の上に座り、正面から向かい合った。僕はほっと安堵の息を吐いた。
「潤也、可愛い」
「鳴海君は格好いいよ」
 僕の言葉に鳴海君はとても優しい笑顔を向けてくれ、そして鳴海君の手は僕のペニスを優しく掴んだ。
「あぁ……」
 僕は気持ち良くて甘い声を出してしまった。期待していたと思われるかもしれない……。

 鳴海君は少し頭を下げて、僕の小さな乳首を舐め始めた。その間も右手は僕のペニスを離さない。
 優しく擦り上げられ、気持ち良くて死にそうだ。―――あ、逝った。

「潤也、可愛い」
 何か違う意味で言われたような気がする。やはり経済学部から違う学部に移る事を勧めようかな。

 でも僕は射精の気持ち良さに頭が朦朧としてきた。


 射精の気持ち良さだけでは無かったらしい、僕が意識を取り戻したのは、ベッドの上だった。薄目を開けた時に心配そうな鳴海君の顔が見えた。
「気がついた?」
「あ……」
 どうやら僕は浴室で逆上せて倒れたみたいだった。鳴海君が凄く不安な目をして僕を見ていた。
「ごめんな、潤也」
「大丈夫……」
 倒れたのは逆上せたのもあったかもしれないけど、僕が興奮していたせいでもあったと思う。でも それは鳴海君には内緒にする。鳴海君は、甲斐甲斐しく僕に水を持って来たり、冷たいタオルを持って来たりで忙しい。

「鳴海君、もう大丈夫だからこっちに来て」
「本当か?」
 やっと安心して、いつもの笑顔を見せてくれた。やっぱりこの笑顔が好きだ。

 鳴海君は僕の横に滑り込み、僕を胸に抱きしめてくれた。
「僕こそごめんね、もう大丈夫だから続き……して」
「いいよ、無理しなくても」
 僕たちのエッチの回数が少ないのは、きっと鳴海君が優しいからだと思う。
「無理じゃないよ、僕も鳴海君といっぱいエッチしたいから」
「潤也……」
 鳴海君は、感激したような声で僕を強く抱きしめて、キスしてくれた。
「鳴海君、好きだよ」
「俺も。来年も再来年も一緒に俺の誕生日を祝ってくれよな」
「うん、だから学部も変わらなくていいからね」
「ん?」
「ううん、何でも無い」僕の失言を追及しないのも好き。

「だから、早く……」
 僕は、そう言いながら鳴海君の下半身に手を伸ばした。ぎゃっと思ったのは又内緒にするよ。鳴海君大好き。





6000文字……前中後編にすれば良かったかな、とちょびっと後悔しました^^;

最後まで読んで下さってありがとうございます。
まだまだ、リハビリ中ですが少しずつ書いて行きます。


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COMMENT - 3

ちこ  2011, 11. 14 [Mon] 17:32

どこで自主規制していいかわかんないから、読んじゃった(^-^)v
自主規制はむしろ、
鳴海くんだ(〃▽〃)もう、お風呂あわあわ遊んでるし~(〃▽〃)
でも、じゅんちゃんも大胆になってお母さんは嬉しいよ♪

Edit | Reply | 

鷹屋  2011, 11. 14 [Mon] 19:54

久々に読みました!
相変わらず萌え死にしそうです(≧∀≦)

Edit | Reply | 

キャサリン  2011, 11. 16 [Wed] 14:25

わぁ…

コメント遅くなりましたが、一気読みしちゃいましたよ~♪
思わずニコニコ(ニヤニヤ?)しちゃう、可愛い二人…大好きです!

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