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鳴海君と僕 7

 15, 2011 01:23
「潤也はまだ女の子とエッチな事なんかしてないよな?」
「そ、そんな事していません」
兄は女の子って聞いて来たから僕は嘘は吐いていない。
「本当に?」兄は僕の顔を覗き込むようにして再確認をしてきたので、僕は今度は黙って頷いた。
「そうか……」兄の顔が嬉しそうに綻び、僕はちょっとだけ心が痛かった。
だって僕が好きな人は女の子じゃなくて、同級生の鳴海君なのだ。でもそれを兄に知られる訳にはいかなかった。大好きで尊敬する兄に嫌われたくなかった。

僕はその日からお祭りの前日まで兄の背中を流してやったが、兄はあの日以来僕の体を撫で回す事はしなかった。でも本当はあの夜、僕の性器が少しだけ固くなったのを気づかれていると思うんだ……でもそれは条件反射であって、僕が兄に欲情した訳では無かったと思う。


「委員長~~潤也~~」妙に元気な鳴海君が待ち合わせ場所で手を振って僕を迎えてくれた。
「お招きに預かりまして、ありがとうございます」僕は人として当たり前の礼を述べた。
でも鳴海君はちょっと口を尖らせて他人行儀な挨拶は止めろよと言うが、僕と鳴海君は他人なのだから仕方ないし、鳴海君の地元のお祭りに連れて行ってもらうのだから当たり前なのにと僕も又口を尖らした。

「甚平ですか?」鳴海君は紺地の夏らしい、そして男らしい甚平を着ていた。僕はそんな姿に少し見惚れてしまった。
「潤也も着ようよ、俺の小さい時のを出してあるんだ」
「小さい時のですか……?」そうだ、僕は鳴海君とは15㎝は身長が違うだろうと思う。
「中学生の頃のだよ、一度俺の家に行って荷物も置かないと駄目だろう?」鳴海君は揶揄するように僕の手にあるスポーツバッグを見ていた。
僕は、鳴海君のお宅に迷惑が掛からないように着替えと大き目のタオル、洗面用具などバッグに詰めて来ていた。

「潤也が泊まりに来てくれて嬉しいよ」
「僕の方こそ……」僕は正直言ってかなり緊張していた。鳴海君が僕の事をどう思っているか分からないが、僕は鳴海君が好きなんだ。好きな人の家に泊まれるなんて嬉しい限りだ。僕の一生の思い出になると思っていた。
でも本当は、この前屋上でしたような事をしたいと心の片隅でちょっと思っていた。

鳴海君と並んで少し歩くと鳴海君の家に着いた。僕の家はマンションだけど鳴海君の家は立派な一戸建てだった。玄関のポーチを潜るとあまり広くはないが庭に綺麗な花が咲いていた。
「綺麗な花ですね」僕は思った事を口にした。
「ああ、お袋が庭いじりが好きなんだよ」
僕は、まだ自分の母親をお袋と呼んだ事は無かったが、鳴海君がそう呼ぶと何だか格好いいと思ってしまう。いつか僕も呼んでみたい。でもきっと家族全員に顰蹙を買いそうであった。

「お邪魔します」僕は奥に向かって少し大きな声を掛けた。
「誰もいないよ、両親は旅行に行っているんだ……」鳴海君がバツが悪そうに僕に言う。
「ああ、そうだったんだ。これ手土産なんだけど」僕は兄に持たされた有名な店の羊羹を鳴海君に渡した。
「あ、ありがとう。お袋喜ぶよ」にっこりと笑う鳴海君はやはり素敵だと僕は見惚れてしまった。

「俺の部屋に行こう。甚平もあるし」
「うん。お邪魔します」
僕は脱いだ靴を揃え直して家に上がった。鳴海君の部屋は2階にあるらしい。僕は黙って鳴海君の後に続いた。
僕を迎えに来る前に入れておいたのだろう、クーラーの冷気が火照った体に気持ち良かった。
鳴海君のベッドの上に、きちんと畳んだ甚平が置いてあった。鳴海君が着ていたのにしては新しい。僕の怪訝な顔を見て、鳴海君は中学の頃は殆ど着なかったからと言い訳をする。

「僕が着てもいいんですか?」
「その方が俺は嬉しいんだけど」
「ありがとう」
「甚平の着方知ってる?」
「え?」
浴衣は難しいだろうけど、甚平なら洋服感覚で着れるはずだろうと僕は思って鳴海君の顔を見た。
「甚平や浴衣は下着を着けたら駄目なんだぞ?秀才の潤也でも知らないだろう?」
鳴海君の揶揄するような発言に僕は少しむっとして「その位知っている」と答えってしまった。

「着替えれば?」
「う、うん……」僕は少しおどおどしながら、チェックのシャツのボタンに手を掛けた。
「鳴海君、あっち行っていて」
「どうして?」
「だ、だって……」下着を脱ぐのに鳴海君が近くにいて見ていたら、僕は恥ずかしい事になるかもしれない。そんな姿など見せたくなかった。

「俺と潤也の仲じゃん?恥ずかしがらないで脱げよ」口でそう言いながら、鳴海君は僕のシャツのボタンを勝手に外していく。
シャツを脱がされ、インに着ていたTシャツまで万歳と言われ脱がされる。ちょっと恥ずかしい。

「潤也の乳首って綺麗なピンクだな……」鳴海君のセクハラ発言に僕は顔が熱くなってしまった。
慌てて甚平の上を掴み肩に羽織った。
「潤也……キスしたい。していい?」
「な、何を……」鳴海君の言葉に動揺して、僕は簡単に袖を通せなくなりまごついてしまった。
鳴海君がそんな僕の腕を取った。袖を通すのを助けてくれるのかと思ったら、そのまま後ろ手に絡められた。
そして僕は変な体勢のまま、ベッドに押し倒された。



■こんばんは、kikyouです。
ぼちぼち更新していきます。
「鳴海君と僕」も今回から連番をふることにしました。
自分で何話目か分からなくなってしまいまして……
前後編で終わるはずが、なかなか終わらなくなりました。


まだ不参加中ですが……帰りやすいように貼っておきます。
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にほんブログ村ありがとうございました!


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COMMENT - 1

けいったん  2011, 08. 15 [Mon] 08:43

ヽ(*^-^o【─+゚*。─残暑お見舞い─。*゚+─】o^-^*)ノ

お久し振りの委員長の登場ですか!v(≧∇≦)v イェェ~イ♪
相変わらずの ”です”、”ます”口調に 何故だか気持ちが ホッコリ~します(o^∀^o)

お祭りに お泊りと 鳴海くんの下心が、丸見えですなぁ~
潤也も チョイ期待しているし~ウシシ(*≧m≦)人(≧m≦*)

二人で 素敵な一日を過ごしてね♪(b^ω^)b

kikyou様、毎日 暑い日が続いてますが、お体(特に 偏頭痛!)の無理の無い様に 過ごされてますか?

「まだ大丈夫!まだまだイケル!」って、すぐ無理しちゃいそうで心配だなぁ~!
疲れたと思ったら 少しでも休息を取ってね。
ほんと 無理は、絶対に禁止!だからね♪(←クドイ!(笑)

お互いに 節電の夏を乗り切りましょうぞっ!
(d゚ω゚d)オゥイェー♪...byebye☆
 

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