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鳴海君と僕 4

 30, 2011 00:00
「何をぼっとしているんだよ」置いて行かれたような顔で鳴海君がそう唸った。
「あ、うん……鳴海君は僕の事を好きなのかなって思って。はっ!」
聞くのは止めようと思っていたのに、つい言葉にしてしまい僕は慌てた。
「あ、いいんです。別にそんな事はどうでも……」
「はあ?どうでもいい?」鳴海君の端正な顔で睨まれると逆に怖い。両刃の剣と同じだ。
「気にしないで下さい。時には答えを求めない事も必要です」

「全く面倒臭い奴……」呆れたような鳴海君の声に、僕の心も体も項垂れてしまう。怒っているのに、鳴海君の手は僕のベルトを外し、ファスナーを下ろす。
「あ……ヤメテ下さい」
「うるさい!」
「……はい、ごめんなさい」不機嫌な鳴海君に僕はつい謝ってしまう。情けない自分が悲しくなって来たが、今は落ち込んでいる事態ではないと気づいた。鳴海君の手が下着のゴムを潜って、直接僕の性器に触れて来たのだ。

「あ……ん」
生まれて初めて自分以外の体温に触れた僕の性器は、途端に元気になってしまう。
「潤也……気持ちいいか?」
「あん……」自分でも信じられない声に逆上せそうだった。
「触りにくいな、ちょっとズボン脱いで」それは提案では無く命令に近いものだった。
「こんな所でズボン脱げません。僕は変態じゃありません」
流石に僕も何時誰が来るか分からない屋上で、ズボンなど脱ぐ勇気は無かった。第一午後の授業はとっくに始まっているのだ、誰かが探しに来たらどうするんだろうと急に不安になって来た。

「鳴海君、授業に出ましょう」
「ここ大きくしたままか?」
「う……」いつのまにか、鳴海君の手で僕の性器は最大限まで育てられていた。他人の手の気持ち良さに、僕の理性など言葉だけでしかなかった。
「出しちゃえよ」
「え……何を?」
「精液」その言葉を嬉しそうな顔で言う鳴海君の顔を、僕はじっと見つめた。
僕の頭はその言葉を理解するのに、かなりの時間を要した。

「えっ、えっ?ちょっと何を言っているんですかっ!」
僕が高校生になって初めてと思えるような、強い口調で鳴海君に食って掛かった。
「へえ?潤也でも慌てる事があるんだ?」鳴海君も意外そうな顔で僕を見詰めた。
「だって……人前で出すなんて……信じられない」
「俺の前だからいいじゃん?」鳴海君の顔は、とっても嬉しそうだった。

その嬉しそうな顔のまま、鳴海君は手だけを動かしている。
「やあっ、鳴海君……手は……」
「気持ちいいだろう?」
「はい……いや違って……あん」もう自分が何を言おうとしているのか、どうなっているのか全く分からなくなった。頭の中が気持ちいい一色に冒されている。

「潤也、可愛いな。眼鏡外してくれよ」僕は蕩けるような思考の中、鳴海君のお願いを叶える為に眼鏡を外した。
「マジ可愛い」
自分の事を可愛いと言うのは兄だけかと思っていたが、まさか鳴海君も同じ言葉を言ってくれるなんて信じられなかった。兄の言う可愛いはきっと兄弟だからだと思う。鳴海君の可愛いもそれに近いものだろうか?
「僕は鳴海君の弟じゃないですよ?」
「はあ?俺は自分の弟のなんか扱かないぞ、お前んちはそうなのか?」
時々兄は僕をからかうように、一緒に風呂に入ろうと誘うけど、こんな事をしようとは言わない。

「いいから、もう黙れよ……」鳴海君の熱い息が耳に掛かり、僕は背中がぞくっとした。
鳴海君は僕の脇を両手で持ち上げ、僕の体の向きを変えた。僕の背中は鳴海君の胸に押し付けられる。体格の良い鳴海君に後ろから抱っこされて何だか安心していた。

改めて鳴海君は後ろから手を回して僕の性器を握り込んだ。鳴海君の手の動きが早くなり、僕を追い詰める。このまま行ったら僕はここで射精してしまう。
(困った……でも気持ちいい……どうしよう?)いつもの理性は全く働いておらずに、焦燥感だけが募った。
「あ……ん」もう我慢も限界に近づいて来たようだった。
「な、鳴海君……もう出ちゃうよ、どうするの?」
「いいから出しちゃえよ」
「あぁん、あぁ出る……出ちゃう……鳴海くーん」
あまりの気持ち良さに我慢出来なかった僕は、乾いたコンクリの上に白濁を飛ばした。

心臓はバクバク鳴り、腰はがくがく揺れている。
「はぁ……っ」肩で息を吐きながら僕は呼吸を整えた。
「潤也……」甘い囁きと一緒に鳴海君の唇が重なり、僕は薄く唇を開けて鳴海君の唇と舌を受け入れた。
「鳴海君……大好き」キスの合間に僕はとうとう愛の告白をしてしまった。
「知っている」
「え……?」
「さっき、好きって言ったじゃん?」
「そうでした?」いつ告白をしたのだろうと首を傾げるが、自分はまだ鳴海君から何も聞いていない。だんだんと答えを聞いてもいいような気がしてきた。

「鳴海君も言って下さい」
「うん?聞きたい?」
「……いえ、やっぱり止めておきます」
(予行練習と言われるのは、やっぱり嫌だ……)そう思ってふと首を傾げた。どうして予行練習で僕の精液を飛ばすのだろうか?
「鳴海君、あの……僕は男子ですよ?」
「知っているよ、さっき俺ちゃんと触ったもん。どうして俺がこんな事をしたのかまだ分からないの?」
「はい……」僕は頭が悪い方じゃないと思う。ここにいる鳴海君よりはずっといい。それだけは自信を持って言えた。

「それより潤也……俺も達きたいんだけど?」
さっきから僕のお尻の下で固くなっている鳴海君の性器は、僕もずっと気になっていた。
「分かりました……僕もさっき気持ち良くしてもらったから、僕も頑張ります。さあズボンを脱いで下さい」僕は珍しく男らしく覚悟を決めた。
「色気ないなぁ」でもせっかくの覚悟を鳴海君は溜め息で返す。
(あれ?何か違ったのかな?)
「潤也……口でしてって言ったら怒る?」
僕は鳴海君の言っている意味が判らずに、一生懸命に考えた。


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