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鳴海君と僕 3

 29, 2011 00:00
■3編で終わる予定が、まだ終わっていません^^;■ 



 僕は鳴海君に引っ張られ屋上のいつもの席に連れて来られた。
僕の足元には、まだ綺麗に包まれた弁当が置いてある。鳴海君がまだ弁当を食べていない事に驚いた。食べる前は彼のお母さんの手で綺麗にリボン結びされた包みも、鳴海君が結ぶと縦結びになっているから、広げたか直ぐに判る。

「鳴海君、お昼まだなんでしょう?早く食べないともう昼休みは終わってしまいますよ?」僕は親切心でそう教えてあげた。
「どうして、皆の前で眼鏡外したんだよ。外すなって言わなかったっけ?」
「ええ……外したというか、外されてしまいましたが、僕の顔です。別に鳴海君に駄目と言われても?僕の自由なのでは?」
「うるさいっ、駄目なものは駄目なんだよ」
「だからどうして駄目なんでしょう?」
「うるさいっ!」さっきよりも強い声で言われ僕も、これ以上は言えなくなってしまった。

 どうして鳴海君がこんな些細な事で怒っているのか僕は分からない。
それよりも気になるのは、壁に押し付けられた僕に覆いかぶさるように立っている鳴海君の位置で……目の前に少し屈んだ鳴海君の顔がある事だった。
「な、鳴海君……顔が近いですよ」
これ以上睨まれていたら、僕は恥ずかしくて顔が赤くなってしまうだろうと思った。いや何だか顔が熱いからもう赤くなっているのだと思う。

「潤也……」
「え……?」
近かった顔が、もっと近づく。
(あぁそれ以上近づいたら僕は目を瞑ってしまいそう……)
僕の瞼が下がったのは、決してニュートンの法則で無いのは分かる。でも瞼が落ちてしまう。

 唇に吐息がかかったと思ったら、次には鳴海君の唇らしきものが付けられた。それは2度目のキスだった。この前よりも長く唇が重なっていた。
僕は抵抗するべきかとも思ったけど、何だか気持ちいいからされるままに、じっと息を詰めていた。
(く、苦しい……)僕の肺に新鮮な空気が入ってこずに、苦しくて鳴海君の胸を押し退けた。
「はぁ……鳴海君……苦しいです」
「どうして鼻で呼吸しないんだ?」
鳴海君の言葉に自分が人間だった事を思い出した。鼻で呼吸をすれば問題無いと学習した。

「覚えました。今度は大丈夫だと思います」僕は学習の結果を鳴海君に報告する。
「あ……」僕の言葉が終わる前に再び鳴海君の顔が近くに来た。
僕の法則により僕の瞼も再び落ちた。
時々鳴海君は、僕に新鮮な空気を吸わせる為に唇を離してくれるが、僕はもう鼻で呼吸が出来るから大丈夫さとは言わなかった。
唇が痺れるくらいに、何度も唇を吸われ僕の息も上がってしまった。でも僕は、鳴海君が僕にキスをする理由をまだ聞いていない。

「どうして?」やっと、鳴海君の行動の意味を問うてみた。
「理由がなきゃ駄目なのかよ?」拗ねたように鳴海君がそう言った。
「やはり理由は必要だと思います」
(例えば僕をからかっているとか、今日デートするのでその予行練習とか……)色々あるはずだろうと思う。

「潤也はどうして?」
「そ、それは僕の法則です」
(あぁ鳴海君は僕の法則を知らないだろうな……)
「はい?」
やはり知らなかった鳴海君が、語尾を上げながら聞いて来た。
「僕は、鳴海君の顔が近づくと瞼が重くなるんです」
「俺じゃなければ、どうなるんだよ?」
「他の人じゃ無理です。多分僕の法則は発動しません」
「俺限定?」鳴海君の顔が急に嬉しそうに輝いた。
「はい、鳴海君限定です」
「それって、俺の事好きって事?」
「はい、好きですけど……それは僕の事情ですので鳴海君は気にしないで下さい」

「俺の事情はどうでもいいのかよ?」嬉しそうな顔がまた拗ねたような顔に戻った。
「鳴海君にも事情があるのですか?」さっき理由を聞いた時にはきちんと答えてくれなかったから、無駄だろうと思ったが聞いてみた。

「はぁ……」鳴海君は深い溜め息を吐きながら僕の肩を押して、床に座らせた。
鳴海君の手の重さに負けて僕は、コンクリの床に体育座りをした。
「本当にお前って鈍いっつうか、ズレているっていうか……面倒臭い奴だな」
「僕には鳴海君の方が何を考えているのか判りません」
「俺?!俺みたいに分かりやすい奴なんかいないだろう?」
「そうでしょうか?」僕には鳴海君が理解できないままだった。

「もう一回キスしたら分かるんじゃない?」鳴海君の提案に僕はこくんと頷いた。
今度のキスはさっきのキスと違って、僕の口の中に鳴海君の舌が入って来た。凄く驚いたけどその舌が口の中を色々舐め回して、それが何だか気持ち良くて僕は鳴海君の動きを止める事をしなかった。上顎の裏を舌で舐められた時に体がぞわりと粟立ってしまった。
「あぁ……」僕は合わさった唇の隙間から女子みたいな、甘い声を漏らしてしまい恥かしくて顔が真っ赤になってしまった。

 午後の授業の始まりを告げるチャイムが鳴っていたけど、今の状況が気持ち良くて鳴海君の背中に腕を回した。体育座りしていた筈の脚はいつの間にか開かれ鳴海君と向い合せになり、鳴海君の腿の上に跨いで座っていた。
気持ち良いキスに僕の性器が元気になっているのを、鳴海君に知られなければいいと思っていた。

「勃った?」
それなのに鳴海君はからかうように僕の顔を覗き込み聞いて来た。
「仕方ありません、自然現象です」僕だって一応男だ、刺激を与えられれば反応をしてしまう。
「俺も勃っちゃった、どう責任とってくれる?」
「ぼ、僕に責任があるのですか?」濡れ衣のような気がするが……
「そう、潤也の責任だ。だけど潤也が勃ったのは俺のせいだから、俺はちゃんと責任とるぞ?」
鳴海君がこんなに責任感がある人だとは、僕は少し見限っていたのかもしれない。でも時々掃除をさぼるのはどう注意すればいいのだろう?
そんな事を考えていたら、鳴海君の手が僕のズボンのベルトをがちゃがちゃ外そうとしていた。
「な、何をしているのですか?」僕にしてはかなり慌てた声だったと思う。

「だから、責任とってもっと気持ち良くしてやろうと思って」
僕が好きになるのは、いつも男子だったけど今でこんなに積極的な人はいなかった。もしかして鳴海君も僕の事が好きなのだろうか?と新たな疑問が湧いて来た。
問題の答えを知るのが大好きな僕が、生まれて初めてその答えを知るのが怖いと思った。



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COMMENT - 1

tukiyo  2011, 07. 29 [Fri] 09:33

鳴海限定の法則~可愛い~。
これからいろいろな鳴海君限定の法則が発動するのかしら~(o^^o)ふふっ♪

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