無理に貫かれた日の記憶は身体が覚えているのだろうか?
あの日準備のちゃんと出来てない秀麗の身体は熱に浮かされた兼光によって、引き裂かれてしまった。
紅蓮が駆け着けた時には意識を殆ど飛ばした秀麗の後孔からは、兼光の吐き出したものと鮮血が混ざった物が流れ落ちてていた。
「・・・秀人・・今何って言った?」
強張る面持ちで蓮は秀人に聞いた。
「えっ?・・・痛いって・・・・」
「誰って?」
「知らない・・蓮さんいやっ、怖い」
たった今吐いた言葉を秀人は覚えていないみたいだった。
無意識が言わせた言葉なのだろうか?
蓮は秀人の孔に挿入した指をどうしたら良いか焦る頭で考えていた。
「大丈夫痛くは無いはずだよ・・・ちょっと苦しいかな?」
『進むしかない・・』
蓮はそう決心して秀人の意識を逸らそうと、感じやすい胸にもう一度唇を寄せた。
「あ・・っ」どう舌を動かせば秀人が感じるかよく知っている。
舌先で尖りを転がされ秀人の口からは甘い吐息が零れてしまう。
「あぁぁん・・蓮さん」
秀人はそれでも指を抜いて欲しそうに腰を揺るがした。
だがその動きを借りて蓮の指は最奥まで突き進んだ。
尖りを転がしながらも、1本しか入れてない指で前立腺を捜すように中で動かす。
「やぁ・・・あぁっ」
今まで苦痛にしか思えなかった蓮の指が擦る場所が一瞬にして甘美な物に思えてきた。
「やっ・・・変・・・」
「ここ気持ちいいよね?」確信を持って蓮は問い掛けた。
「あぁ・・ど・どうしてぇ・・?」
瞬時に塗り替えられた身体は自分のものでは無い気がして秀人は戸惑い、その指の動きに合わせるように喘いだ。
拒絶する思いと、快感を得ようとする思いが交差する中、蓮の指は気持ち良い所を擦りながらも抜き差しを繰り返している。
「はぁ・・っ・・あぁ・・っ」
さっきの痛みは完全に身体から消えている事を秀人はまだ気付かないでいたが、漏らす吐息は熱く自分の声では無いような気がしていた。
かりかりっと柔らかく歯を立てられた胸は気持ち良くて仕方ない。
「はっはっ・・・」その気持ちよさは一度萎えたペニスを完全に勃ち上がらせ再び蜜を零させた。
丁寧に両方の尖りを愛撫され、秀人はだんだんと身体の力が抜けて行き、2本目の指を抵抗なく受け入れてしまった。
孔が拡げられる感覚に一瞬だけ身体が強張ったが、察知した蓮はすかさず勃ち上がったペニスを口に含んだ。
「あああっ・・あ・・ぁ蓮・・・」
自分の名前を呼ぶ秀人に安心し、口腔深く咥え直した。
「イっていいよ」
一度そう秀人に言葉を添えたあと、蓮は舌先で巧みに舐めながら手で扱いてやった。
中に埋めた指も2本ならば、充分に良い所を刺激してやれる。
「やっ・・やっ・・・」
否定するのは言葉ばかり・・秀人の腰は我慢できないように小さく動いている。
蓮は2本の指をくいっと曲げてポイントを強く刺激し、同時にペニスの先も強く吸い上げた。
「いやあ―――っ!駄目っ・・出ちゃう・・蓮さん・・・」
逃げようとする身体は下半身に蓮が覆い被さっている為に無意識に腰だけが上下してしまう。
「あぁぁぁダメ・・イッチャウ・・」我慢した後の絶頂は秀人の身体を長い間痙攣させてしまった。
お尻の穴に指を入れられて、ペニスを咥えられて・・・・
秀人は射精しきった身体を小刻みに震わせて今の状況に驚愕していた。
最後の1滴まで吸い尽くされる感触に秀人は改めて自分が蓮の口の中に吐き出した事に気付いた。
「やあっ、蓮さん・・出してっ早く出して・・ごめんなさい」
「大丈夫だよ、秀人のなら美味しいって言っただろ?」
吐精の気持ち良さよりも羞恥が先に立ってしまって秀人はどうしていいか分からなかった。
それでも蓮の指が身体から引き抜かれていない事への恐怖はまだあった。
ゆるゆると中を掻き混ざられている感触は新たな愉悦を身体に与えるものの、これから先の事は未知の世界なのだ。
「蓮・・・指・・・」抜いてという言葉も感じた後ではいいにくい。
「駄目だよ」諭すように言われ秀人は小さく溜息を吐いた。
蓮は秀人のさっきの無意識の言葉に最初は躊躇ったが、もう覚悟を決めていたのだ。
身体を繋げば必ず何かが変わる。
その時が今というのは早いのかもしれないが、それでも自分の手で変えてみたかった。
「ここ気持ち良かったよね?」ぐいと指を曲げ秀人にその感触を思い出させた。
「ああっ!」自分の体内に・・それも普段絶対に触れられない位置にこんなに気持ち良い場所があるのを秀人は知らなかった。
「ぼ・・僕の身体・・変なの?」
「変じゃないよ、みんな感じるんだよ」
そう言いながらも蓮の指は強く緩くそこを刺激している。
「あぁぁぁ・・・蓮」
秀人は吐精して間隔も空かないのに又自分の身体が変化を見せだした事を他人の身体を見るような気持ちで眺めていた。
「ほら、秀人のまた元気になってきた」
だが蓮の言葉にこの身体は自分の身体だと嫌でも認識させられる。
「指もう1本挿れようね」瞬時に強張る秀人の尖りに空いた手を伸ばし、指の腹で弧ねってやる。
「うっ・・あぁ・・・」3本の指はさすがに簡単には入っては行かなかった。
拡がる孔の感覚を忘ようとするように「キスして」と秀人が強請った。
口元を緩めた蓮が優しい瞳をして近づく。
そんな蓮の顔を見詰めていた秀人が「僕・・蓮さんの顔知っていたような気がする」と言ってきた。
「え?何処で会ったか思い出して」急に真剣な顔になる蓮だったが、秀人はゆっくり首を振って「でも分からないんだ・・何処で会ったか思い出せない、でもあのポスターを見た時、胸が苦しくて悲しくて辛かったから・・きっと楽しい思い出じゃないんだと思う、子供の頃にでも会ったのかな?辛い思い出だから忘れたのかもしれない・・・」
秀人はその感覚を子供の頃のものだと思っているようだった。
「辛い思い出・・・」その言葉を聞いた蓮がとても寂しそうな顔を見せた。
自分と暮らした幸せな12年を秀人は思い出してはくれないのだろうか?
もしかしてその暮らしも秀麗には辛いものだったのだろうか?
「秀人・・・さっき俺と『ひとつになりたい』と言った言葉は覚えているよね?」
「あ・・・はい」
「今でもその気持ちは変わらない?」
「分からない・・・怖い・・・」
「怖くないよ、優しくするし・・・俺は秀人と今ひとつになりたい」
「僕は・・・僕はこの心をひとつにしたい・・」
「え・・?」
「本当は何だか変なの・・蓮さんに触れられて・・・もう一つの心が喜んでる。どう説明したら良いのか判らないけど、僕の身体には2つの心があるような気がする・・・」
「それ・・いつから?俺と会ってから?」
「初めて会った時には身体が千切れそうなくらいショックを感じたけど・・・もっと前から、多分小さい時からだったような気がする。ごめんなさい上手く説明できない」
蓮は自分が小さい頃から感じていた違和感を秀人も感じていた事に驚きと安堵の入り混じった気分で秀人を見詰めた。
「秀人・・ひとつになろう。そうしたら全てが分かるから・・・」
「本当に?」
「ああ・・だから安心して全てを俺に任せてくれないか?」
蓮の言葉に覚悟を決めたように秀人がだまって頷いた。
「だから、もう何が起ころうと俺を拒まないで・・・全ては感じるがままに身も心も任せて」
蓮はそう言うと何度か秀人の舌を絡め取るキスをした後に、未だ挿入したままの指がある箇所にゆっくりと唇を寄せて行った。
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18禁になると長くなってしまいますねぇ・・
普段よりも1000文字多いのに・・まだ終わりません。
私の頭の中も色々分散していて、読み苦しい所があるかもしれません。
感覚で読んで下されば助かります^^;
すみません!!公開にするのを忘れてました^^;
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