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永遠の誓い 12

 17, 2010 22:10
「どうしてっ?」
永遠はあの瞬間の事を覚えては居ないのだろうか?
もしそのシーンだけ忘れているのならば、わざわざ思い出させるような事は言いたくなかった。
「・・・瞬があいつを殴ったから?」
「永遠!!」
瞬は永遠が覚えていた事よりも仁科の事を「あいつ」と呼んだ事に驚いた。

「僕先生に言うよ、あいつが何をしたのかを・・・」
「止めろ、言わなくていいよ、永遠が分かってくれてれば、それでいいから」
「でも停学になっちゃうんでしょう?」
「多分な・・・」でもそれで永遠がさらし者にならないのなら、その方が気が楽だった。

永遠は狭いベッドの中でこれでもか!と言うくらいに体を密着させてくる。
「と・・とわ・・もう少し離れて」
「どうして?」
「そ・その・・・何だな・・それだ・・うん・・だから少し離れて」
「全然意味判らない」

「参ったなぁ・・・」どうしたもんか・・瞬は少し迷ったが、意外と良いチャンスかもしれないと思った。
「なぁ永遠、エッチな本とか見て・・その・・勃起する?」
「エ・エッチな本なんか見ないもん!」
「じゃ自分で触った事ある?擦って気持ち良くなった事は?」
「・・おしっこする時触るけど、擦らないもん」
永遠の顔は赤くなったり青くなったり忙しかった。

「こういう話もう止めようか?永遠にはまだ早いかもしれない」
だが知識がないと又誰かの魔の手にかかってしまうかもしれない。
「瞬も擦るの?気持ち良くなるの?」
下から覗き込むように、だが真剣な目で永遠が聞いてきた。

「・・・なる!凄く気持ち良くなる」きっぱりと言うしかなかった。
もう同級生には初体験を済ませている子も結構いた。
本当かどうか怪しい奴は居たけど、それでも瞬が知ってるだけでもかなりの数いた。

「永遠よく聞いて、普通男も女も俺らぐらいの年になったら好きな人が出来て
その人の体に触りたいとか思ったりするんだ、それは別に変な事じゃないし・・」
「じゃどうしてあいつは・・・僕に触ったの?」
「・・永遠の事好きだったんじゃないのか?」
「男なのに?」
「そうだ、男が男を好きになる事だってあるんだ」

「瞬・・・僕さっき思い出したんだ・・・中学生の時の事・・」
「もしかして仁科の事をお兄ちゃんって呼んでた事と関係ある?」
「僕が入院・・・・してた・・・・」
そこまで話した永遠の顔色が悪くなり、呼吸も苦しそうになってきた。
「永遠、大丈夫かっ!?」
「瞬・・くるし・・・」
「永遠!ちょっと待って救急車!」
ベッドから降りようとする瞬の服の裾を掴んだ永遠は「瞬・・いいから・・ここにいて」
「だって苦しそうじゃないか」
「少ししたら落ち着くから・・・お願いここにいて」

「判った・・・ほらゆっくり息を吸ってぇ吐いて・・」
そう声をかけながら、瞬は永遠の背中を優しく撫でた。
何度かそれを繰り返すと永遠の顔色に赤みが差してきた。
「永遠、こんな事頻繁にあるのか?」
「うんたまに・・でも今までは自分でもどうしてこうなるのか判らなかったけど、何となく原因が判った気がする」
永遠は今まで過呼吸を引き起こすスイッチが自分で判らなかった。
思い出した記憶を元にすると、多分そういう雰囲気は視線、言葉が原因だと思った。

でも今夜は何故か症状が軽いように思える、瞬が傍にいてくれた事が心強いのだと判っている。
最初に会った時は変な奴だと思っていたけど、冷たくしてもいつも傍に居てくれて、そのうち傍にいるのが当たり前だと自分も周囲も思うようになった。

「瞬、これからも傍に居てくれる?瞬は僕の事変な目で見ないよね?」
今ここで瞬の本心を言ってしまったら永遠はどうなるんだろうか?
ふとそんな事を考えてみた。
発作が起きなくても、確実に瞬から離れて行ってしまう・・・

「も・勿論さ、俺ら親友だろ?」
瞬の言葉に安心したように永遠が嬉しそうに微笑み、瞬の胸に顔を埋めながら
「ありがとう、うん僕たち親友だよ」と言う。
「もう寝ようか?」
瞬は背中に回した手を子供を寝かしつけるみたいにポンポンと軽く叩いた。
暫くすると安心したような永遠の寝息が聞こえてきた。

『こんな状況で眠れるわけない・・・』
まんじりともせずに夜が明けた。

そして翌日瞬は校長室に呼ばれ神妙な面持ちで入ると、そこにはもう呼び出しされた瞬の義母が座っていた。
『やばい・・・』まさかもう保護者が呼び出されてるとは思いもしなかった。

瞬は義母に向かって「母さんすみません」と頭を下げた。
義理の息子の瞬のせいで掻かなくていい恥を掻いてしまったのだ。
「瞬君、謝るような事をしたの?本当に手を出したの?」
「手を出したのは本当です、今謝ったのは母さんを呼び出す事になった事の謝罪です」
「そう、手を出した理由を言いたくないんですって?」
「はい、言えません」
「そう」

そして義母は校長に向き直って「そういう事だそうですので、処分の方はお好きなようになさって下さい」とあっさり言った。
「ですから保護者の方から真相を聞いて下さい、とさっきからお願いしているんですが・・」
校長としてみれば、寮で暴力騒ぎはとても都合の悪い事だろうと瞬は思った。

「本人が言いたくなければ仕方ないんじゃないんですか?
それにこの子は何の理由もなく人様に手を上げる子ではございませんので!」
『この人(義母)ってこんなに強い人だったっけ?』
寮に入ってから瞬は一度も家に帰った事が無かったのだった。
『家族が多くていいね』と永遠に前に言われた・・
それから家族に対する考え方が少し変わったのだけど、海外に両親のいる永遠が帰る家がないので何となくずっと寮にいたのだ。

結局瞬は10日間の自宅謹慎を言い渡された。




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COMMENT - 14

NK  2010, 12. 18 [Sat] 05:29

瞬くん男前!

大事な人だから、セカンドレイプ(レイプも未遂だけど)の心配を
したのですね。
全て泥を自分で被って、男前!

永遠くんの天然センサーに、瞬くんのヨコシマな気持ちが引っかからない
のは感度の問題ではなくて、「大切に守り抜こう」という気持ちに包まれて
いるからですね。これノイズっていうんですけど今回はナンセスですね。
永遠くんのPTSDという難問を瞬くんはどう対処するのかな。
その前に、自宅謹慎中の 永遠のボディガードをどうするか考えないと。

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jun  2010, 12. 18 [Sat] 06:22

お早うございます。
永遠。二年前のこと、少し思い出したようですね。
でもそれが過呼吸の原因になるなら、永遠の体心配です。
永遠を護る瞬は10日間もいないし。

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-  2010, 12. 18 [Sat] 09:10

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かや  2010, 12. 18 [Sat] 10:01

お話が、ぐんぐん動いてますね~。
「親友だよね」って・・・(涙)
好きだからってのを理由に暴走するくだらない男とは何と違うことか~。
早く報われるといいですねえ、この、涙ぐましい頑張り(;^_^A

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kikyou  2010, 12. 18 [Sat] 10:49

Re: 瞬くん男前!

NKさま

おはようございます。

ふふふ・・瞬男前(^^♪
安全な男として見られてるし・・傍に居られるのは嬉しいけど
それはそれで大変です瞬。

永遠の鈍さも大したもんです(笑)
瞬の気持ちも、自分の気持ちも全く判っていませんね^^

さぁ自宅謹慎・・・
家族の関係は上手くいきそうですが、永遠はどうなる?って感じで引っ張りました^^;

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 18 [Sat] 10:51

junさま

おはようございます。

自分を見る目に敏感に反応している永遠なのですが
瞬の目にはどうして反応しないのでしょう?って感じです。

10日も離れ離れになってしまう二人・・・
どうなるんでしょうか?
(あぁ・・・どうしたらいいんだろう・・・(笑))

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 18 [Sat] 10:54

鍵コメ 8さま

おはようございます。

永遠の性の目覚め・・・早く来いっ!って感じです^^
瞬に対して構えない自分の心に早く気付いてくれればと思っています。

両親は、ゲイの結婚まで認められている国に連れて行く事が不安だったんですよね。
それこそ知らない国でそういう目に合ってしまったら、永遠は完全に壊れてしまう・・

瞬・・・眠れない夜でした(笑)
今は守る側の立場に徹している瞬にご褒美・・・
な・何がいいんだろう?(笑)

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 18 [Sat] 10:57

Re: タイトルなし

かやさま

おはようございます。

ぐんぐん動いて・・・はい、なかなか18才になってくれなくて・・
もう超特急で動かすつもりなんですが^^

早く瞬に気持ち良い思いをさせてやりたいんですが\(◎o◎)/!
設定間違えた~って思っても後の祭りです^^;

コメントありがとうございました。
(今日はあの話頑張ります、またメールしますネ)

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けいったん  2010, 12. 18 [Sat] 15:31

親友で いいの?

即効に後悔してる瞬、その言葉は これから 瞬にとって 重い枷に!
瞬が 謹慎している10日間に 何かあるのでは!と、思ったのですが、
超特急で 動くのなら そんな心配は いらないみたいですね。

過去の出来事から 思い出したようですが、永遠の心の病気は まだ潜んだまま いつ永遠の心に 牙を立てるか分からない状態...
瞬の愛で 早く心の底から 元気な永遠になって欲しいです
(^人^)ゞ...祈り...byebye☆

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紫猫  2010, 12. 18 [Sat] 21:21

こんばんはw
そしてお久しぶりです(*´∇`*)

永遠くんにとっては親友といったほうが安心するんだと思いますが瞬にとっては好きなのに親友って言わないといけないのが苦しいですよね…(-_-)難しいです!

10日間も空けて大丈夫でしょうか?
大丈夫な事を願います八(^□^*)

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kikyou  2010, 12. 18 [Sat] 22:52

Re: 親友で いいの?

けいったんさま

こんばんは。

いや!親友じゃよくありません^^;
でもそう言うしかなかった、可哀相な瞬です。

いつになったら、アマアマな二人を書けるんでしょう?
私の中でクリスマスまでのカウントダウンが始まりました\(◎o◎)/!
チョー焦ってます。

はい、心も治りました。ハイできちゃいました、て4コマ漫画のようにならないかしら?(笑)

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 18 [Sat] 22:56

紫猫 さま

こんばんはー。

お元気でしたか?

ただの友達よりは「親友」と言ってもらえて、それだけが望みの綱です^^
友達<親友<恋人
こういう順番に上手く登って行けばいいんですが。
永遠の幼い性が早く開花する事を願っています(って私か?(笑))

コメントありがとうございました。

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-  2010, 12. 19 [Sun] 02:04

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kikyou  2010, 12. 20 [Mon] 02:29

鍵コメ Yさま

こんばんは。

お返事が遅れて申し訳ございません^^;

変な目?ふふふ
見てますよ~(笑)

無防備過ぎて瞬は振り回されていますねぇ。
もし・・もしよ・・永遠が性に目覚めたら・・・怖いですねぇ(#^.^#)

コメントありがとうございました。

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