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永遠の誓い 3

 07, 2010 00:00
4-eien.gif


「天使の箱庭」の30万Hit御礼で始めた話でしたが
同時に進行していました「この世の果てで」と全く意識しないで付けた
タイトルの印象が重なってしまい、気持ち的に書けなくなってしまっていました。

2話まで書いて随分と放置してしまいましたが
間に「天使が啼いた夜」を挟む事で切り替えが出来ました。


もう話も忘れておられるかも?ですネ。
スミマセン遅くなって。

「永遠の誓い 1」「永遠の誓い 2」


2010-300000-2-80.jpg
                   イラスト undercooled pioさま



浅見永遠(あさみ とわ)イラスト左 18歳
本郷 瞬(ほんごう しゅん)イラスト右 18歳
(話は高校1年の16歳から始まります)








「あ、ごめん・・俺何か気に触る事言ったか?」
ついムキになってしまった永遠は気を取り直したように
「ごめん、何でも無い」永遠は自分でどうしてそんな事を言ってしまったのか判らなかった。
何だかそういう事を言われると胸の奥がむかむかとしてくる。

「本郷君って自宅遠いの?」
「瞬って言えよ、俺の家はここから電車で40分くらいかな?」
「じゃ自宅から通学出来るじゃない?」
わざわざ寮に入っているのが永遠には理解出来なかった。
「まあな色々あるんだよ、俺だって、それに勉強する時間も勿体無いだろ?」
「勉強って・・・」永遠は此処に来て話している暇があれば・・と言いたかった。

「永遠んちは?」
「うちは今海外だから」
「へぇ・・一緒に行かなかったのか?」
「うん・・」
永遠は何故だか両親の口から一度も『一緒に行こう』という言葉を聞かなかった。
残して行く永遠を凄く心配していたのは感じたが、連れて行こうとはしなかった。
「あまり治安が良くないんだって」
そんな事を言われた気がして永遠はそう付け加えた。

永遠は両親が何日も話し合って究極の選択をしたのを知らなかった。

「そうか、でもお陰で永遠と知り合えたんだから感謝だな」
瞬の言葉に首を傾げながら
「僕と友達になっても何のいい事も無いのに、変わってるね・・瞬君」
名前で呼ばれて瞬は目尻を下げて嬉しそうな顔になった。
その顔を見てもう一度「やっぱり変わってる」と呟く永遠だった。

相変わらず永遠の椅子に腰掛け、時々ぐるっと回りながら
「俺んち、父親が再婚なんだよな、血の繋がらない弟と、
半分だけ血が繋がった妹がいるんだ・・」

「ふ~ん・・・家族多くていいね」
「へっ?」
今まで家族の事情を話してこんな風に言った奴は居なかった。
家族の中で一人だけ浮いた感じだったのは、もしかして自分のせいなのか?
と思ってしまうような言葉だった。

「まぁな~」そう言うと瞬は嬉しそうに椅子をぐるぐる回転させる。
遠慮しがちな態度で『ここ判らないんだけど・・』と問題集を持って来る弟と
まだ小さいけど『しゅんちゃ』と慕ってくれる妹。
次に家に帰った時はもう少し優しくしてやろう・・そう思いながら
足を床に着き椅子の回転を止めた。

「あ~目が回る」
そう言って永遠が腰掛けているベッドにどさっと体を投げ出した。
「子供みたいだね、瞬君」そう言ってくすっと永遠が笑った。
「あ、永遠の笑顔初めて見た」
「え?僕笑ってなかった?」
「そうだよ、教室でもいつも本を読んでいるか、ぼーっとしてるかだろ?」
そう言われてみれば、そうだったかもしれない。

『僕はいつから笑わなくなったんだろう?』
昔は・・小学校の頃は元気に走り回って笑っていたような気がする。
中学校の頃は?
1年・・・2年・・・3年?
『僕はいつ3年になったんだろう?』
中学2年から3年になった頃の記憶が曖昧だった事に気付いた。
いつの間にか3年になり、高校生になっていた。

「どうした、大丈夫か?」
瞬に肩を揺さぶられはっと我に返った。
「あっ・・・うん」
「疲れてるみたいだな・・悪かったな無理やり押しかけて」
そう言ってベッドから身を起こす瞬を座ったまま見上げた。
「何だよ、そんな寂しそうな顔するなよ」
「さ・寂しそうな顔なんてしてないよ、元々こんな顔だ・・」
「そうか?・・俺そろそろ寮も戻るよ、大丈夫か?」
「大丈夫じゃない訳がない・・瞬君も帰って勉強すれば?」

皮肉のような事を言われて、肩を竦めながら瞬は
「俺が帰ったら鍵かけておけよ」と言って永遠の部屋を後にした。

瞬が居なくなった部屋で、気を取り直したように永遠は机の上に教科書を広げた。
直ぐには集中出来なかったが、暫くすると頭の中にちゃんと数字が入り込んできた。

どのくらい経った頃だろうか、ドアをノックする音にその集中力が途切れた。
「はい?」
「仁科だけど」
ドアに向かいながら部屋の時計を見ると午後の7時になろうとしていた。

永遠はドアの鍵を外し開いた。
「勉強中だった?まだだったら夕飯食べに行かないか?」
寮の夕飯の時間は午後7時から8時までだ、
あのまま集中していたら食べ損なう所だった事に永遠は気付いて
「はい、行きます」と答えた。

食堂に着くまで永遠はその事を仁科に言い、
お陰で時間を過ぎなくて良かったと礼を述べた。
そんな永遠に笑顔を向け「もし今度そういう不測の事態があったら、
僕の部屋に来るといい、夜食用にカップ麺とか用意してあるから、
食べないよりはマシだ」と言ってくれた。

「ありがとうございます」
永遠は素直に礼を述べ微笑んだ。
「浅見君の笑顔初めて見たよ」
その言葉を言われるのは今日二度目だ・・・

『そんなに僕は笑っていなかったのだろうか?』
小さな疑問がまた胸の奥で湧き上がった。





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COMMENT - 6

澪  2010, 12. 07 [Tue] 01:06

再開ですね~♪覚えてますよ☆
…って、色々謎が出てきたΣ(゚д゚;) ヌオォ!
究極の選択?記憶が曖昧?
気になりまくりですo(>_< *)(* >_<)o ジタバタ

「愛しい人へ」の方も追いかけております♪
一気読みも魅力的だけど、これくらいのペースで読めるのがちょうど良かったりw
クリスマス企画も豪華ですね☆楽しみにしています!

Edit | Reply | 

kikyou  2010, 12. 07 [Tue] 01:27

澪さん

こんばんは。

あぁ覚えてて下さいましたか!
ありがとうございます。

ラブラブの18歳にたどり着くまでに、どんだけ疑惑が?
って感じになってきました。
どうすんだぁって感じですよ。

寮で一人部屋になったのと、記憶が曖昧な事が少しづつ一つの線で結ばれてきます。
(って予定です^^)

「愛しい人へ」ありがとうございます。
あ・・・・紫苑の方は全然進んでいませんねぇ^^;スミマセン

今イラストブログを巡回して来ました。
Ryuさんの素敵なイラスト発見(●^o^●)

コメントありがとうございました。

Edit | Reply | 

jun  2010, 12. 07 [Tue] 05:39

お早うございます。
瞬て、なかなか男らしいですね。
それに我慢力もあるし。
ベットに座った時、永遠にキスでもするのかと思ったのに、
なかったー。(残念)
それにしても寮長の仁科さん、
永遠をどうしようとしてるのかな?
あまりに無防備な永遠だから心配です。

Edit | Reply | 

アド  2010, 12. 07 [Tue] 08:27

>「ふ~ん・・・家族多くていいね」
一瞬にして瞬のスネた心をほぐしてしまった永遠くん。
謎の多い子ですねー。
kikyouさんのストーリー奇想天外だからなー!!
今後もドキドキで読ませて頂きます。

Edit | Reply | 

kikyou  2010, 12. 07 [Tue] 11:45

junさま

こんにちは。

まだまだ瞬も自分の気持ちに気付いていないですからねぇ。
凄く気になる存在って所でしょうか。

そして仁科も気になりますネ。
そろそろ話しも動きださないと、なかなか18歳に辿り着けません^^;

コメントありがとうございました。

Edit | Reply | 

kikyou  2010, 12. 07 [Tue] 11:47

アドさま

こんにちは。

永遠にはまだ大きな謎が隠されています。

最初はこんな展開じゃなかったんですが
16歳から始めてしまったお陰で^^;

いつものことながら、計画性の無い書き手です(^・^)

コメントありがとうございました。

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