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雷鳴 9

 06, 2010 22:45
「僕がしてあげるから来て……」
 忍は静かにそう言って北大路を見た。
「僕ばかりで、悪いから……あまり上手くないけど、僕にさせて」
「そんなに無理しなくても……」
 忍は今日北大路に面倒かけた上に、自分だけ吐精してしまった事を申し訳なく思っていた。
「だから、来て……」
 北大路はこの誘う顔を見て断れる男がいるのなら見てみたいと思いながら、自分のベルトに手を掛けた。
「止まらなくなったらどうする?」
「……その時は、いいよ」


「全く……そんな考えでよく今まで無事で来たな」
 呆れたように北大路がそう言うと忍は寂しそうに微笑んだ。
「もしかして?無事じゃなかったの?」

「僕は……僕は彬が麻雀に負けると、その代償に……」
 レイプを仕組んだ上にそんな事までさせていた彬に北大路は驚いた。
「もういい、もういいよ、それ以上は言わないで。そしてあんな奴はもう忘れて」
 そう言って北大路は忍をぎゅっと抱きしめた。

(忘れられるものなら、こんなに苦しまない……)
「俺を利用して……俺が忘れさせてやるから」
 そう言うと北大路は忍の体をそっと押し倒していった。

 北大路の指先や唇は、緊張した体よりも心を解してくれる。
(自分の意思だ……)
 誰にも強制されたわけでもない事を、今忍はやろうとしていた。
 北大路の唇が離れ、胸の尖りを舐めあげた。忍はこんな丁寧な愛撫は初めてのような気がした。北村先輩も優しくしてはくれたが、忍の快感を優先させる愛撫では無かった。

 ちろちろと舐められ、きゅっと吸い上げられると忍の口からは小さな喘ぎ声が漏れてしまう。
「気持ちいいの?」北大路の言葉に素直に頷いた。
 更にカリッと甘噛みされ忍の腰が跳ねた。
「あぁ……っ」
 北大路の空いた手は片方の尖りを摘むように転がしている。乳首だけをこんなに集中して攻められた事は今までなかった、そこから全身に快感が走る。

 北大路の体がゆっくりと下りて行く。乳首から離れた唇が脇腹を舐めながら腰骨を滑り、忍の薄い下映えを通り茎の根元を食んだ。
「いやぁ……」
「何もかも忘れて快感だけを追って」
 どこまでも優しい北大路の言葉に忍は頷きながらも、まだどこかで抗っていた。

 北大路は茎を舐めながら、手で袋をやわやわと揉んでいる。せり上がってくる快感をやり過ごしながら忍は堪えていた。
「いいんだよ、達きたければ……」
「あぁ……だめっ僕だけ……」
 裏筋を舐めあげた舌が茎をなぶりながら上がって来る、カリ首に沿って舌を這わされ全体に口腔の熱を感じた。

「あぁぁ……っ」
 久しぶりの人肌と性器への刺激が忍の肌を染め、震わせた。
「忍、凄い感じてるね?」
 そう言うと北大路は忍の先走りを舌で舐め取った。
「どんどん溢れてくるよ」
「……恥ずかしい……」
「俺は嬉しいよ、俺に感じてくれて」

 5年もかけて開発された体だ、少しの刺激にも忍は感じやすくなっている上に、半年ぶりのSexなのだ、長持ちするはずもなかった。だがあと少しという所で、忍の唇が離れてしまった。
 あっと思う間もなく忍は膝裏を押しあげられ、全てを北大路の前に晒した。

「あっ、いやぁ……見ないで……」
「綺麗だよ、全部見せて」北大路はそう言うと忍の蕾に舌先で触れた。
「随分固いね、ずっとしてなかった?」
 忍は恥ずかしくて、ただ頷くばかりだった。尖った舌先が蕾の周りを撫で、その感触に忍の体が粟立った。
「あん……あぁぁ」
 北大路の両の親指が蕾の周りの肉を押し広げ、その隙間に舌を差し込む。

「いやぁ……っ」
―――いやじゃない、とてもいい……だが忍はそれを口にする事は出来なかった。
 ピチャピチャと唾液を注ぎ込まれながら、北大路の舌は忍の内壁をなぞる。
「もう、おかしくなりそう……」
「気持ちいい?」
「……凄くいい」北大路の丁寧な愛撫に忍の理性が崩壊しだした。

 舌で解された蕾に今度はローションと一緒に指が挿ってきた。
「凄い、1本なのに……忍のここ狭いね」
 北大路はそれが何故か嬉しかった。今まで幾度も男を咥えこんでいるはずの、忍の中はまるで処女地のように窮屈で、それなのに受け入れる事を望んでいるように熱く蠢いていた。

 北大路は挿れた中指で中を掻き回し、入り口も拡げる。ローションの滑りがなければ、指1本でも無理だろう孔をゆっくりと開いていった。北大路の指の刺激で、忍のペニスは涙を零しながら震えている。達きたくて仕方ないが、流石にはしたなく思え自分の手を伸ばす事は出来なかった。

 ローションが足され、北大路の指も増やされたのが判った。
「うっ……あぁ……っ」
「待ててよ、天国に連れて行ってあげるから」
 そう言うと北大路の2本の指は忍の中をゆっくりと探検し始めた。

「いや――っ!」
「ここだ、いい所見つけたよ」
 切羽詰っている忍に対して北大路はかなりの余裕を見せていた。忍はグリグリと中の感じやすい所を2本の指で擦られ、腰を動かした。自分がその快感から逃げようとしているのか、もっとと強請っているのかさえ今の忍には分からない。ただ、じっとしているのが苦痛だった。

「凄い……もうパンパンだね」
「うっ……あぁぁっ、達きたい」
「いいよ達っても、でも自分で触ったら駄目だよ」
 北大路は一度の吐精で忍を闇に落そうとしていた。中途半端なSexで眠れないよりは、とことん落して熟睡させようと思った。

 ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる後孔は、いつの間にか3本に増やされた指を受け入れていた。
「まだ少しキツイかもしれないけど挿れていい?」
「あぁぁ……」忍は吐息を吐きながら北大路の問いかけに頷いた。



 半年ぶりに受け入れる男の躰は苦痛と快感を同時に忍にもたらした。
(これで本当に終わりだ……)
 忍の頬を濡らす涙を北大路はそっと指の腹で拭った。
「初めて会った時に恋に堕ちたって言ったら信じる?」
「……僕も北大路君のこと嫌いじゃないよ」
 苦しいながらも忍は正直な胸のうちを伝えた。

 寂しい自分に優しくしてくれたからって、誰とでもこんな事をする訳じゃない。それを北大路に判って欲しかった。
「今だけは、俺を見てくれない?」
 忍の心など承知だと言うような北大路の言葉に、忍は申し訳なさそうに頷いた。

「可愛いよ、忍……忍って呼ぶよ?」
 もうとっくにそう呼んでいるのに、改めて断られると頷いていいのか迷ってしまう。
(アキラ……旭……彬……)
「忍だけのアキラになったら、俺の事も旭って呼んでくれる?」
 その提案に忍も微笑みを返した。

 嬉しそうな顔の北大路が「そろそろ動いていい?」と聞いて来たから忍は甘えたように「動いて……」と強請った。北大路の前ではとても素直になれる自分に驚いているが、これはきっとこういう自分を北大路が引き出してくれているのだと思った。

(最初っからこういう恋をすれば良かった)

 北大路がゆっくりと腰を抽挿し始める。そんな動きにすら、労りを感じ忍は泣きそうになった。
 だが忍は、そのゆっくりな動きが徐々にもどかしくなって来る。
「ねぇ……」それ以上は、はしたなくて言えない。
「うん?もっと動いていいの?」
 北大路の言葉に忍は頷いて、その背中に手を回した。

「忍……」自分の名前がこんなに甘いとは今まで知らなかった。
 北大路の唇が忍の唇に初めて触れた。啄ばむようなキスが落され、あっと思った瞬間深く重ねられた。
 最初はただ唇全体を吸うようなキスだったのに、それはだんだんと深くなり北大路の舌が忍の口腔に躊躇うように差し込まれた。忍はその舌を受け入れ自分から絡めていった。

 何度も角度を変えながら二人は唇を重ねた。忍の孔も、心もぐずぐずに溶けてしまっているようだ。
「俺たち、順番が逆だな……」
 自分自身に呆れたように北大路が言う。
「うん……」(心が一番最後だ……)
「俺は、好きなもんは最後に食べるタイプだから」

(このまま旭と呼べれば、どんなに僕は楽になれるんだろう?)

「……北大路君、もっといっぱい……メチャメチャに抱いていいから」
「忍……後で泣いても知らないよ」
 北大路はちょっとだけ口角を上げると、臨戦態勢に移った。北大路の動きは今までと違い激しかった。忍は北大路に揺さぶられながら、抑えきれない声を漏らし続けた。

「あぁぁ……いい……」
「忍、もっといっぱい感じて」
 北大路は浅い所まで引き抜き、一気に舞い戻って来る。それを我慢強く何度も繰り返す北大路に、忍は根を上げそうになった。
「あぁぁ、もう……もっ達きたい」
「後ろで達けるでしょう?達けなくても俺がそうするから」
「あぁいやぁ……」

 北大路が忍の前立腺を攻める動きに変わった。
「あぁぁ……いい」
 このままでは北大路の言う通りに、ドライで達ってしまいそうだと思った忍は焦った。ドライは底知れぬ愉悦の先に苦痛も伴う。そして何よりも恐れたのは、我を忘れた自分が呼ぶ名前だ……

 北大路の攻めに、忍の頭の中からだんだんと理性という名の意識が飛んで行く。
「あぁぁぁっ、だめぇ、もうだめっ……」
「達って、全部忘れて達って、忍……」
「あっだめっ!触りたい……」
 自分のペニスに伸ばそうとした手を北大路に取られシーツに縫い止められた。

「いや……達きたい」
「大丈夫ちゃんと天国に達かせてあげるから」
「いやぁぁぁ……」
 北大路の腕を強く掴み忍は昇ろうとする躰を引き戻そうとした。だが、北大路のテクニックに忍は簡単に堕とされてしまう。四肢が強張り、頭の中が真っ白になり何も考えられなくなり、無意識の言葉が口から出てしまっていた。

「あぁぁ達く……イっちゃう……アキラ……イクッ!」
 
 ドライで達した忍の蠢く孔に流石の北大路も耐えられるはずが無かった。
(アキラ……?)
 その名前がどっちの名前なのかは、今は聞かないでおこう、と吐精する瞬間北大路は自分の気持ちに蓋をした。

 そして忍のペニスを扱き最後の快楽を与えてやった。
「忍……可愛い」
 そう言いながら忍の頬に口付けするが、肝心の忍はそのまま意識を飛ばした。


 だが、玄関のドアにもたれ掛かるようにして、拷問のような時をやり過ごそうとしている男がいた。

(忍……)



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