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永遠の誓い 4

 08, 2010 00:00
それから永遠と瞬はある一定の距離を保ちながら高校生活を過ごした。
もっと永遠の近くに行きたいと願いながらも、あと一歩が踏み出せない瞬は自分自身に苛立ちすら覚えていた。

どんどんむさ苦しくなる同級生を尻目に永遠はどんどん綺麗になっていった。
男子校だ、永遠を違う目で見ている奴は何人か居たが、そいつらが行動を起こす前に瞬はいつも立ちはだかった。
自分以外に気を許さないで欲しい、他の男に優しい目を向けないで欲しい。
この気持ちは嫉妬以外何者でも無かった。

初めて永遠を見た時は、ただ綺麗な子だ、他の奴より早く友達になりたい・・
ただそれだけだった気がする。
その気持ちが特別な感情を伴っていると気付いたのは秋も終わりになる頃だった。
瞬の目を盗んで永遠に告白した奴が居たのだ。

「浅見君って、本郷と付き合ってるの?」
「付き合ってるって?」永遠にはその言葉の意味がよく判らなかった。
「その・・恋人同士なの?って意味なんだけど」
「瞬君と僕が?まさか・・・」
男同士なのに恋人か?と聞いてくる男の顔をマジマジと眺めた。
「そうか・・・安心した、じゃ俺にもまだ希望が残ってるんだな」
「それはどういう意味?」

永遠の言葉にその同級生は意を決したように
「俺、浅見君が好きだから・・・好きって言っても単なる同級生としてじゃないから、
キスしたいとか、抱き締めたいとか・・そんな意味で好きだから」

「・・・キス?・・抱き締めたい・・・?」
その言葉を聞いた途端に永遠の胸の奥に轟く何かが頭をもたげたように騒ぎ出した。
「いやっ!いやーっ!止めてっ!」
突然の永遠の言葉と自身を抱き締めるようにして蹲る姿に同級生は一瞬固まって動けなかった。

「おい!林!お前永遠に何をしたっ?」
この騒ぎに駆けつけた瞬が林の肩を乱暴に押した。
「俺・・何もしてない、ただ好きだって言っただけだ・・」
「お前・・・」瞬が林を睨みつけるが、今はそれどころではない
「永遠、大丈夫か?瞬だ判るか?」

「しゅんく・・・大丈夫・・」
瞬の顔を見た途端に苦しかった胸が少し楽になったような気がした。
「大丈夫か?保健室に行こう」
瞬は永遠を抱き抱えるようにして保健室へ行く事にした。

「なんだ、やっぱりデキテルんじゃないか?」
背後で聞こえた林の言葉に瞬が振り返り、その頬を殴りつけたいと思ったが
これ以上騒ぎを起こせば、永遠にも迷惑が掛かってしまう・・・
「そう思うなら永遠に手を出すなっ!」そう言い捨てて、教室を出た。

永遠を支え保健室に入った途端少し落ち着いていた永遠が又苦しそうにしゃがみ込んだ。
「いや・・此処はイヤだ・・寮に帰りたい」
保健室にまで拒絶してしまう永遠を今度は同じ敷地内の南棟まで送って行った。

部屋のベッドに寝かせると永遠は、やっと安心したように大きく息を吐いた。
瞬は脂汗を掻いている額を濡らしたタオルで綺麗に拭いてやった。
「制服脱いで、皺になるし体も拭いてやるから」
瞬に言われるがままに、永遠はブレザーを脱ぎシャツのボタンを外した。

「あーあ、背中まで汗でビッショリだ・・」
瞬が永遠の背中もタオルで拭いてやった。
タオルを簡単に洗ってから今度は首筋も拭いてやる。
殆ど無毛の腋の下も拭き、胸も拭いた・・・・

まだ赤ちゃんの色をした乳首に目を奪われるが意識しないように丁寧にタオルを動かした。
「ズボンも皺になるぞ」迷った後にその言葉を吐いたが
「うん」と素直に頷いた永遠は自分でベルトを外しズボンも脱ぎ捨てた。
「パンツの中は汗掻いてないか?」
「・・掻いてる」
そう言うと永遠は平然と、まるで子供が母親の前で脱ぐように、下着まで取り去った。

「おまえんちは裸族か?」からかうように言ったつもりが声が掠れてしまった。
「え、どうして?」
「いや・・・大胆に脱ぐからさ」
「だって汗掻いて気持ち悪いから、あ、悪いけど引き出しの一番上に下着入ってるから取ってくれる?」永遠は何でも無い事のようにそう瞬に頼んだ。
「あ・ああ」言われるがまま新しい下着を取り出すと永遠に渡す。

永遠は下着を履き替え、ベッドの横に置いてあった部屋着のジャージに着替えた。
「ああ、さっぱりした・・・あれ?僕どうしてこんなに汗掻いたんだろう?」
「えっ・・・」
ほんの15分程前の記憶がいとも簡単にデリートされている永遠に驚いた。

瞬はクラスメイトの安藤に『永遠が具合悪いから午後の授業出れないって担任に言っておいて』と手早くメールを送った。
普段瞬も永遠も真面目な生徒だったから、特に何も言われる事は無いだろうと思った。

「覚えてないのか?」
「何を?」
「どうして汗を掻いたのか?」
「ちょっと体調でも悪かったのかなぁ・・・」
まるで他人事のようにそんな事を言う永遠にそれ以上何も言えずに瞬は
「そうだな・・・少し休んだ方がいい」とだけ言った。

林に告白された事実の履歴さえ永遠には残っていないようだった。
男に告白されあんなに拒絶反応を示したのに、瞬の前では平気で全裸になれる永遠
この両極端な永遠の正体が何なのか今の瞬には判らなかった。



2000文字はあるのに、何故か短く感じてしまう^^;

ガーーン・・・2500文字書いてたのに、保存する時にトラブって
千尋のクリスマスの話が消えた\(゜ロ\)(/ロ゜)/

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COMMENT - 12

-  2010, 12. 08 [Wed] 00:21

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kikyou  2010, 12. 08 [Wed] 00:53

鍵コメ Yさま

うわ~ん!2500文字がぁ((ーー;))ガァーン

一気に書けたので、途中保存しようと思ったら、
何だか変になって・・・・もう少しマメに保存しておけば良かった。
もう今夜は脱力です^^;

え、体調悪いんですか?
風邪かなぁ?気をつけて下さいよ。
そういう私も風邪薬飲んでいます。

永遠の謎はまだ明かされませんね。
今夜あたりには行けるかと思ったのですが、終わってしまいました^^;

あまりこういうのを引っ張るタイプではないので
次くらいは頑張ろうと思います。

コメントありがとうございました。

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-  2010, 12. 08 [Wed] 00:56

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kikyou  2010, 12. 08 [Wed] 01:11

鍵コメ miさま

こんばんは。

この名前でいいんだろうか?と思いつつも・・・(笑)

子供のような無防備さと、それと真逆の過剰反応・・・
そうだ、防衛本能だ(この言葉が出てこなかった^^;)
おっしゃる通り、かなり根が深いですねぇ。

そして次に起きる事件で・・・・・

さぁ予想が当たるでしょうか?
(多分当たります(笑))

コメントありがとうございました。
自分の話まで消去してしまって、逆にハイテンションな私ですー。



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jun  2010, 12. 08 [Wed] 05:32

お早うございます。
永遠、コクられてパニックになってる。
瞬はもう恋人になんでけど、
永遠にはその認識がない。
(春画コクったわけじゃないけど)
その証拠に瞬の前では全裸になっても抵抗ないんだから。
それにしても永遠の両極端な心はどうなってんの?

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-  2010, 12. 08 [Wed] 06:57

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-  2010, 12. 08 [Wed] 08:30

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-  2010, 12. 08 [Wed] 12:51

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kikyou  2010, 12. 10 [Fri] 14:22

junさま

こんにちは。

お返事が大変遅くなり申し訳ございません^^;

永遠は無意識の中にあるスイッチが入るみたいですね。

この時点ではまだ恋人でもないんですよ(#^.^#)
なかなか先に進めない2人なんです。
早く進展させたいのですが、過去話が少し長くなりそうです。

コメントありがとうございました。
(本当に遅くなってごめんなさい♪♪)


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kikyou  2010, 12. 10 [Fri] 14:27

鍵コメ Cさま

こんにちは。

CさまのSリーダー(笑)
本当にいつも確信を突いてて・・・もうぎゅっとしたい気分ですよ~

プロットを起こさない話は、書き手の意思と反してどんどんと遠い所に行ってしまいます。
pioさんの絵を先に見たら駄目だって事が最近気付きました。

どんどん嗜虐の方に流されて行ってしまいます。

それともCさまのレーダーに吸い寄せられてるのかしら?(笑)

コメント遅くなりました・・ありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 10 [Fri] 14:32

鍵コメ NKさま

こんにちは。

もう脱力でしたよ(笑)
一度手が止まった時に通常は保存しておくんですがね・・・
今回は止まらなかった(爆)

>再現は作った時と同じ時間はかかりませんよ

(●^o^●)いまだに再現はしていないのですが、一度頭に入っている文ですので
何とかなるとは思っています。
でも、同じような失敗の経験に何だか嬉しく思ってしまいました(笑)ダメ?

でも・・・あぁ千尋・・・・その時点ではまだちびっとしか光輝が出てきていなかったから
光輝の呪い?


コメントありがとうございました。(遅くなってスミマセン^^;)

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kikyou  2010, 12. 10 [Fri] 14:53

鍵コメ koさま

こんにちはー。

おお私の代わりに泣いてくれますか?

千尋にはしょっと辛い思いをさせてたから、バチが当たってしまったのでしょうか?

その前に仕事を片付けないで書いてたのが悪かったのでしょうか?(笑)

今はちょっと現実逃避です。

コメント遅くなりました、そして優しいお言葉ありがとうございました(#^.^#)

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