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天使が啼いた夜 堂本紫苑~30~(終)

 06, 2010 02:00
「ママさん、これって洗えば落ちるのですか?」
洋服に着替え紫苑がリビングに顔を出した。
「紫苑、和服は着なかったのか?」
紫龍が落胆の声で聞いてきた。
だが目は紅を引いた紫苑の顔に釘付けになっている。

和服は着てはいないが、紅を引いた顔だけで紫龍パパは紫苑が着物を脱いだ理由が判った。
「紫苑ちゃん、こっちに来て」
紫苑はそう紫龍ママに言われ洗面所に連れて行かれた。

「自分の事は自分でケリを付けろ」と紫龍は父にも母と同じような事を言われ
急に変わった両親に首を傾げながらも「判ってる」と答えた。

「さあトキさんお手製の水羊羹よ、頂きましょう」
元気な母の声と共に紫苑が水羊羹を乗せた盆を運んで来た。
紫龍は結局此処に何しに来たんだろうと思いながらも、
紫苑が幸せそうにしているからそれで良いと思った。

水羊羹に舌鼓を打ちながら「貴方、お互いに長生きしましょうね」
と母が呟き、父が黙って頷いた。
この二人の心の中では、肉親の縁に薄い紫苑を大切に思う気持ちが
言葉に出さなくても判り合えていたのだ。

二人のやりとりに紫苑が微笑み「美味しいです、トキさん」と声に出した。
そんな紫苑に「トキも長生きして、紫苑さまに美味しい物を作って差し上げますから」
と言うと「僕も長生きします」紫苑が又微笑む。
「じゃ、俺だって長生きするよ・・・」
一人蚊帳の外の紫龍だったが、自分だって家族の為に長生きをしたいと思った。

泊まって行きなさいと言う母を振り切るように紫苑と一緒に帰路についた。
「これ以上紫苑を年寄り連中に取られたら敵わないからな・・」
「紫龍、今日は楽しかったよ・・」
「良かったな」
紫苑が楽しければそれでいい・・・
だが紫龍は今朝言えなかった事を紫苑に言わなくてはならなかった。

部屋に戻り、寛いでいる紫苑に
「紫苑、話がある」と紫龍が声を掛けた。
「ん?どうしたの?」と固い表情の紫龍に尋ねた。
「あの時の見合いの相手がもう一度会いたいと言ってきた」
「そう・・・」
「はっきりと断る為にもう一度会うかもしれない、それだけは言っておこうと思って」
「ありがとう、会って来て、僕は大丈夫だから」
もう迷ったりしない、紫龍の手を自分から離す事は無いと紫苑は思っていた。

「僕は・・・幸せだよ、紫龍のご両親にも可愛がってもらって、
理解してもらって、これ以上望んだら罰が当たりそうなくらいだよ。
だから紫龍も僕に遠慮なんかしないで・・」

「ああ、遠慮はしない・・・紫苑を愛する事を誰にも遠慮しないぞ、覚悟しておけよ」
「僕も遠慮しないよ・・」
「紫苑の幸せは俺の幸せだ、俺の幸せは紫苑の幸せだろう?」
「そうだね、二人で幸せになれるんだね・・」

「いつか、紫龍パパとママと一緒に暮らしたい」
「あの敷地に別棟を建てようか?」
「本当?実現できたら嬉しいな」
紫龍と二人の暮らしも楽しいが、皆が近くに住めればもっと楽しい筈だ。

「お前は、俺の両親が年取って手助けが必要になっても一緒に住むと言ってくれるのか?」
「当たり前じゃない!だって僕の親でもあるんだよ」
「そうだよな・・・ありがとう」

紫苑と紫龍が願う家族で過ごす穏やかな日々は必ず来るだろう。
紫龍はいつでも他人を労わり、優しい気持ちで接してくれる紫苑を
変わらずに愛して行く自分に自信があった。

「紫苑、寝ようか・・・」
甘い雰囲気の後にベッドに誘われる事がどういう結果になるか紫苑は身を持って知っていた。
「ん・・・」

一緒のベッドに入ると、予想通りに紫龍が唇を重ねてきた。
「あ・・っ」
紫龍の手はあっという間に紫苑のパジャマの裾を捲り滑り込んでくる。
「昨日もしたのに・・・」
「駄目か?俺は毎日でもしたい・・だけど紫苑が辛いなら・・」
「止める?」紫苑が悪戯っぽい顔で聞いた。
「いや・・1度だけにする」

そう言いながらも紫龍の指先は的確に紫苑の感じる場所を撫で回していた。
「あん・・・紫龍・・だめ」
紫苑の小さな乳首が捏ねられる度に少しづつ立ち上がってくる。
「駄目じゃないだろう?ほら尖って来た・・」
「あぁ」反応の良い体に恥ずかしさを感じて紫苑は声を噛み殺した。

かりかりっと爪先で擦られる度に快感が背中に伝った。
「紫苑、全部脱いで」
全部といっても紫苑の場合はシルクのパジャマを1枚脱ぎ捨てるだけだった。
そう言われた紫苑は、パジャマのボタンを外し、肩からすべり落とした。
その光景は何度見ても紫龍を奮い立たせてしまう。
「紫苑、凄い色っぽいな・・」
紫苑のこんな姿を見たらノンケでも襲いたくなるかもしれないと思うと
やはり心配が先に立ってしまう。

「紫苑、俺以外に肌を晒すなよ・・」
「え?そんなの当たり前じゃない・・・」
ちょっと怒ったような紫苑押し倒し、さっき弄った胸の尖りに口を付けた。
「あ・・っ」
舌と唇と手の平と指と・・全てを使って紫苑に奉仕する。

若い紫苑の精を一度吐き出させてから、ゆっくりと体を繋いでいった。
「ああぁっ!紫龍・・・」
貪欲に紫苑の体は紫龍を飲み込んで行った。
「紫苑・・凄くキツクて熱いよ、中・・・」
「あぁ・・紫龍のがいっぱい・・おっきい・・」
紫苑の言葉に更にぐんと嵩が増えてしまう。

「やぁん・・まだ動かさないで・・変になる・・」
「紫苑の中が動いてるんだ・・・俺はもう変になってる」
その紫龍の言葉に紫苑が驚いたように目を開けた。
「紫龍・・・愛してる」
「俺はもっと愛してる」

ふっと微笑んだ紫苑が「愛して」と強請る。
紫苑の可愛いお強請りに紫龍が体勢を整えた。

多分1度で終わらない二人の甘い夜はこれから先もずっと続くだろう

堂本紫苑・・いつまでも幸せに




社会人編といっても、あまり仕事シーンは無かったですネ。
なのにもう最初に予定していた30話です。
とりあえず社会人編完です。

「天使が啼いた夜」は本編62話 番外54話と書いてきました。
今回のを含めるとかなりの数です。
ネタも尽き気味です^^;

一度完結している話は、何となくダラダラと同じ事の繰り返しのように
なってしまった感があります。
今後、何かの機会に番外として読み切り程度の話は書けるかもしれません。
紫苑の萌えネタを思いついたらまた書きたいです。

その時はまた紫苑と紫龍のカップルを可愛がって下さいね。


最後までお付き合い下さって、本当にありがとうございました。




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COMMENT - 20

Route M  2010, 12. 06 [Mon] 04:30

あーん、終わっちゃった。
続き続き……
堂本紫苑かわいい。只者じゃない。
きっとカウンセリングルームは予約でいっぱいなのでしょうね。
(仕事を増やしてどうする)
着物を脱がせた紫龍ママの優しさが見に染みます。

なんだか、ずっと見ていたい二人のような気がします。

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jun  2010, 12. 06 [Mon] 05:15

お早うございます。
エッ、今日で終わりですか?
もっと続き読みたい。
でもキキョウさん云ってるように、
同じことの繰り返しになるのも問題ですからね。
二人の永遠の愛を想像しながら、余韻を楽しみにします。
今度はどんな話書かれるんですか?
楽しみにしています。

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ちこ  2010, 12. 06 [Mon] 06:41

お久しぶりです。ええっ!最終回だったんだ!あ~~~っ残念!でも新しいお話も楽しみだし・・・(^O^)最終回おめでとうございます!紫苑ちゃんも「家族」として生きていくんですねっ。なんだか読んでいて幸せな気分になれましたよ~もう4、5年もしたら逆にこんな素敵な子だから(子はあんまりかな?)「婿養子に是非とも!」「うちの箱入り娘の婿になってくれっ」っておじさま、おばさまがわんさか現れて紫龍さんドキドキかも~ヽ(´▽`)/攫われないようにしなくちゃ、紫龍さん!でもなにが起こっても死が二人を別つまで・・・ですよね!お疲れさまでした。クリスマス特集も楽しみです(^-^)

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アド  2010, 12. 06 [Mon] 09:24

堪能しました。

ふぅううううっ。
満足のためいきです。完結おめでとうございます。
紫苑ちゃんは、必ずずっと幸せになるし、紫苑ちゃんの回りにいる人みんなが幸せになる!! 本当に天使です。
時々、番外編が出たら、大喜びでまた読ませて頂きます。
「愛しい人へ」も、大注目なのです~~~。
kikyouさんの箱庭、素敵すぎるー!

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-  2010, 12. 06 [Mon] 09:57

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-  2010, 12. 06 [Mon] 11:57

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-  2010, 12. 06 [Mon] 13:06

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kikyou  2010, 12. 06 [Mon] 17:00

Route Mさま

こんにちは。

はい終わってしまいました^^
毎回が番外みたいな感覚だったので、一区切りです。
最終回を書きながら、全くまともに仕事をさせてない事に気付いたけど(笑)

最初はもう少し会社員としての紫苑を書こうと思ってたんです。
なにか全然違ってしまいました・・・

Mさんみたいに書き溜めてアプできれば一番いいのですが
なかなか・・・
凄い尊敬してしまいます。

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 06 [Mon] 17:03

junさま

こんばんは。

予告なしの終わりになってしまいました^^;

でも紫苑の話は今まで通りに時々番外として書いていくと思います。
やっぱ私にとっても紫苑は特別だし、癒しなんです♪♪

次は「永遠の誓い」の続きから入ります。

いつも読んで下さってありがとうございます。
今後もよろしくお願いしますネ(^・^)

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kikyou  2010, 12. 06 [Mon] 17:07

ちこさま

こんばんは。

ご無沙汰です、お元気でしたか?♪♪

紫苑の話は終わりであっても、終わりでないような・・・
150近い話を書いてきました。
もうどんだけ~(フルイ^^;)て感じですね。

また紫苑を弄りたくなったら、そのうちアップすると思います。


ずっと放置していた「永遠の誓い」を書いていきます。
最初は短編の予定でしたが、何だかまだ最初の予定の18歳にもなってません^^;

いつも読んで下さってありがとうございます。

クリスマス企画も楽しんで頂けるように頑張ります。


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kikyou  2010, 12. 06 [Mon] 17:11

アドさま

こんばんは。

満足と言って下さって嬉しいです(#^.^#)

紫苑の話は何か思いついたら、そして自分が癒されたかったら書きます^^
その時はまた読んでやって下さいネ。

「愛しい人へ」ありがとうございます♪♪
32話ありますよぉ、でも修正しながらなので、こっちでゆっくり読んで下さいね。
人称とかが変わったり、多少の改稿があったりします。

コメントありがとうございました。嬉しいです(●^o^●)

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kikyou  2010, 12. 06 [Mon] 17:16

鍵コメ 8さま

こんばんは。

読んで下さってありがとうございます(#^.^#)

家庭の温かさに飢えているような紫苑の望みを叶えてあげれる紫龍です。
ずっと一緒に過ごして行くだろうと思います。

また時々出没しますが・・
今度はカッコイイ紫龍の姿を・・・って毎回言ってるんですが^^;

8さまのお話も楽しみにしてますよ。
心の中でその時を待ってるのですが、なかなか焦らしプレイに持っていかれてしまいます(笑)

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 06 [Mon] 17:36

鍵コメ NKさま

こんばんは。

紫苑を可愛がって下さって本当にありがとうございます。
癒されて下さり、私も嬉しいです。
もう、紫苑の話も150近くなっています。
自分でも驚きです。

これも多くの方が「紫苑可愛い」と言ってくださるお陰です。


南條にしろ、沖田、深田などの紫苑を守ってくれる面子も伏線としておりますからねぇ。
いくらでも話は広げられると思います。
又何か思い浮かんだら書きますので、その時は楽しんで下さいネ。

紫苑に対しては、私も母目線であり、、そして腐目線でもあります。
でも書き続けていくうちに、母目線の方が強くなったような気がします(笑)

そうですね、pioさんの絵のように紫龍の腕の中が一番ほっとする場所だと思いますが
ちょっと浮気くらいはさせたいなぁって気持ちもあります(笑)
そのうち・・・・(爆)

コメントありがとうございました。嬉しいです!

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kikyou  2010, 12. 06 [Mon] 17:39

鍵コメ Yさま

こんばんは。

番外も書きすぎていますからねぇ。
でも5000文字・・やっぱり勿体無いです。
前後に分けて絶対公開すべきですよ。

Yさんのもきっと待っててくれる方が大勢いるはずですよ♪♪

お風呂・・・・(笑)
今回はあまり18禁を入れませんでしたので、
そのうちお風呂でいっぱい弄ってみたいですね^^

読んで下さってありがとうございました(#^.^#)

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-  2010, 12. 06 [Mon] 19:43

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此花咲耶  2010, 12. 06 [Mon] 20:09

kikyouさま

え~ん・・・終わってしまいました~!(´;ω;`)
>同じ事の繰り返しのようになってしまった感があります・・・
と、お書きになっていらっしゃいますけど、それだけ作品の中で紫苑くんが普通に生活し、呼吸をしていたのだと思います。
完結した卵のように、やわらかく尖ったもののない世界に住んでいる紫苑くん、エチ場面も愛おしく拝見できました。
完結お疲れさまでした。
素敵なお話、読ませていただいて、ありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 06 [Mon] 22:47

鍵コメ s***a さま

こんばんは。

最後までお付き合い下さり、ありがとうございます。

紫苑の場合は番外が多いですので、何かネタがあったら
また番外でお会いできると思います。

沖田・・・途中で放置してしまってます^^;
今度番外を書く時には、きっちりケジメを付けさせて頂きます(笑)

ユキちゃん・・・?
探しに旅に出てみますネ。

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 06 [Mon] 22:50

此花さま

こんばんは。

はい、終わってしまいました^^;

此花さん、本当に優しい事を言って下さる
本当に嬉しいです!

エチ場面も愛しく・・・それはまさしく母目線ですね(笑)
此花さん宅では、いつ見れるのでしょうか?(爆)
楽しみに待ってますよぉ。

最後まで読んで下さってありがとうございました(●^o^●)

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紫猫  2010, 12. 09 [Thu] 19:10

こんばんは。
またまたお久しぶりです。ちなみに言うと元気ですw

完結、おめでとうございます!
え!終わったの?!とびっくりしましたw
紫苑も紫龍も幸せに暮らして良かったです。これからもっともっと幸せになるんでしょうね!今回の番外編も面白かったです!新しいお話も楽しみにしていますヨ♪

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kikyou  2010, 12. 10 [Fri] 14:57

紫猫 さま

こんにちは。

お元気で何よりです!風邪とか結構流行ってますね。
ちょびっと私も風邪ひいてます(笑)

今回の話は30話もあったのに、あまり奥が深くなくて^^;

でも紫苑はいつまでも紫苑なので、そんな子を又機会があったら書きたいと思っています。

コメントありがとうございました。
(お返事遅くなり申し訳ございませんでした^^)

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