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天使が啼いた夜 堂本紫苑~26~

 02, 2010 01:37
すみません、直すと言いながら・・・このまま行かせて下さい。
コメント下さった方々、暖かいお言葉ありがとうございます!
えーっと、今夜の分は頑張ります!
宜しくお願い致します。






「あ~堂本君寝ちゃったんですか?」
女性社員の声に指を立てて沖田は頷いた。
3人の女性が近づいてきて眠る紫苑の顔を覗きこんで溜息を吐いている。
「肌綺麗~」「睫毛長い」などと、紫苑の頬に伸ばそうとする手を沖田は目で止めた。
その中の一人が小声で沖田に聞いてきた。
「堂本君どうするんですか?」

「う~ん、そうだねぇ・・起きそうもないし、起こすのも可哀相かな?」
沖田もまだ判断つきかねて自分に凭れ掛かっている紫苑の顔を上から眺めた。
上から眺めると睫毛の長さが良くわかる。
本来なら部下であっても男性社員が酔って自分の肩に凭れるなんて考えられないし、
それを自分が許している事にも驚いた。
庇護欲が湧くというのだろうか?この感じは・・・

「私は彼を送って行くから、君らはどうせ二次会に繰り出すのだろう?」
結局自分が送るしかないと思って沖田は皆の顔を見回しがら聞いてみた。
「はい、一応二次会に行く予定ですけど・・」
このビアガーデンの会費は先に幹事が徴収していた。
沖田は不自由そうに胸ポケットから財布を抜き出し、中から数枚の紙幣を抜いて
幹事に「悪いがこれで楽しんでくれ」そう言って渡した。
「ありがとうございます」二次会に参加する皆が頭を下げた。

遠くから様子を伺っていたのだろう、さっき紫苑が見惚れていたボーイが近づいてきて
「私が彼を背負いましょうか?」と声を掛けてくれた。
沖田は一瞬迷ってから、「いや私が背負うから、悪いが下で車を捕まえてくれないか?」と答えた。
ボーイは頷いて沖田が紫苑を背負うのを手伝ってから
「ではこちらへどうぞ」と案内をしてくれた。

もう少し飲んでから二次会に行くという社員と別れて沖田はそのボーイと一緒にエレベーターに乗り込んだ。
「そんなに飲んではいらっしゃらなかったのでは?」
背中の紫苑に視線を走らせながらそう聞いた。
「1杯で止めておけば良かったのに、君のジョッキを運ぶ姿が見たくて頑張って飲んだらしい」
ボーイは沖田の冗談のような言葉に少し驚いた顔をしてから
「そうですか・・・ジョッキを」と少し笑った。

ボーイのお陰で手際よく車を止め、紫苑を乗せる事が出来た。
「ありがとう、助かったよ」沖田の言葉にボーイは
「又のお越しをお待ちしております」と割と本気の目で頭を下げていた。

『さて、どうしたもんかな・・・この酔っ払い天使を』

「どちらまで?」タクシードライバーの問いかけに沖田は
紫苑のマンションのある場所を指示した。
沖田のマンションへも同じくらいの時間で行ける。
もし紫苑のマンションよりも明らかに自分の部屋が近かったら言い訳も出来るのだが・・・
沖田はそんな事を考える自分に苦笑してしまう。

タクシーの中で堂本紫龍に電話を掛けた。
平社員では知らない社長の携帯を知リ得る立場であったのも言い訳出来ない事のひとつだ。

沖田からの電話に紫龍は3コールで出た。
「堂本だ」
「沖田です、社長は今どちらでしょう?」
「まだ仕事中だ、あと1時間は掛かる、何かあったのか?」
紫龍は沖田から電話が入った時点で何かあったと感じていたのだ。

「いえ大した事では無いのですが、あなたの大事な人が私の膝枕で寝てるんですが、どうしましょう?」
「今何処だ?」
「あなたのマンションに向かうタクシーの中です」
「悪いが一度切っていいか?折り返す」

沖田との電話を切って、紫龍は広海に電話を掛けた。
最悪は沖田を部屋に入れ紫苑を見ててもらうしかないが、
広海たちが居れば任せるつもりだった。

運良く二人とも部屋に居てくれて安心して紫苑の事を頼んだ。
そして急ぎ沖田に電話を掛け、下に知ってる者が待ってる事を告げ電話を切った。
「全く、あんなに気をつけろと言ったのに」
会社勤めをするとこういう飲み会の機会が増えてしまう。
どうしたもんか・・・と頭を抱えている所を背後の浅田に急かされた。
「早く帰りたいのなら、もう少しテキパキと仕事して下さいよ」
電話のやりとりで充分に今の状態を察した浅田をちらっと見てから仕事に戻った。

沖田が紫苑の住むマンションに到着するとタクシー留めの所に2人の男が立っていた。
よくみると見た事のある顔だ。
「沖田部長代理!」背の高い方の男が駆け寄って紫苑を受け止めた。
「君は確か・・統括課の深田君だよね?」
「はい、深田です、今日は紫苑がご迷惑お掛けしたようで、申し訳ありません」
どうして統括の深田がここで頭を下げるのか判らなかったが、
今此処に紫苑を迎えに来ているって事は堂本が電話で言っていた『知ってるヤツ』なのだろう。

「深田君もこのマンションに住んでるのか?」
「はい・・と言ってもこの紫苑から借りているんですけどね」
「堂本君から?」
「それより早く中へ・・・」
一緒にエントランスに入ろうとする沖田に「今日はありがとうございました」
ともう一人の男が頭を下げた。
これ以上は関わるな、と言う事か・・・

「では私は失礼するよ、堂本君を頼んだよ」
そう言うと沖田は乗ってきたタクシーに乗り込んだ。
沖田のタクシーを見送ると、広海と深田は顔を見合わせた。
「又飲んだんだ・・・どんだけ飲めばこんなに爆睡できるんだろう?」
深田も広海も酒には強い方で飲み潰れた経験もあまり無かった。

「上にする?それとも下?」広海の言葉に
「俺らん所に連れて行こう」と深田が答えた。
「それにしても車に揺られても、背負われても起きないなんて、幸せなヤツだなぁ」
深田が呆れたような声で背中の紫苑を振り向いた。

「ご・ごめんなさい・・・」
「えっ?」「起きたの?」
「ごめんなさい・・・本当はタクシーの中で気付いたんだけど、
沖田部長代理の膝の上で寝てたし、恥ずかしくて寝たふりしちゃった・・・
だから一人で歩けるから降ろして深田さん・・・」
背中の紫苑が消え入りそうな声で深田と広海に告白する。

「具合悪くは無いか?」
狸寝入りの紫苑を叱るわけでもなく深田が優しく聞いた。
「大丈夫・・だから歩けるって」
「いいじゃん、このまま部屋まで送ってあげるから子供みたいにオンブされておきなよ」
広海が面白がってからかうように言った。




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COMMENT - 8

jun  2010, 12. 02 [Thu] 05:39

お早うございます。
寝ちゃった紫苑の姿に、周りの女性社員は釘付けですか。
紫苑、タクシーの中で目覚めたのに、タヌキ寝入りとはね。
なかなかやりますね。紫苑も。

エ、書き直すんですか?
それも楽しみだな。

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-  2010, 12. 02 [Thu] 10:15

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けいったん  2010, 12. 02 [Thu] 10:46

丹下の とっつあん...いえ kikyouの とっつあん

サイトの新規開拓長期放浪中~です。今日は ちょっと 里帰り?です。
H様宅での 「脱ぐんだ、脱ぐんだ。ジンー」に 笑わせて 頂きましたよ~♪

美しい顔は 酔って寝てても 美しいのよねー。そこいらの 酔っ払いとは ひと味どころか <百>味は 違う!!
しかし この沖田への 懐きぶりは 相当なものですよね。
だって 恥ずかしいからって タヌキ寝入りしたまま ずっと膝枕ですよ。
信頼度では 紫龍より 沖田のほうが 上かもね~
これって ヤバクねぇすか?

「どう思われます?そこの奥様、あなた、あなたですよ!!」
『エッ...(@@:)』
「後ろ 振り返っても 誰も いませんからッ!」
『そ・そうね...(*・・*)』

(^^)ゞbyebye☆

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かや  2010, 12. 02 [Thu] 14:43

紫龍さん、結局、手は浮かばなかったんですね~。
でも、毎回コレじゃ、心配で仕事になりません(^^;)
どうにか、予防策を。それとも、ノンアルコールオンリー?

今は、居酒屋でもソフトドリンクが充実してますね。
コミュで飲み会場所のアンケを取ると、「ソフトドリンクとデザートがたくさんある店」がリクにあったりして、目的が変わってる感があったりします(笑)

目が覚めたら沖田さんの膝枕(ノ∀\〃)
タヌキ寝入りと言うか、固まってた?
出社して顔が合わせ辛い。
バレてるかも~?

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kikyou  2010, 12. 03 [Fri] 00:11

junさま

こんばんは。

ごめんなさい!書き直しはしませんでした^^;

違う方向に行ってしまうと、ちょっとややこしくなってしまうので。

狸寝入りの紫苑、本当は沖田の膝が気持ち良かったんだと思います。
紫龍とは違う魅力を持つ沖田ですから、紫苑がなつくのも仕方ないです^^;
でも恋心とは違う気持ちです。

コメントいつもありがとうございます(#^.^#)

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kikyou  2010, 12. 03 [Fri] 00:16

鍵コメ Koさま

鍵コメですか!?

こんばんは。

いつも優しいお言葉ありがとうございます。
K様こそ凄く優しいですよ。
書かれる話も楽しく読ませて頂いております^^

自分の所を放置であまりコメ入れられませんが・・

それと最近少々リアルが忙しくて、更新も時間通りにできません。
でも楽しみにして下さる方がいるって嬉しいですよね。
頑張ります!

コメントありがとうございました(*^_^*)

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kikyou  2010, 12. 03 [Fri] 00:21

けいったんさま

こんばんはー。そしてお帰りなさい^^

って、とっつあんですか!(笑)
H様宅・・・そう言いたくならないですか?
いや、きっと私だけじゃないはず。
リングロープをがしっと掴んで皆叫んでいたはずですよね^^

紫苑・・・性的意味合いが無いからきっと安心するのだと思いますよ。
紫龍の膝枕だと、どちらかがちょっかい出しそうですもん。

父の膝・・そんな感じだったのかもしれません。
あ、紫苑結構欲張り?(笑)

沖田の部屋へ・・・・などとちょっと考えましたが
やはり沖田には紳士でいてほしくて、止めました。

何か面白いサイトと遭遇できましたか?
お勧めあったら教えて下さいね~♪♪

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 12. 03 [Fri] 00:25

かやさま

こんばんは。

絶対「禁酒」と言われるでしょうね。
でもただ眠くなるだけだから・・・それが一番危ない(笑)

私も居酒屋のソフトドリンク大好きです。
特にマンゴー系が好き!
うおOOのが好き~ツブツブ果肉が入ってます!

沖田の膝の上が気持ち良かった模様(#^.^#)


あ、近いうちにお願いのメール入れます。
その時は検討お願いしますネ。

コメントありがとうございました。


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