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雷鳴 5

 02, 2010 22:38
<18禁>凌辱シーンがあります。苦手な方はスルーして下さいね^^;





 その事件以来、父方の祖母が同居してくれて、彬は祖母に育てられたが、いくら祖母が大事にしてくれても、両親に愛されなかった傷は簡単には癒えはしなかった。

 愛を信じなかった彬が、高校1年の時に初めて愛したのが忍だった。


 つい過去に意識を飛ばしていた彬は、着いたぞ、このマンションだという北村の声にはっと我に返った。

 立派な外装のマンションのエントランスで二人固まった。タクシーの中で、北村は知る限りの人間に電話をして部屋番号までは調べる事が出来たが、オートロックのマンションでは簡単に建物の中に入る事は出来なかった。
「くそっ」と呻く彬の横で「念のために……」と北村が部屋の番号を入力して呼び出しボタンを押した。

 いても居留守を使うだろうと思っていた板野が簡単に応答した。
「北村だけど……」勿論モニターで彬の顔も確認しているのだろう。だが板野は「おや見学ですか?どうぞ」と簡単にロック解除してくれた。
 彬と北村はそれが反って不気味で、顔を見合わせながらエレベーターに乗り込み、部屋のある階の数字を押した。

「何だか余裕だな板野……」
 北村はそう言うが彬は青い顔をして何も答えられない。ただ手をぎゅっと握り締めていただけだった。
 そんな彬を北村は「本当にお前って判らない奴だな」と言い捨てた。

 エレベーターが止まり、二人で板野の部屋の前に立ち玄関のチャイムを鳴らした。
機嫌の良さそうな板野がスマートにドアを開ける。引き攣った顔のまま入室しようとした彬に板野が言い捨てた。
「まだ忍は帰せないよ、1晩分の金額を君は負けてるんだからね」

「彬……お前幾ら負けたんだ」
肝心の負け金を聞いてない事を思い出し、北村が尋ねる。
「5万円……」
「全く、学生が1回の麻雀で負ける金額じゃないだろ?」
 北村も呆れた顔を彬に向けた。

「板野、金は俺が何とかするから忍を返してくれないか?」
 北村の言葉に彬が驚いて顔を上げる。
「ダメだよ、もう金額云々じゃないから……」
だが北村の申し出は、素気無く板野に拒絶された。
「てめぇっ!」
 殴りかかろうとする彬の体を抑えて、とりあえず忍に会わせてくれないか?とまた北村が交渉する。

「いいよ、本人がいいって言えばね」
そう板野はにっこり微笑んだ。そして部屋の奥のドアの前で中の忍に声を掛けた。
「忍ー、彬と北村が君に会いたいって言って来てるけど、どうする?」

 忍は部屋の中で、誰か来た気配に耳を澄ませていたが、それが彬と北村だとは思いもしなかった。
 二人が来た事は凄く嬉しかったが……今はこんな格好をしている自分を二人には見られたくはなかった。

(彬……)
 自分をこんな酷い目に合わせている張本人なのに、その名前を聞くと胸が痛くて苦しかった。

 その時、体内に埋められた玩具の動きが激しくなった。きっと板野のポケットに入っているリモコンで遠隔操作されたのだろう?朦朧とする頭で忍はそんな事を思っていた。

「忍!!」
 その時ドアをドンドンと叩きながら叫ぶ彬の声が聞こえてきた。
(彬……)
「忍、返事をしろっ!」
 何だか焦っているような彬の声を聞いて、忍は嬉しくなってきた。


「あき……あああっ!」
 MAXだと思っていたが、まだその上があったらしい……更に激しく蠢く玩具に、忍は彬の名を呼ぶ声を遮られてしまう。


 忍は板野にこの部屋に連れて来られた時、あまりの驚きに体を動かす事が出来なかった。いつか彬が買って来た雑誌に載っていたSMホテルのような内装に驚き、急激に喉が渇いた。
「やだっ、帰る!」
 逃げようと思うが体の動かない忍は、あっさりと板野に拘束され、そして首枷をつけられ、手足も手錠のような物でベッドに拘束されてしまった。

「1晩たっぷり楽しませてあげるからね」板野の言葉に鳥肌が立ち、眩暈がした。
「お金なら僕が彬の代わりに払うから、帰して」
 忍は懇願した、だが板野の目的は最初から金ではなく忍の体だったのだから、そんな願いを板野が受け入れる筈も無かったのだ。

 そして嫌悪しながらも、忍はここに来て短時間で2度も吐精させられていた。
それほどに板野の攻めは的確でそして慣れていた。だが、まだ板野自身は忍を貫いてはいない。
(まだ道具の方がマシだ……)忍はそう思いながらも吐精する度に涙を零した。

(もう本当に彬と別れよう……これ以上一緒にいても、彬も自分も駄目になってしまう、彬……愛していたよ)

 忍の思いとは裏腹に、中を抉る玩具に忍のペニスは勃ちっぱなしだったが、さっき嵌められたリングのせいで吐精することもままならなかった。中に埋められた玩具は今ので3本目だった、少しづつ太い物に変えられ、最後は腕ほどの太さのある玩具がベッドの脇で出番を待っていた。

 成人男性の性器と変わらぬサイズの玩具は忍の体の中で抉るような動きをしている上に、感じやすい胸の両尖りにも小さなローターがテープで止められていた。
 快感なのか苦痛なのか判らない程に忍の体は陵辱されたいた。

「ああああっ……あきらぁっ……あきらっ!」
 悶えながらも彬の名を呼ぶが、扉の向こうまで聞こえるような大きな声はもう忍には出せなかった。
 忍は北村先輩も嫌いじゃなかった。不器用な彬とは違う優しさを持った人だった、だからまだ堪えられた。だが、この板野という男は以前から嫌いだった。蛇のような目と、粘着質な視線は鳥肌が立つほど嫌いだった。

だけど、彬の頼みを断る事は出来なかった。

(きっと僕がこの部屋を出る時は正気を保っていないだろう……)


 一触即発の雰囲気の中、のんびりとした声で板野が言った。
「あ、ちょっと待っていてくれないか?そろそろ時間だから」
「何の時間なんだよ?」彬が不貞腐れたような顔をして聞く。
「そろそろ中の玩具をもう少し大きな物に変えてやろうと思って、忍も同じサイズのばっかりじゃ物足りないだろうからね」

「くそっ!ふざけるな!忍に何してるっ」
 今にも板野に飛び掛りそうな勢いで彬が吼えた。
「最近は、玩具も色々な種類とサイズがあるから楽しみだよ、何処まで忍が咥え込んでくれるのか……」
 さも楽しそうに言う板野を見て、北村も彬も背中を冷たい汗が流れた。



「忍!忍!」
今にもドアが壊れるんじゃないかと思う程に彬は叩き、この扉が普通のマンションの扉とは構造が違う事に気付いた。そして、ドアノブの辺りに機械が取り付けられたいる。
「何だよ、これ……」彬が誰にともなくそう言うと、
「暗証番号だよ、だから僕しかこの扉は開けられない。それにかなり頑丈に作ってあるから、簡単には蹴破れないよ、あぁ怪我するから止めた方がいいかもよ?」

 板野が余裕で二人を部屋に招きいれた理由がやった判った。
「くそっ!」悔しさ紛れに扉を蹴ったが、本当にビクとも動かなかった。
「僕をどうにかしようとしても無駄だからね、もし気を失うような事にでもなったら、その間忍はここから出られなくて……壊れちゃうよ?」

「てめぇ……」だが彬はこの男を殴り倒す事も今は出来なかった。
「君たち、そこのソファに座っていてくれないか?僕はちょっと忍の様子を見てくるよ。もしそれが出来ないっていうなら、即刻この部屋から出て行ってもらうけど?」
 そんな交換条件を出されたら、とりあえずソファに座るしか二人にはとる道がなかった。

 この部屋から一度追い出されたら二度とは入れてもらえないのは判りきっていたからだ。
 身を盾に隠すようにして、板野が部屋の扉を開け、すっと中に入ってしまった。シーンとなったリビングで、北村と彬は焦る頭で、どうすべきか?どうやって忍を救い出すか?と考えていた。

「お前、力には自信があるよな?」
 体躯も良く、高校時代から多少のやんちゃはしてきたから、喧嘩にも慣れていた。
そんな彬に北村が「実力行使で行くぞ」と声を掛けた。
「あれくらいの、装置なら俺の友達に解除できるかもしれない」
そう言って連絡をとるべく携帯でメールを打ち出した。

 連絡が取れた時点で、板野を倒し解除し部屋を開ける。これしか方法は残されていないような気がした。
北村の考えに彬も頷いた。
「その代わり……忍を助け出せたら……もうお前には渡さない、もう忍と別れてやれ」
 北村の言葉に保険画像のある携帯をぎゅっと握り締め、そして彬は黙って頷いた。


「いやぁ――っ!やめてっ!やあああっ」
 突然部屋に響き渡る忍の声に二人とも同時にソファから立ち上がった。隣への扉は閉ざされているはずなのに……
 だがよく見ると、部屋の隅に1台のスピーカーが置かれていた。きっと奥の部屋の音声が流れるように繋いであるのだろう。

「どうして、このくらいは慣れたら簡単に入るよ、成人男性よりは少し大きいけどね。もう大分ここ拡がってるから痛くはないから」
 板野の声も同時に拾ってスピーカーは流す。
「いやっ、やめて、もうだめ無理……そんな大きいの無理、やああっ!」

「忍!!」
 そんな声など聞いていられなくて、彬は無理と判っていてもその扉を叩き続けた。

「あー、僕その部屋に戻ると危険だから、もう戻らないから飽きたら勝手に帰ってね」
 楽しそうな板野の声がスピーカーから聞こえてきた。

「やああっ、あきらっ、助けてあきらっ!」
「忍!くそっ……忍ごめん……俺本当に馬鹿だよな……」
 今までどんな時にも泣いた事がなかった彬が、ボロボロと涙を零し始めた。

 彬は背後から肩を掴まれ、またソファに座らせられた。
「今は泣いている暇なんかないないだろう!」
 北村の顔も怒りに満ちていた。そして、その友達と何度かメールでやり取りした後に「あと30分だ、もう少し我慢しろ」と諭すように彬に言った。

(あと30分……)
 その間に忍は地獄のような攻めを受けるのかと思うと、居た堪れなくて仕方なかった。
「北村さん、俺、忍と別れますから、だからあいつを助けてやって下さいっ」
 ソファに座る北村の前に跪き彬は頭を下げた。

「本当に判らない奴だなお前は……好きなんだろう?忍のこと?」
「ああっ好きだっ、誰にも取られたくない程好きだよっ!」
「全く逆ギレかよ」呆れたように北村が言うと
「俺は、忍が俺から離れて行かないように、俺を捨てられないように……雁字搦めにしたかった……」
「ったく、普通に愛すれば良かったんだろ?」
「俺……普通ってのが判らないから……」

 彬の目が遠くを見るように宙を彷徨った。こんな話をしている間もスピーカーを通して、忍の泣き叫びや、喘ぎや嬌声と……人間の全ての感情を口にして忍は声を張り上げていた。
 いや、実際そんな大きな声では無かったのかもしれない。スピーカーを通し聞こえる声は、いつもの声よりもだいぶ掠れていたから……

「モウ……イカセテクダサイ」
 全てを諦めたような忍の声が聞こえた。

「彬、北村聞こえたか?忍の可愛いお強請りが……」
 板野の声を聞いた彬が唇をぎゅっと噛み、その口端からは赤い血が滴り落ちた。



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