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天使が啼いた夜 堂本紫苑~24~

 30, 2010 00:00
「風呂は明日の朝入れば?もう寝た方がいい」紫龍の言葉に
「やだ、べたべたして気持ち悪い・・お風呂入りたい」
「大丈夫か?」
「うん・・・紫龍脱がせて・・・・」
酔っ払い紫苑はやけに甘えてくる。
『たまには酔わせるのもいいかな』紫龍は目尻を下げながら思った。
まるで子供に戻ったみたいな紫苑だった。

風呂で全部脱がせてやりながら、こんな状況にも関わらず
自分が全く邪な気持ちを持ってない事に気付き紫龍は驚いた。
「長風呂は良くないから、今日はさっさと上がるぞ」
「はーい」
「体自分で洗えるか?」
「紫龍が洗って・・」

普段は洗ってやると言っても「恥ずかしいから」
と言って洗わせないくせに実に大胆になっているみたいだった。
そんな事を考えながら、シミひとつない白い体を泡で埋もれさせてやった。
「あ~気持ちいい」
紫苑にそんな事を言われたら張り切るしかなかった。
頭のてっぺんから足の指先まで綺麗に洗ってやる。
勿論前も後ろも指を這わせる。
流石に一瞬紫苑の体が強張るのが判ったが、知らん顔で洗い続けた。

「今日・・したい?」紫龍はそっと聞いてみた。
したいと言われたら、少し解しておく必要もあったが
紫苑は黙って首を横に振った。
「何もしないで、ただ一緒に眠りたい・・・」
「そうか、判った」
「・・紫龍はしたかった?」
それは紫龍が求めれば自分も答えるという意味が示唆されてるような気がした。
「俺もただ紫苑を抱きしめて眠りたいから」
紫龍の言葉に安心したように体から強張りが解けていく。

「ほらシャワーかけるから、目瞑って」
紫龍が頭から紫苑にシャワーの湯を掛けて泡を洗い流していった。
「少しだけ湯船に浸かってて」
紫苑を湯船に浸からせて自分も手早く体を洗い
紫苑が逆上せないうちにさっさと風呂から上がった。

紫苑のふあふあした髪もドライヤーできちんと乾かしてやる。
「ほら乾いたから、リビングで待ってて」
そう言うと紫龍は自分も身支度をしてリビングに向かった。
紫苑はぼーっとソファに座っている。
「何か飲むか?」
「あ・・冷たいお茶を・・・」
紫龍が冷蔵庫から冷たいお茶を取り出し、コップに入れて持って行くと
「ありがとう・・・紫龍今日は優しいね」
「ばか、俺はいつでも優しいんだ」
紫苑の隣に腰掛け自分は缶ビールのプルトップを開けた。

「紫苑、一人で何でも頑張り過ぎるなよ、俺にもう少し我侭言って甘えてくれ」
「僕は・・・我侭だよ」
『我侭だから紫龍の傍にいるんだ・・・』
風呂に入り汗を流したことで、紫苑の酔いも殆ど醒めてきていた。


その時ふと紫龍は思った・・・
もしかして今までの人生で紫苑は我侭を言った事がないのでは?と。
ひ弱そうに見えるが紫苑の内面は強い。
少年期から祖母を困らせないように何もかも諦め我慢してたんじゃないかと・・・
それでも人に天使の笑顔を向ける。

そう思うと、愛しさがこみ上げて来る。

「紫苑・・・今日はゴメン、いやな思いをさせて悪かった・・・
もう二度とこんな事はしないから、許してくれるか?」
「そんな・・許すなんて、紫龍が立場的に断れない事があることくらい僕にだって判ってるから」
「俺はお前が他のヤツとキスするのなんか見たくないから」
「あ・・っ」そう言われて思い出した。
自分から深田にキスを仕掛けた事を。

「ご・・ごめんなさい・・・僕・・浮気してしまいました・・・」
酔っ払っていたさっきは、謝らないと言ったのに
、酔いが醒めるととんでもない事をしてしまったと・・・深田にも悪い事をした、と激しく後悔してしまった。
「う・浮気って・・」『あれも浮気になるのか?』
「まあいい、ひとつ貸しにしておく」そう言う紫龍に紫苑も頷いた。

『形勢逆転・・・』紫龍がしっかり言質を取って口角を上げた。

「さあ、もう休もう・・・」紫龍は残りのビールを一気に飲んで紫苑を促した。
一緒のベッドに入り、約束どおりに抱き締めて眠る。
「今度の週末には借りを返してもらうぞ」そう揶揄するように言うと
「あ、今度の週末・・・僕、課の歓迎会ですから」と紫苑が言った。
「えっ!歓迎会」考えてみると紫龍の会社ではこの時期が歓迎会というのが恒例だ。

歓迎会=飲み会だ
自分の居ない所で紫苑が酒を飲むなんて・・・・
「俺も参加する」
「駄目だよ、みんな緊張するから」
「酒は飲むなよ」
「極力努力はします・・」
そういう席で同僚や上司の酒の勧めを断れるはずも無いのに。

紫龍が必死に良い方法を考えているのに、当の紫苑は睡魔に勝てなかったのだろう
紫龍の胸元ですやすやと寝息を立て始めた。





すみません・・・眠くて読み返し修正するパワーがありません。
誤字脱字があったら改めて修正します^^


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COMMENT - 10

-  2010, 11. 30 [Tue] 00:15

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jun  2010, 11. 30 [Tue] 05:30

お早うございます。
今晩の紫苑、甘えてますね。
いつも全力投球だから、
たまにはいいでしょうね。
週末には歓迎会ですか?
紫龍にはまたもや悩みの種が。

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-  2010, 11. 30 [Tue] 09:41

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kikyou  2010, 11. 30 [Tue] 13:55

鍵コメ Yさま

こんにちは。

『』(笑)
でも危ないかもしれない・・・どんな事をされるか・・・
とても危険な目に会いそうな予感が(笑)

流石に昨夜は眠くて・・・更新やめようかと思うくらいに・・・
気力で書きましたが・・・

午前中用事で外出していたので、これからチェックに入ります。
でも見直しても脳みそで見ているから、小さい所に誤字脱字あるんだよね^^;
多分みな同じだと思うよ~(^0_0^)

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 11. 30 [Tue] 13:57

junさま

こんにちは。

たまには甘えん坊の紫苑もいいですよね^^

週末の歓迎会・・・
自分でネタ振ってしまって・・こんなんじゃ永遠に2部が終わらないような気がする。

一度完結した話を続けて行くってのも結構難しいよ~"^_^"

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 11. 30 [Tue] 14:01

鍵コメ tu さま

こんにちは。

鍵コメ初めてですね^^
すみません気を使わせてしまって。

でもオープンでも大丈夫ですから。

って何と言う失態を^^;ありがとうございました。
早速手直ししました。
遥の小さな策略を消してしまう所でしたよ(笑)

紫苑を洗って・・^^
本当に邪な考えないのかなぁ?(笑)
「ちょっと、そこに手を突いて」って絶対私なら言う!

コメントとお知らせありがとうございました!(*^_^*)

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-  2010, 11. 30 [Tue] 14:02

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かや  2010, 11. 30 [Tue] 16:41

子供みたいな紫苑ちゃん、可愛いですね~(≧∇≦)
お酒が入ると、普段は言えない本音が零れる。
時々、お酒を飲ませて言わずに我慢している内心を探るのも、手かも。

すみずみまでキレイに~。
って、もちろん手で洗うんですよね。タオルなんて使うの、勿体ないわ。いたずらしないなんて、ありえな~い(笑)
お尻洗うから、ちょっと上げて~。もっと上げて~♪いっそ伏せて!
うひひ♪
よこしまだ・・・_| ̄|○

紫龍さん、紫苑ちゃんにお酒を飲ませない思案を、思いついたのかな?
こっそり、隣の部屋で聞き耳たててたりしそう(笑)

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kikyou  2010, 11. 30 [Tue] 21:05

鍵コメ NKさま

こんばんはー。

紫苑がおっとりしてるから、直ぐに形勢逆転ですよ(笑)

さぁ歓迎会、どんな展開に持って行きましょうか?
沖田部長代理が絡んでいるのは間違いないでしょう。
(あ、これから書くんですが^^;)

ママ目線から腐目線に!
復活おめでとうございます\(~o~)/
って・・・どっちで読んでいただければいいのやら?私も迷う所です(笑)

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 11. 30 [Tue] 21:10

かやさま

こんばんは。

お酒は人を素直にしますねぇ^^
度を越えるのは頂けませんが、楽しいお酒は好きです。

私は酔うとOOOになってしまいますー(笑)

>お尻洗うから、ちょっと上げて~。もっと上げて~♪いっそ伏せて!

(笑)白上げて、赤下げての拍子で読んでしまってます。


歓迎会の対策まだ立ててませんネ紫龍(イヤ書き手がwww)

コメントありがとうございました。

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