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この世の果てで 56

 30, 2010 00:26
拓海はそこに手が伸びてくると思っていた。
だがそこに感じたのは大きな瀬田の掌ではなく湿り気を含んだ熱い唇だった。
そういう行為がある事くらいは知っている。
だけどその行為を今この状態で自分が瀬田から受けるなんて全く予想していなかった。

「社長お願いです。そんな事をしないで・・あっ!しないで下さい。」
言葉では抗うくせに自分の体がどんどん反応しているのが判る。
「くっ・・・ァ・・社長」
「良くないのか?俺も初めてだからなぁ」

「そういう問題じゃ・・・」
「拓海俺はお前を目一杯甘やかせたいだけなんだ」
「だからって・・あっ!」
どうしようもなく気持ち良くて拓海は困ってしまう。

拓海が見下ろすと自分の前にひざまずくような体勢の瀬田が目に入った。
その頭が動く度に快感が背中を走る。
このままだと最悪な事態になる事は免れない。
「社長・・・お願いです、離して下さい。」
切羽詰まった拓海の声に瀬田は拓海の体から離れた。
拓海の放出を受け止める事など何でもないが、
拓海の性格を考えると今は止めておいた方が良さそうだったからだ。

瀬田の唇が下からはい上がってくる。
ゆっくりと舐めながら、そして時々ちゅっと吸い付きながら・・・
その唇が小さな尖りを含んだ時それまで声を出さずに堪えていた拓海の口から
小さな喘ぎが洩れた。

「うん?ここ感じるのか?」
この体中が粟立つ感覚を感じると言うのだろうか?
返事の出来ない拓海の体を瀬田の唇と指が攻める。
「あ・・っ!」漏れた声に瀬田が口角を上げ更に指先に力を込めた。
「あぁ・・社長・・・駄目です」
「何が駄目なんだ?」揶揄するような口調で拓海に聞いた。
「こ・・声が出てしまうから・・」
「拓海の感じる声をもっと聞かせて」
「いやだ・・恥ずかしいから・・」

瀬田は立ち上がり拓海をそっと抱き締めた後
拓海の耳元で「続きはベッドで・・今夜は抱くから」と甘く囁いた。
『俺は今夜・・社長に抱かれる?』
拓海は金の為に抱かれた記憶が走馬灯のように蘇った。

「駄目だ・・俺は汚れてるから・・・」
「拓海を汚すのも清めるのも俺だ安心しろ」
「・・・はい」今の拓海には言い返す言葉も見つからなかった。
「さあ、さっさと風呂済ませるぞ」
浴槽に浸かっても元気なままの拓海の下半身を見て「若いな」と呟く瀬田の
下半身に風呂から上がるまで拓海は視線を向ける事は出来なかった。

バスロープを羽織った拓海の髪をがしゃがしゃとタオルで拭いてくれた。
「こ・・これくらい自分で出来ますから」
そう抵抗する拓海に向かい
「だから、お前を甘やかせたいって言っただろう?」
今夜はどう抵抗しても何を言っても無駄らしいと気付き、そのまま口を噤んだ。

「おいで」
差し出す瀬田の手を少し迷ってから・・・そしてその手に自分の手を置いた。
置いた手を強く握り返された時に拓海はふいに涙が滲んでしまい
それに気付かれないように、俯きながら瀬田に手を引かれ寝室に向かった。

ベッドにそっと寝かされバスローブを開かれ、拓海はぎゅっと目を瞑った。
拓海に体重を掛けないように、上になった瀬田が拓海の唇に触れてきた。
最初は優しく啄ばむようなキスだったが、だんだんと官能的なキスに変わってくる。
呼吸をするのも忘れるほどの激しいキスが途切れた時には
拓海は肩で息をしているような状態だった。

「緊張してるのか?」
「・・当たり前です」
いくら経験があるとはいえ、5年も前のたった一度だけの事だった。
その時は無我夢中だったし、キスをされた覚えもなかった。

「お前の初めては悲惨なものだっただろ?
俺はあの時はお前に二度とあんな事をさせないように、少々乱暴に扱った。
懲りて二度と体を売ろうなんて考えないように・・・」
「・・・社長」
「あれがSEXだと思うなよ、これからする事が拓海にとって
本当の意味での初めてのSEXだ」

拓海に言い聞かすようにその言葉は低く優しい声で言われた。
『ああ俺・・この言葉だけで満足かも?』
瀬田の低い声が好きな拓海はそう思った。

「あっ」
瀬田の唇が首筋に降りて来た。
そしてそのまま鎖骨をなぞり拓海がさっき感じてしまった小さな粒を含んだ。
舌先でちろちろ舐められ、転がされ吸われる。
「あぁ・・社長駄目」
その行為だけで眩暈がしそうだった。
もう片方を指で捏ねられる頃には、一度萎えていた拓海のペニスも熱を帯びてきた。

「くっ・・」声を噛み殺してその快感を逃がそうとする拓海の腿を押して
その両足を大きく広げようとしている瀬田に向かって
「嫌だ・・・恥ずかしい」と脚に力を入れて瀬田の手を阻止しようとした。
拓海の抵抗を予測していた瀬田は、その唇を拓海の傷痕に這わせた。

「あ・・っ」
その瞬間に拓海の心の中で何かが弾けた。
ナイフで刺され、流した血の代わりに自分の体の中には瀬田の血が流れている。
死の淵から自分を呼び戻したのは、この男だった・・・
「俺・・・社長が好きです」
「拓海・・・」
「俺にあなたの印を刻んで下さい・・・」

拓海のその言葉に瀬田は微笑み、そして拓海の脚を開かせその脚の間に身を置いた。






更新ない間も応援のメッセージや、拍手、ランキングへのポチ
本当にありがとうございました。
凄く嬉しかったです。
お一人お一人にコメントのお返しは出来ませんでしたが
本日更新分より、お返事いれさせて頂きます。

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COMMENT - 20

-  2010, 10. 30 [Sat] 00:37

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-  2010, 10. 30 [Sat] 00:42

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k.k  2010, 10. 30 [Sat] 01:12

こんばんは 更新感謝です

寒くなりましたね どうか ご自愛を!
この御話もですが 「おいで」が 設定に合うなあ。クルんですよね....。

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jun  2010, 10. 30 [Sat] 06:42

お早うございます。
永遠の誓いにコメしたんだけど、こちらにも改めてします。
キキョウさん、お帰りなさい。
大変でしたね。ご愁傷様。
お疲れでませんように。

拓海と、瀬戸、とうとうベットインですね。
もう僕のあそこ、堪らないって言ってます。
次回は僕も悶えてしまうんでしょうね。

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-  2010, 10. 30 [Sat] 08:00

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アド  2010, 10. 30 [Sat] 09:19

とにかく瀬田さんの優しさと拓海くんの純な可愛らしさが際立つ素敵シーンです。
うっとりしちゃいます。
「おいで」いいですねぇ~k.kさんに私も同感ですー。

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紫猫  2010, 10. 30 [Sat] 14:59

こんにちは。
更新ありがとうございます。

私もk.kさんとアドさんに同感です!
「おいで」…きゅんとしますw

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此花咲耶  2010, 10. 30 [Sat] 16:49

kikyouさま

拓海くんは、これまで一人でがんばって生きてきて、お母さんの支えにはなっても、誰かの手を求めたことも無かった気がします。
愛おしいと言葉にしなくても、行動描写でそう思っているとわかるエチ場面。・・・じんわりと、泣けてきます。

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-  2010, 10. 30 [Sat] 17:11

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-  2010, 10. 30 [Sat] 18:59

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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:26

鍵コメ Yさま

こんばんはー。

誰が乙女ですかぁ?(笑)

そして4回もコメントの中に「恥ずかしい~」が出てきましたよ(笑)

今夜も恥ずかしい思いをして下さいネ。

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:30

鍵コメ miさま

ただいま(遅くなりましたが^^)
大丈夫ですよ、頑張って更新していきます。
お心使いありがとうございます。

瀬田・・もう甘やかして、最後は蟻んこに食われそうですよ(笑)

2万・・・おお!自分でも全然遠い数字でした。
ありがとうございます。
って踏んだ方誰だろう?
3万では告知するかな?^^

31日逢えます!
楽しみにしていますので、気をつけて来て下さいネ。

コメントありがとうございました。


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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:33

k.kさま

こんばんは。
先日は温かいコメントありがとうございました。
そして私がまだkikyouだと告白する前から
読んで下さっててありがとうございます。

拍手コメで連絡取りたいって、書いたんですが^^
拍手コメは何処で書いたかわからなくなりますものね(自身経験ありです^^)


> 寒くなりましたね どうか ご自愛を!
> この御話もですが 「おいで」が 設定に合うなあ。クルんですよね....。

手を引かれる拓海を優しい目で想像して下さってそうですね。

本当に寒くなりましたので、k.k様もお体に気をつけて下さいネ。
コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:37

junさま

> お早うございます。

おはようございます。(あ、こんばんは)

> 永遠の誓いにコメしたんだけど、こちらにも改めてします。
> キキョウさん、お帰りなさい。

ただいま、あっちもコメ入れさせてもらいました。
ありがとうございます。


> 大変でしたね。ご愁傷様。
> お疲れでませんように。

ありがとうございます、でも何時かは通る道だったので・・・
この妄想の世界があって気も紛れるし、
温かい言葉を掛けてもらって、本当に嬉しかったです。



>
> 拓海と、瀬戸、とうとうベットインですね。
> もう僕のあそこ、堪らないって言ってます。
> 次回は僕も悶えてしまうんでしょうね。


う・・・・悶えさせる事が出来たでしょうか?(笑)
でもまだ続きます^^;
毎回悶えて下さいネ♪

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:40

鍵コメ Kやさま^^

こんばんはー、そしてただいまです。

色々ありがとうございました。

甘い夜が始まりました^^

そして終わりませんでした^^;

31日は大丈夫なのですか?
逢えればいいですね。
勿論私もイキます!

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:42

アドさま

> とにかく瀬田さんの優しさと拓海くんの純な可愛らしさが際立つ素敵シーンです。
> うっとりしちゃいます。
> 「おいで」いいですねぇ~k.kさんに私も同感ですー。

こんばんは。ってもう寝てますね。

明日の準備も万端でしょうネ。
お疲れ様でした。

50話も半ば過ぎてからの18禁・・
少し続きますが^^;
甘い気分に浸ってもらえれば嬉しいです。

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:44

紫猫さま

> こんにちは。
> 更新ありがとうございます。

こんばんは、読んで下さってありがとうございます!

>
> 私もk.kさんとアドさんに同感です!
> 「おいで」…きゅんとしますw

「おいで」エヘヘ好評で嬉しいです。
瀬田の思いが一言で伝わったみたいで・・

まだ甘い夜は続きますので、楽しんで下さいネ。

コメントありがとうございました。


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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:47

此花さま

> kikyouさま

こんばんはー。

>
> 拓海くんは、これまで一人でがんばって生きてきて、お母さんの支えにはなっても、誰かの手を求めたことも無かった気がします。
> 愛おしいと言葉にしなくても、行動描写でそう思っているとわかるエチ場面。・・・じんわりと、泣けてきます。

此花さん大好き!
私の気持ちを言葉に表してくれるって感じで^^

普段から思うのですが、感性が似ているような気がします。
此花さんが泣きながら書いた文章を私も泣きながら読みますもん^^

明日は池袋・・・早く寝ようと思いながらいつもとペースが変わりません^^
いつか此花さんも来れたらいいですね。

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:49

鍵コメ R・Mさま^^

素敵なラブシーンって言ってもらえて感激です!
私もMさんのラブシーン大好きです。

明日お会いするのを楽しみにしています。
新幹線大丈夫そうですネ!

多分賑やかなAさんと一緒に伺うかと(笑)
変なのが来たって逃げないで下さいネ。

コメントありがとうございました。

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kikyou  2010, 10. 30 [Sat] 23:53

鍵コメ Cさま


こんばんは。

お気遣いありがとうございます。
もう大丈夫です。

火曜日までは少々忙しい日が続きますが、更新は頑張りたいと思っています。

たっぷり甘やかしてドロドロに溶かして・・

甘い一夜は1話では終わらなかったです^^

どんだけ?って言われるくらい甘やかしてみたいですね。

温かいコメントありがとうございました。

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