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同人誌掲載 空を見上げれば 1

 21, 2011 00:00
◇はじめにお断りとお願い◇

この話は同人誌「僕の背に口付けを」に掲載したサイドストーリーです。
作った3月以降ブログでアップするのは考えていたのですが、「僕の背……」を今後書き続けるには、必要な話なので、今回ブログでも公開する事にしました。
同人誌を購入して下さった多くの方には申し訳ないと思いますが、宜しくお願い致します。

他の番外はブログでの公開予定はございません。



全5話です。

虎太郎×仁





二月も終わりだというのに、寒さが緩むどころか、反って厳しくなって来たある日の午後、事務所に呼び出された仁は、この事務所では社長である、若頭の豊川光輝に仕事を言いつけられ、激しく動揺していた。

「虎太郎が風邪でダウンした、お前が行って身の回りの世話をしてやれ」と。
あの強靭な体を持った虎太郎が風邪?仁は信じられない気分で「風邪ですか……?」と聞き返した。
「ああ、鬼の霍乱ってやつだな」
目の前にいる若頭は心配するどころか、楽しんでいるかのように見えた。

「でも俺、千尋さんのお世話が……」
「いいんだよ千尋は、俺が世話するから」
そう、千尋も先日風邪を引いてしまい、昨日辺りやっと熱が平熱に戻ったばかりだった。日中懸命に看病して、おかゆなど作って身の回りの世話をしたばかりだった。平熱に戻ったとはいえ、まだ体力が元に戻った訳ではない千尋の事も気に掛かったが、それでも頭の中は虎太郎の容態が気になって仕方がなかった。
「若頭……ちゃんとお世話出来るんですか?」
「ああ、仁のおかげで、大分良くなったからな、後は俺だけで大丈夫だ」
仁のおかげなどと言われたら、嬉しくて仁の顔も綻んでしまう。

「じゃ俺虎太郎さんの所に行きます、先に買い物してから行くんで、千尋さんの分は冷蔵庫に入れておきますから、あとは大丈夫ですか?」
仁はこの若頭が料理など出来る筈もないと考えると不安になり、もう一度念を押した。

「ああ、俺だって料理くらいは作れるさ、愛しい千尋の為だと思えば何だって出来る」
さりげなく惚気られ、仁は想像して顔を赤くしてしまった。
若頭がどんなに千尋を甘やかし、愛しているかは見ていれば手に取るように判る。それも半端ない甘やかせ方に時々千尋と顔を見合わせ、苦笑いを零していた。


仁は買い物を済ませ千尋の分を冷蔵庫にしまってから、虎太郎のマンションに急いだ。沢山の食材と薬を手に提げ、虎太郎の部屋の暗証番号を押した。送り迎えでこのマンションを訪れる事は何度かあったが、部屋の中に入った事は今までなかったから、仁はちょっと緊張していた。
何度か虎太郎に体を弄られた事はあったが、それはいつも事務所の中だけで、それ以上虎太郎が何かを仕掛けて来る事はなかった。

(俺何か期待している?バカだ……相手は病人だぞ)などと、頭の中で悶々としてしまっていた。ドアの前からチャイムを鳴らし、名を告げるとガチャッとドアが開き、虎太郎が驚いた顔で立っていた。

「仁……どうしたんだ?」若頭には何も聞かされていなかったらしい言葉に仁は慌てて「あの、若頭に世話するように言われて来ました」と言い訳のように言った。
「そうか、悪いな手間かけて。大した事は無いんだがな」
珍しく虎太郎の言葉が優しかった。
「失礼しますっ」と言いながら、仁は中に入り、食材の袋を床に置いた。

普段はワックスで固めている髪がさらさらと頬に掛かっている虎太郎を見て、仁の胸はドキンと音をたてた。
「大した事ないって、ちょっと顔赤いですよ?熱は?」そんな心情を隠すように仁は虎太郎に問い掛けた。
「ああ、さっき計ったら三十八度五分だ、こんなの大したうちには入らない」
「三十八度五分……、」その熱の高さに仁は驚いた。
「千尋さんなら入院させられていますよ」と言うと虎太郎は苦笑して「そうかもな……」と呟いた。

「もう寝ていて下さい、飯は?薬は?」捲くし立てる仁に首を振る虎太郎に呆れて、「補佐に何かあったらどうするんですか?早く治して事務所出て下さいよ」心底心配した言葉を仁は吐いた。「何、仁も心配してくれるのか?」
「当たり前です!早く寝て下さい。俺何か消化の良いのを作りますから」と虎太郎を寝室に追いやった。

「全く……」自分の体を労わらない虎太郎に腹が立ってきた。仁は慣れた手つきでお粥を作り、小さめの土鍋に鱈と豆腐を入れた。とにかく簡単な物でも食べさせて薬を飲ます事が先決だった。

テーブルの上にそれらを並べてから、寝室のドアをノックした。
「あの、飯の支度出来ましたから……」
静かに声を掛けると中から虎太郎が出てきて、テーブルの上を見て少し驚いた顔を見せ、「さすが手早いな」と嬉しそうな目を仁に向けてくれた。
その目を見て、ここに来てから立場もわきまえずに仕切ってしまった事に恥ずかしさと、畏怖を感じてしまった。
「あ……すみません、俺……命令するような事言ったみたいで」
「仁なら許せるさ」逆にその虎太郎の言葉に身が縮む思いだった。
(やば……俺じゃなきゃ許さないって事か?)

「美味そうだな……」
虎太郎の言葉に我に返った仁は、せっせと給仕し、食後に薬を飲ませ安堵の溜息を吐いた。
温かい物を食べたせいか、熱のせいか虎太郎の額に汗が浮かんでいた。
「汗掻いている、体拭いて着替えた方がいいですよ」と仁が言うと「手伝え」と言われ、蒸しタオルをいくつか作った。

仁が蒸しタオルを作っている間に虎太郎は寝室に移動したようで、リビングにはその姿が無かった。
恐る恐る寝室をノックすると中から「入れ」と声がし、仁は初めて虎太郎の寝室に入った。

広い部屋の中央に大きなベッドが置かれていて、寝る為だけに帰る忙しい虎太郎の日常が窺い知れた。
サイドテーブルに数本のタオルを置いて次の動作を仁が躊躇っていると、体を起こした虎太郎が部屋着を脱ぎだした。
「ほ……補佐……何を……」間の抜けたような仁に向かって
「脱がなきゃ体拭けないだろう?」と虎太郎は口角を上げて言った。
(あ、そうか……俺何動揺しているんだろう……)

仁が呆然としている間に虎太郎は全ての服を脱ぎすて、ベッドの端に腰を下ろしていた。
(えっ!全部)
「早くしろ、風邪を引かせるつもりか?」
虎太郎の唸るような声が仁の耳に飛び込んだ。
「あ、いや、もう風邪引いているし……」
仁は虎太郎の全裸に動揺し、普段だったら怒られるような事を平気で言ってしまった自分の身をまた竦めた。




◇会話と地の文の使い方が相変わらず下手ですね。ごちゃごちゃして読みにくいですね。
今後の課題です◇


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COMMENT - 2

-  2011, 11. 21 [Mon] 00:17

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けいったん  2011, 11. 21 [Mon] 11:13

「僕・背」で貴重な存在、癒しのユルキャラ仁くんの登場♪

ほんと いい奴で! 
見ているだけで 微笑み零れるわ~♪

虎太郎との仲も やっと・・・ですね。
。o@(^ゝω・)@o。ニコッ♪...byebye☆

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