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週末の恐怖 後編

 20, 2011 00:00
紫龍は両手を自由にする為にビールを一気に飲み干した。2つの缶を手に立ち上がり、キッチンのシンクの上に置き寝室に行く。
寝室から戻った紫龍のガウンのポケットが少し膨らんでいるのに紫苑は全く気付いていなかった。

紫龍は、再び紫苑の背後に回り包み込むように腰を下ろした。両手を背後から紫苑の胸に這わす。小さな尖りは周りをゆるゆると撫でまわす事で、条件反射のように主張を始める。
「し、紫龍……」
映画に集中したいのに、体からの刺激がそれを邪魔してしまい、抗うように紫苑は体をくねらせた。
「紫苑はゆっくり映画を観ていて」
優しく言われると紫苑は、また視線を画面に戻した。体を弄られながらでも一人で怖い映画を観るよりは、近くにいてくれた方がいい。

「あ……っ」
生地の上から触れていた指が、パジャマの裾を捲り侵入して来た。体は紫龍の両脚の間にあるので逃げる事も出来ない。
「下着……」
紫龍が少しがっかりした声で呟いた。紫苑は黙ってこくんと頷く。怖い映画を観て部屋を飛び出してしまったら下着を履いていないと大変な事になってしまう。そこまで考えて紫苑はビキニの肌着を身に着けていた。

その小さい布をもくぐり紫龍の手が差し込まれた。紫龍の性急な動きに紫苑は手首を抑えてしまった。
「だめっ」
「いいからじっとしてて」
紫龍の手首を掴んだ手を、やんわりと外された。
「あ……」
意識を逸らそうとしても、無意識に声が漏れてしまい紫苑の頬はだんだんと熱くなって来る。

「あ、何……」
ラグの上に座っていた紫苑の体が浮きソファに座らせられた。その前に紫龍は膝をつく。この高さなら画面を遮る事はないだろうと紫龍は考えての行動だ。
ソファに座ると同時に紫苑は下着を取られ、簡単に大事な部分を曝してしまった。
「いやっ……紫龍」
だが、紫苑の小さな抵抗は何の成果も生みださない。

紫龍は手早くポケットからローションを取り出し、自分の指を濡らす。露わになった紫苑の性器に唇を付け舐めあげた後にそっと咥えた。
「いや……っ」
紫龍の性急すぎる動きに紫苑は戸惑いながらも、温もりを気持ち良いと感じてしまう。
「やあ……っ」
今夜の紫龍は何故だか怖かった。ソファに座らせられてから1分もしないうちに、紫龍の指が1本紫苑の胎内に埋められた。

「あぁ……」
ローションの滑りで1本の指は簡単に侵入を果たす。咥えられた性器も少しずつ大きくなってしまい紫苑は紫龍の肩を押しながらダメと小さく呟いた。
「駄目じゃない、悦んで俺の指を飲み込んでいるぞ」
紫龍が声を発するために離した肉がプルリと震えた。指が2本に増やされたのだった。

暫く後腔を解したあとに、紫龍は指を抜き出しその入口に冷たく硬い物を押し当てた。
「いやっ、何?」
さすがの紫苑も、異変に気づき抗った。紫苑が視線を落とすとそこには以前見た事のある、いや使った事のあるピンクの玉子があった。勿論玉子ほど大きくはないが指よりは充分に太い物だ。

「い……あぁ……」
拒絶する前にローションを塗られたそれは、紫龍の指に押されプツリと腔の中に入って来た。
「いやっ、紫龍取って。入れないで」
「いいから、紫苑は映画の続きを観ていなさい」
その言葉に、紫苑は自分がツマミを用意しなかったから紫龍の機嫌が悪いのかもしれないとさえ思ってしまった。

紫龍は指を腔の中に戻し、ローターを奥まで押し込んだ。
「弱くするね」
何だか優しい事を言われたような気がするが、その途端に腔の中でピンクの物が暴れ出した。
「いやっ」
「大丈夫だ、足りなければもう一つ挿れようか?」
紫龍の無謀な提案に紫苑は激しく頭を振った。さらに紫龍の指が増やされ紫苑の中の良い箇所を擦りあげた。
「あぁ……」
だが紫龍はそれでは留まらなかった。ゆっくり抜いた指の後を塞ぐように熱い楔を押し付ける。
「いやっ紫龍!」
まだ胎内ではローターが鈍い動きをしているというのに、そのままの状態で挿入しようとしている紫龍に抗議するように悲鳴を上げた。

「大丈夫だから」
何を根拠に大丈夫と言い切るのか紫苑には理解できない。
「いや、やめて……壊れる。怖い……」
紫苑の願いも空しく紫龍の頭の部分が押し込まれた。普段よりも性急な動きと緊張に紫苑の体が悲鳴を上げてしまう。
閉じた瞼から自然と涙が零れてしまう。
(紫龍……どうして?)

太い部分を収めた紫龍は先を急ごうとせずに、その場に留まっていた。その意味も紫苑には理解できない。だけど閉じた瞼で紅い光を感じてそっと瞼を開いた時に全てを理解出来た。
紫苑の瞳には赤々と燃える映像が映し出されていた。その映像に体が一瞬強張る。

それを感じた紫龍がゆっくり全てを挿入して来た。中のローターは奥へと押しやられる。
「あぁっ……紫龍……」
今までに経験した事のない苦痛に眉根を寄せながら紫苑が囁いた。
「もう、大丈夫なのに……」
過去の心の傷を、手痛い繋がりで塗り替えようとしている不器用な紫龍が愛おしく思えた。

映画のクライマックスシーンが終わり、テロップが流れている画像をもう紫苑は観てはいなかった。動き出した紫龍に翻弄されながら、ただ喘いでいる。
浅い所まで自身を引き抜き、ローターを紫苑の良い所に当たるようにして、紫龍はMAXに切り替えた。
「いやぁ―――っ」
人の肉ではない無機質な物体が微妙な振動を与えているのだ。紫苑はあっという間に登り詰めてしまいそうだった。
「紫龍、紫龍……もう取って、お願い」
さすがの紫龍もこのお願いを聞かないわけにはいかない。一度自身を抜き、胎内のローターのコードを引き、紫苑から取り出した。ほっと安心したように紫苑が小さな吐息を吐く。

「紫苑、ごめん……」
「紫龍、来て」
紫苑を膝の上に乗せ、正面から繋がるとより深く紫苑を感じる事が出来た。
「あぁ……」
それは紫苑も同じなのだろう、その吐息の甘さに紫龍はくらくらしそうだった。
紫苑は、熱に浮かされた目で紫龍を見つめる。ゆっくりと二人の唇が重なった。




翌日、深田の国産車で4人は郊外にある大型スーパーに向かっていた。倉庫のようなその店に行くと聞いた紫苑が、深田と広海に一緒に連れて行くように強請ったのだ。漏れなく紫龍も付いて来る。

―――紫苑は、頭も凄く良い。そして何でも器用にこなす。尊敬するよ紫苑。勿論運転も下手では無いと思う。でも紫苑だぜ紫苑。
深田は、助手席に乗り紫苑がブレーキを踏むたびに一緒に足に力を入れていた。実際危ない運転技術ではないと思うが、運転する紫苑は受け入れ難かった。

―――紫苑君ごめんなさい。もう怖い映画なんか薦めないから……。広海は道楽息子だった学生時代ポルシェを乗り回していた。今も実家の車庫に置いてあるが、月に一度程度はメンテの為にエンジンを掛けていた。意外と車好きな事は深田も紫龍も知っていた。

広海と紫龍は、乗り慣れない国産車の後部座席の両端に座っていた。端に寄るほど広くはないのに、二人が片手で手摺りを掴んでいるためだ。
「紫苑、運転交代しようか?」
伺うように紫龍が言うが、紫苑はあっさりとそれを拒否する。
「紫苑、腰……大丈夫か?」
紫龍の言葉にハンドルを握る紫苑の頬が微かに染まった。そんな紫苑を深田は横目でちらっと盗み見て心の中で溜息を吐いた。

(したんですかっ……したんですね)
自分と広海は紫苑の事が気になって、せっかくの週末なのに何もしていないのだ。

40分掛けて目的の大型スーパーに到着した。
「ああ、楽しかった。3年ぶりです運転したの」
本当に楽しそうに紫苑はそう言った。
無事到着した事で一度は引いた汗が、3人の背中を再び流れ落ちた。



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COMMENT - 2

ちこ  2011, 11. 20 [Sun] 01:06

紫龍さん・・・楽あれば苦あり!

帰りも頑張って!

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NK  2011, 11. 21 [Mon] 08:39

くっ、くっ、くっ、、、
週末の恐怖って、紫苑ちゃんの”はじめての”ホラー鑑賞かぁ。
と思っていたら、
深田さん、広海さん、紫龍さんで白昼の肝試しをしたのですね。
う~ん、私はこのオチが好きだわ。(勘違い?)
これは、広海さんへの罰ゲームだったのでしょうか?

この後、倉庫のようなスーパーではしゃぐいつも通りの紫苑ちゃんを見たかったな。

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