朝目覚めると彰人の寝顔が横にあった。心も体も彰人を裏切ったという過去は玲の中から消えなかった。
義父と繋がった訳ではなかったが、玲にしてみれば同じ事。
あの手の平に吐き出した自分の白濁を忘れる事は出来ない。
「玲……?もう起きたのか?」
「あ、うん……」
「眠れなかったのか?それともまだ足りない?」
「ば、馬鹿……」
朝から彰人の厭らしい指が玲の腿を撫で上げている。その指が少しずつ中央に向かい登って来た。
「あ、彰人」
「俺はまだ……玲が足りていない」
突然消えた恋人がやっと自分の所に戻って来たのだ、簡単にはこの腕を解けないと彰人は耳元で囁いた。
「彰人……正直に答えてくれる?」
「ん?いいぞ」
「俺と会えなかった間に……誰かとした?」
こういう世界にいる上に彰人は誰が見ても格好いい、恋人がいたって不思議ではないと思った。もしかしたら現在恋人がいるのかもしれない。ましてや4年の時が流れているのだ。自分は精神的に弱くて誰かと繋がる事も出来なかった。
「したよ……男も女も抱いた」
正直に答えてくれと言ったのは自分だ。だけど彰人の言葉に胸がえぐられるように痛い。
「そう……当然だよね、気持ち良かった?……」
本当は聞きたくなんか無いのに、玲の口からはそんな言葉が零れてしまう。聞いたらまた胸が千切れるのに。
だが、今まで横で寝ていた彰人が急に身を起し玲の上に馬乗りになった。
「気持ち良かったか、だと?ああ、良かったよ。そう言えばお前は満足するのかっ?」
彰人の怒声と共に、玲のパジャマの釦が引き千切られた。
「あ……っ」
彰人は玲の項に食らいついた。その熱は項だけでは事足らず胸から腹、腿の内側と玲の柔らかい皮膚に点々と痕を残して行く。
玲は初めての痛みに慄いた。
高校生だった玲の立場を考えて決して痕など付けなかった彰人が、今は征服者のようにその印を玲の体に刻んで行く。
その痛みが熱に変わる頃に、彰人の唇がそっと重なった。
「ごめん……痛かったか?」
その言葉に、濡れた瞳の玲がゆっくりと首を振る。
「彰人……して」
玲の言葉に、一瞬驚いた彰人が直ぐさま破顔する。
「はぁ……っ」
きっと今の自分は、この前見せられた携帯の写真のような顔をしているのだろうと、玲は思っていた。彰人の触れる所全てが熱くて気持ち良い。
「彰人ぉ……」
玲の吐き出した甘い声に彰人は満足そうな笑みを見せた。
(彰人ぉ……さよなら……)
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