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罪よりも深く愛して 1

 17, 2011 00:52
「さっきは誰と話していたのだ?」
テレビ局からの帰りの車の中、後部座席から咎めるような低い声が聞こえた。
「えっ?さっき……」千夜はハンドルを握りながら、速水が収録を済ませる間の事を思い出してみた。
「あ……誰っていうか、何を考えているのかモデルにならないか?って、ただそれだけです」
速水に咎められるような事もしてないし、言ってもいない、千夜は心の中でそう呟いた。

「話しかけられるような隙を作るお前が悪い」
単なる速水のマネージャー件付き人、いや世間的にはそうだが……
速水のペットである千夜には自由は無い、だからと言って話しかけられて無視する訳にもいかなかった。
だが、その事が速水を不愉快にさせたのなら謝るしかないと思って、謝罪の言葉を言おうとした時に「誰にでも媚を売るな」と背後から低い不機嫌な声が聞こえて来た。

「媚など売っていません」千夜はハンドルを握る手に力を込めて、それでも冷静に答えた。
「まあいい、後でゆっくりその体に思い知らせてやる、自分が誰の物なのかをな……」
メタリックシルバーのベンツを自宅に向け走らせながら、香坂千夜(こうさかせんや)は、血が滲むほどその形の良い唇を噛んだ。

自分を抱くのに理由など要らないはずの速水なのに、何故いつも何かしら理由を付けるのか千夜には理解し難いものがあった。
そう……千夜は、理由なく抱かれても文句の言えない立場なのだから。

千夜は三ヶ月前に後部座席で両腕を組んで目を瞑っているこの男、速水爽輔(はやみそうすけ)と愛人契約を結んだのだ。愛人というには語弊がある、ペットだ……いや玩具?それ以下かもしれない、千夜は速水の精を受け入れる単なる器なのだから。


「うぅっ……あぁ」
背後から手を回され、敏感に立ち上がった胸の尖りを摘むように転がされ千夜は呻くような声を上げた。この三ヶ月で千夜の体が作り替えられてしまったのは言わずもがな。千夜は自分でも胸を弄られ、はしたない声を上げる事が信じられないが……それも事実。

小学三年の時から剣道で鍛え、180cmもある千夜のすらりとした体格も速水の前では華奢に見えてしまう。自分よりも体躯の良いこの男が、どんな繊細なメス捌きを見せるのだろう?名医と誉れ高く、その美麗な容姿と存在感でメディアからも引っ張りだこだった。現に今日もその関係での収録の為にスタジオに出向いた訳だった。

そしてそのお陰で今千夜は普段よりも執拗な責めを受けていたのだった。
「いたっ!」意識を他所に持って行った千夜の尖りが、捻り潰されるような痛みに襲われた。
「何を考えている、集中しろ、もっと酷く扱われたいのか?」
速水の言葉に千夜は四つん這いのまま声に出さずに首を横に振った。

一度項に噛み付くようなキスを落としたあと、その唇は千夜の背中をなぞり、そして引き締まった尻の肉に喰らいつく。一見乱暴そうにみえるが速水の愛撫は的確に千夜を悦へと導いていた。
大きな手がその肉を掴み左右に押し開いていく。
「うっ!」それは千夜の一番嫌いな瞬間だった。無防備に後孔を晒し、そして視姦されるこの時に毎回死にたくなる。時間にすれば、ほんの何十秒かの事なのだが、千夜にとっては、とてつもなく長く感じられる時間だった。

失神してしまうような羞恥の後には、更なる羞恥が待っていた。千夜はその次に速水の蠢く肉厚な舌が皺をぞろりと舐め上げて来るのを知っていた。それは千夜にとって何度受けても例えようのない、ぞくりとする悪寒とも快感とも言えない感覚だった。
「あぁぁっ」体が粟立つ・・・もう元へは戻れない。
―――この後に自分を襲う愉悦を知ってしまったから。

(千里……)

蠢く舌が体内に侵入してきて千夜は背中を仰け反らした。声を漏らすまいと唇を噛み締める。息苦しさに耐えかねて吐く息が震えているのが聞こえる。
「はぁ……っ」
千夜の雄の部分が腹の下で勃ち上がり、舌の刺激から逃げようとする度に腹に当たる。
いつもの倍の時間を掛けられているようだ。昼間他の男と話をしていた事が、どうしても速水には許せないらしいと千夜は思った。自分の所有物が勝手な事をした、という速水のプライドが許さないのであろう。

千夜の孔から舌が抜かれ、窪みにジェルが垂らされた。ジェルを冷たいと感じるのは体が熱くなっているからなのだろう。垂らされたジェルが窪みを伝うのをまたじっと見ているのだろう、速水の動きが止まっている。

千夜はそう思うと羞恥に耳まで染まり、そして白い背中までも染める。
それを確認したように、そのジェルを掻き回しながら速水の指が孔の周りを撫で始めた。
焦らすようにゆっくりと入り口を解される。その指はメスを握る時とは、また違う繊細な動きで千夜の快感を引き出そうとしている。

(乱暴にしてもいいから、早く終わらせて欲しい……)
だが千夜の切ない望は、叶えられそうになかった。ゆっくり指が1本ジェルの力を借りて滑り込んでくる。
「うっ!」何度味わっても最初の挿入には抵抗を覚え体が強張る。
そして速水がどうしてこんなに、壊れ物を扱うように自分を扱うのか判らなかった。
有無を言わせず貫けば済む事なのに……
 

速水に初めて貫かれたあの時から、千夜は違和感や異物感を伴う苦痛はあったものの、身を裂くような痛みを感じる事も傷を負う事もなかった。
(腐っても医者か……)その事実を千夜はそう捉えていたのだった。

「あぁっ……」普段なら堪えられる指1本の動きに思わず声が漏れてしまった。
いつもと違う感触に体が過敏に反応を示す。そして何より孔の中が熱い、千夜は熱くて堪らなかった。
「ホットジェルだ、気持ちいいだろう?」
後ろから耳たぶを舐めるように、そう速水に囁かれた。

低い速水の声と蠢きだした孔の内側の感触に体中が粟立つ。新たなカウパー液が糸を引いて、シーツに落ちるのを、両手を突いた隙間から千夜はただぼーっと眺めていた。
3本の指で解された孔は自分の意思に反して次に訪れる灼熱を待ち望んでいた。
そしてその張りのある熱の塊が後孔に押し当てられる。
「挿れていいか?」低い速水の声で必ず問われる言葉だった。千夜の体はそれを待ち望んでいる。

だが、心は毎回否定し続けていたが、ここで千夜が首を横に振ると全てが終わってしまう。三ヶ月に及ぶ屈辱からは開放されるが、弟千里(せんり)の命の綱もこの時点で離されてしまうのだ。
「挿れて下さい……」千夜はその言葉を吐く度に涙を零した。



ずっと更新できなくてごめんなさい。
その上、以前に密かに書いていた話です。
少しだけ、いつもの話と傾向が違うかもしれませんが……

ひっそりと書いていたのですが、ランキングには参加していたので
もしかしたら、以前に読んで下さった方がいらしたかもしれません。

書けない理由も後日またお知らせ致しますが、暫くの間お許し下さいね。


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COMMENT - 12

梨沙  2011, 06. 17 [Fri] 09:12

新作

HPのサイトにも覗きにいきました(*^^*)
今回のお話はkikyouさんのいう様にちょっと趣が違いますね!攻め様が医者ですか!? なんか訳ありって感じで更新が楽しみですね♪
kikyouさんにとっても何か思い入れがあるみたいな感じなので種明かしされる日が楽しみかな?

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-  2011, 06. 17 [Fri] 09:44

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けいったん  2011, 06. 17 [Fri] 10:46

鬼畜でドSなのに 人を救う医者!
kikyouさま、中々 涎滴らせるキャラではありませんか、このドクター速水は♪ ヽ(*`∀´*)ノ グヘヘヘヘ

ドクター速水のペット君の千夜も 庇護欲が そそられるのに 甚振りがいがあって いいですね~.。.:*・゚(*ゝ∀・)。.:ィィ゚.+:。

ご多忙の中 更新をありがとう♪感謝☆(人゚∀゚*)☆感謝♪...byebye☆

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-  2011, 06. 17 [Fri] 17:48

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-  2011, 06. 17 [Fri] 18:51

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kikyou  2011, 06. 18 [Sat] 01:12

梨沙さま

こんばんは(この回からのコメで大変失礼致します)

サイトの方も行ってくださったのですか!ありがとうございますヽ(゚∀゚)ノ

今回の話をここで上げるのは悩んだのですが、
今ここが停滞しているのに、多くの方が訪問下さって……
せめてと思いまして。

20回完結のお話です。
途中……(゚∀゚)怒らないで下さいネ^^;

いつもコメントありがとうございます。
ずっとお返事しなくて、ごめんなさい。

少し気を取り直してブログも頑張りたいと思っています。

この話の最初のコメ有り難うございます!!

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kikyou  2011, 06. 18 [Sat] 01:18

鍵コメ T様  二度目のビックリです!

こんばんは。

初めまして!コメント書いて下さりありがとうございます(*^_^*)

ZAIも読んでいて下さったのですか!
ありがとうございます。

どうもここで上げるには、躊躇うものがありまして……
時々違う自分になりたくなって、つい書いてしまいます。

この話も途中、ちょっと上げていいものかと悩む所ですが
手直し程度で上げて行こうと思っています。

ZAIはコメ欄も拍手も閉じていましたから、ちょっと謎のヤツだったかもしれませんネ^^;
最初は加虐的な気分で書き始めたものの、だんだんと自分の色が出て来てしまい
あれ以上はあそこでは書けなくなっていたんです。

その後の千夜も書きたいです。

読まれた話でしょうが、またゆっくり読んで下されば嬉しいです。

コメントありがとうございました*:.。☆..。.


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kikyou  2011, 06. 18 [Sat] 01:24

けいったん様

こんばんは。
(この回からのコメで申し訳ございません!)

中々浮上出来ないで、奥の手を出してしまいました(゚∀゚)

時々、とても凌辱的な話を書いてみたくなります^^;
ちょっと、違うタイプの話を楽しんで下されば嬉しいです。

危険な回の時には、頭に注意書きを付けます。
(どんだけ鬼畜なんだ(((( ;゚Д゚))))って感じですが……


「天使の箱庭」で上げるのもちょっと考えたのですが……
やっぱ止めようかな?と思ったりもしたんですが、
はっと気づきました!!

【裏】大奥という前科が私にはあるじゃないか!!って(゚∀゚)
多少の展開は皆様許して下さるのでは?と思いつつアップしました。
20話の話です。
楽しんで下されば嬉しいです。

沢山いただいているコメントのお返事もしていなくて、ごめんなさい。・゚・(ノД`)・゚・。

それなのに、今回もコメント下さって本当に嬉しいです。
ありがとうございました!

Edit | Reply | 

kikyou  2011, 06. 18 [Sat] 01:33

鍵コメ kaさま

こんばんは。

ご無沙汰しまして、ごめんなさい……。

そうなんです、すっかりバレてしまっているアレです(゚∀゚)

うん、ここと違うからちょっと悩んだんですけど
大奥という前科者だからいいかな?って自己解決しました。
最後はみなさん許して下さるかな?などと甘えています。

好きだったと言ってもらえて嬉しいです。
あの時の言葉は今でも忘れていませんよ^^
「好きな人の後姿を一瞬で見つけてしまった」
凄ーーーく嬉しい言葉です。
元気が出ます!


その後!
いいですね。きっと弟君もジョージと…………な感じだし。
今回は、貯金があるので、ゆっくりと練る時間があります。
楽しみにしていて下されば嬉しいです。

読まれた話ですが、また読んで下されば嬉しいです。

コメントのお返事もしていなくて申し訳ありません。

いっぱい有り難うございます!!

Edit | Reply | 

kikyou  2011, 06. 18 [Sat] 01:45

鍵コメ 様

こんばんは。

ご無沙汰しております(*^_^*)

手駒が無くなって、とうとうこっちで出してしまいました。
もう色々心折れる事が多くて……中々新作が書けません。

短期間でのアクセス数を見れば、読まれた方も多そうなのですが
ここは敢えて甘えさせてもうらう事にしました^^;

あちらも(笑)とても新鮮な気分で読み返しておりますエヘッ
ここも私と同じような気持ちで読み返して下されば本当に嬉しいのですが……

体調は良いのですよ。
増えた腹肉をどうにかしたい……と悩んでいるくらいです(゚∀゚)
6月から始めた仕事もとても順調で楽しんでいます。

すれ違うサラリーマンや、学生さんを腐った目で見てごめんなさい、と
心の中で謝りながら密かに観察しています^^
その中でまた何か刺激を見つけられればいいかな?と思っております。

今日はコメントありがとうございました!

再び読んで下されば嬉しいです(*゚ー゚*)ポッ

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ちこ  2011, 06. 18 [Sat] 09:51

わーいo(^∇^o)(o^∇^)oわーい
また、kikyouさまに騙されてたぁ~わーい(o^∀^o)
現在、負傷中のちこで~す(笑)
指切っちゃった(笑)
縫っちゃった(笑)
ドSの先生に惹かれて、読んでましたよ、これ・・・(笑)
ちこもこ~んな、ストイックでクールなドクターに縫い縫いチクチクして欲しかった(≧▼≦)
じっちゃんだもん(笑)萌えね~~~っ(>_<)
では、本編の続きも読めそうな予感でウキウキなちこでした~♪
あっ、お仕事頑張ってくださいね~お忙しそうですが、くれぐれも包丁にはお気を付けて!!

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kikyou  2011, 06. 18 [Sat] 23:55

ちこさま

こんばんは!

わーいo(^∇^o)(o^∇^)oわーい
また、ちこさんを騙しちゃったぁ……
ごめんねぇ。・゚・(ノД`)・゚・。

ちこさんも、ドS速水先生読んで下さってたんですね!
ありがとうございました。
そして重ね重ね失礼をば致しました^^;

やっぱね…ちょっとここでは上げにくかったの……
でも、今なかなか先に進まなくて……
許してね。
先に千尋奪還と思いつつも、本当に腐脳が働いてくれないの。・゚・(ノД`)・゚・。
(もう今日は二度も泣いてしまってるよ(゚∀゚))

うん、頑張って番外にも挑戦します!
この話には、他に2カプ出て来るので、何か書けそうです。

今後も、懲りずに宜しくお願い致します!

コメント沢山戴いていたのに、お返事なくて本当にごめんなさい。
凄く嬉しいかったです。

少しずつ、先に進むように頑張りますネ。
コメントいつもありがとうございますo(*'▽'*)/☆゚’

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