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俺、武藤駿平 24(完結)

 03, 2011 01:41
(挿ってくる……)
那月は心と躰でこの瞬間を感じていた。
好きだったからこその別れだったのかもしれない、嫌いになどなれない。
「駿平……嬉しい」
「ああ、俺も嬉しい」力強いその声は、もう3年前の駿平ではなかった。
自信を持った一人の立派な男の囁きだった。

ゆっくりと埋め切った躰と躰が馴染むのを、二人息を止めるようにやり過ごした。
「どうしよう?那月さん……」
「ん?」
「凄い気持ち良くて、俺もう死にそう」
「……今この状態で死なれても困る」
「うん、上に同じ」
「え、上……馬鹿……」
照れて文句を言う那月を見て、駿平がくくっと笑った。
「あぁ……」その震動は那月の胎内をくすぐるように刺激してしまう。

「動いていい?」
久しぶりに見る駿平は以前よりも男臭くなっていたが、優しさは失ってはいなかった。
「動いて……」
本当は自分から動かしたい程に、那月の躰も昂ぶっていたが、駿平の好きなようにしてもらおうと思って我慢していた。

駿平の熱い幹がずるっと引き抜かれ、その先端の太い部分が前立腺を擦り、那月は小さく喘いだ。
「あ……っ」
それを何度か繰り返されただけで那月は飛んでしまいそうになる。
「そんなに締め付けないで」
揶揄している訳でもない真剣な瞳がぶつかった。
駿平の言葉に違うと言うように、那月は首を横に振った。

「那月さん、愛している」
速度を増した抽挿の合間にそんな事を言われても、那月は返事したくてもきちんとした言葉が出て来ない。
「やぁっ……」
段々と激しくなる腰の動きは、言葉にならない嬌声で相殺されてしまう。
「しゅん……」
名前くらいはきちんと呼びたいのに、駿平はそれすら許してくれない。

「那月さん……俺、もう達きそう」
少し情けない顔で先に駿平が根を上げてきた。
「ぼ・僕も……だめ……」
那月の言葉を聞いた駿平が、その手に指を絡めて来た。
存在を確かめるように、指に力を籠める。
填められたばかりの指輪が、少し隙間を作り那月の指に飾られていた。

「一緒に達こう?」
そう那月に声を掛けると、駿平は深く浅く那月の感じやすい所を擦るように激しく腰を動かす。
「あぁぁっ、駿平……」
「那月さん……那月さん……那月」
同時に駿平の手で扱かれ、前も後ろもこれ以上ない程に感じ那月は達した。
躰の奥に駿平の熱く迸る飛沫を受け止めた。

「あぁ…………」
射精後の余韻に酔いしれるように那月は、小さく細い喘ぎ声を漏らした。
肩で大きく息をしながら呼吸を整える駿平の体重を、躰で受け止め那月も呼吸を整えていた。
お互い余裕のないSEXは初めての夜を思い出させる。

一度射精して萎えた駿平の躰が、回復するのに間は掛からなかった。
若さだと思いながらも、今はその若さに引け目を感じる事なく、那月はその事実を受け入れた。
「俺、今夜10回くらい出来そう」
「いや……流石にそれは無理だから」と那月も笑顔で返す。

那月に体重が掛からないように、手を突いて躰を支えながら駿平が喋り出した。
「俺は、ずっと自分に自信が無かった、那月さんを幸せに出来る自信も無かったし……」
「僕は、駿平に幸せにしてもらおうとは思っていないから……二人で一緒に幸せになればいいと思う」
「うん、俺もそれに気づいた。ずっと那月さん……那月に会いたくて堪らなかった」
「僕も、別れた事を毎日後悔していたけど、追ってはダメだと言い聞かせていた」

「日本に戻って来て、直ぐに此処に来たんだ。もし誰かと一緒に暮らしていたらどうしよう?って凄く怖かったけど、那月の指にあの指輪を見た時に俺は……」
「俺は?」那月は、言葉を止めた駿平を促した。
「俺は、凄く嬉しかった!」ぶっきら棒に子どものように駿平が言い放った。

那月は新しい指輪が填められた指を、目の前にかざした。
見ているだけで、口元が緩み幸せな気分になってしまう。
「後で、アメリカでの面白い話をたっぷり聞かせてあげる。聞いてくれる?」
「うん、聞きたい」
「その前に……」
胎内でがちがちに回復した駿平を感じれば、その次の言葉は聞かなくても判る。

夜のうちに何度も離れていた時間を埋めるように躰を繋いだ。
貫かれる数だけ時が戻るような気がしたが、それは間違いだと気づいた。
離れていた3年間は何があっても、取り戻せはしない。
でもその3年を無駄にするつもりはなかった。

「那月……俺とずっと一緒にいてくれるよね?」
「もう逃げ出さない?」
「那月が追い出さなければ」そう言われて那月の顔が少し曇った。
自分が追い出したんだ……
凹んだ那月の頬に、そして額にキスをしてから「冗談だよ。俺たちにはこういう時間が必要だったんだよ。俺たちの3年間は無駄じゃなかった筈だから……」
駿平の言葉を聞いた那月は何だか、駿平だけが大人になったような気がした。

「そんな顔しないで、俺は那月がいたから、頑張れたんだ」
駿平の胸はとても温かい。
那月は二度と離れないと心の中で誓った。
「少し痩せたね」
那月の指輪を弄りながら言う駿平の胸に、強く額を擦りつけながら那月は頷いた。


BOX95」の佐久トモ様よりイラストを頂戴致しました。
途中二人が別れてしまい、紹介するのが遅くなってしまいました。
オンマウスで画像が少し変わります(*^_^*)
素敵な駿平と那月を有り難うございました!!

イラストの版権・著作権は「BOX95」の佐久トモ様にありますので
無断転載・複写はしないで下さいね。




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最後までお読み頂きありがとうございました。
この回をもって「俺、武藤駿平」は終わりです^^
特に目的がなく、だらだらと書いてしまった話でしたが、
沢山の方に読んで頂き幸せです。

今後は……
千尋奪還も頑張ります!
それと、10万ヒットのキリリク(無理矢理お願いしました(*^_^*))である
「この世の果てで」の拓海の誘い受けにも挑戦しようと考えています。

誘い受け……?さ・誘えばいいのね?(笑)
誘わなくても、いつでも襲われていそうな拓海ですが、
何とか瀬田を誘惑してみたいと思っています。

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COMMENT - 3

梨沙  2011, 06. 03 [Fri] 11:58

お疲れ様です

無事に終わって何よりです(^O^)
3年間は無駄ではなくて良かった~ これからもLove v(* ̄▽ ̄*)〃▽〃)Loveでいてね☆彡

Edit | Reply | 

けいったん  2011, 06. 03 [Fri] 12:07

完結 お疲れさまでした( *・ω・)*_ _))ペコリン

駿平は 最後まで 一途で ”男”でしたね♪
これからも ちょっと 不安性で頼りない那月を しっかりと支えて行くんだろうな♪ラブ(*-ェ-(-ェ-*)ラブ♪
めでたし~めでたし~♪⌒ヽ(*゚ω゚)ノ ヤッターッ!

佐久さまの絵 とっても 二人の雰囲気が出て 素敵です♪
佐久さまは 多才で 小説もですが、絵の方も 色々な雰囲気の絵を描かれて 凄い人ですねΣ(o゚д゚oノ)ノ凄ッ!

梅雨入りして 天候が不順な日が 続いてます。
kikyou様、体の無理の無いように 適度に 頑張ってね゚.+:。LOVE゚・*:★⌒ヾ(-ω・*)...byebye☆

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NK  2011, 06. 03 [Fri] 18:21

完結おめでとうごさいます。
あま~い最後で堪能しました。
一途な駿平くんに惚れぼれですv-238

年上強引系攻ではなく、年下攻めという設定にどうなるのかなぁ
と楽しんで、堪能しました。

緊迫の千尋くんの今後の展開をドキドキ・ハラハラと待ち、
誘う必要がない強引系攻めを、腰砕けにするような色っぽーい誘いを
奥ゆかしく儚い受けたんが頑張ることを期待していま~す♪

でも、でも、kikyouさんは無理なさらずのんびりペースでどうぞ。

Edit | Reply | 

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