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俺様な姫と二人の侍 3

 22, 2011 00:16
「ねぇ、木崎君って、ああ海君の方ね。彼女とかいるのかなぁ?」
と聞いてきたのは―――佐藤か田中か鈴木そんな名前の女子学生だった。
「知らない……」
『彼氏なら居るけど』と大地は言えなかった。

「えーあんなに仲いいのに知らないって事は居ないって事なのかなぁ?」
「さあね」大地は口角を少しげて答えた。
「海君の事狙っている女子って多いのよねー、だから競争率高くて……」
「ふーん、そんなにモテるんだ海の奴」
「あったり前じゃないの!将来プロ野球選手よ、超お買い得じゃないの」
だから今のうちにツバ付けておこうと思う女子が多いんだとも言った。

「でもこの前、ミス文学も振られたっていう噂だし……私なんかじゃ……」
『あー面倒くさい』
「ねぇ俺もう帰りたいんだけど……」
「あ、ゴメンね、何か情報あったら教えてね」
とその女子は出て行ったが、何だか気分悪い。
最近はそういう女子が大勢大地の所に同じような事を聞きに来るのだ。

「そんなの自分で聞けよ」
ブツブツ言いながら帰り仕度をしていると同じ学部の飯島が寄って来て「何、大地告られてたの?」と揶揄するように言って来た。
「海の事だよ!」余計ムシャクシャするし。
「ああ、木島兄弟は人気二分しているからな、俺は大地の方が好みだけど」
「ふん……お前もウザイ」

 帰ろうとする大地の肩に腕を回して来た。
「なぁ大地~」大地の耳に息を吹きかけるように甘えて来た。
「放せよ!」そう言ってキッと睨み付けると「あーその目ゾクゾクするなぁ……」
飯島は肩に回した腕に力を入れて自分の胸に引き寄せようとした。反撃するには体勢が少し悪い。

「大地!」空の声だ。
「大地帰ろう」
「おう、今行く」大地は飯島の腕を振り解き空に駆け寄った。空が冷たい目で飯島を睨み
「君、大地にやたらと触らないでくれる?」と言った。
その言葉に飯島が大げさに肩を竦めて教室を出て行った。

「彼は?」「あ?経済の飯島」
「そう、駆除リストに入れておいた方が良さそうだね」
「はあ?駆除リスト?何それ」「大地の周りで大地を狙っている奴らのリストだよ」

「何でそんなリスト作る必要あるんだよ?」
「大地を狙う男や女子を排除する為、大学になってから急に人数増えて大変なんだから……」
「誰も頼んでないよ、そんな事」
「駄目だよ、大地は俺と海の大事なモノだからね」
「人を物扱いするなよ」頭に来て思わず右手を出したがその手は簡単に押さえられた。
そして頭を両手で押さえこみ唇が近づいて来た。
「んん……」大地は誰も居ないとはいえ、まさか教室でキスされるとは思わなかった

空の舌が口の中を蹂躙する。キスは海よりも空の方が上手い、と言うかシツコイ……
キスだけで息が上がった大地に「姫・・続きは夜ね」と空が囁いた。
「ざけんじゃねぇ!」肩で呼吸を整えながらそう吐くと。
「覚えておいて、俺たちは姫が思っている以上に嫉妬深いからな」
「お前らに嫉妬される筋合いはないよ!」
「ふーん、そんな事言っていると大変な目に合っても知らないよ」

 実際、空と海で何人かの男を退治してきた。
大地は気づいてないが、大地の性格はともかく見た目で性の対象として見る輩が結構いるのだ。
薬学部首席で、一癖ありそうなインテリタイプの空と野球部で活躍していて、順調に行けば来年1位指名されるであろう爽やか青年の海。

 あまりにタイプが違う為に、一卵性双生児だと気づかない奴も多かった。
基本のパーツ、身長は同じだが、スマートで長髪の空と野球で鍛え上げた逞しい体格でスポーツ刈の海とでは受ける印象が全く違うらしかった。

 こんな二人にガードされていれば悪い虫も簡単には寄って来れない。
「ふん、俺を大変な目に合わせているのはお前らだろう?」
「それより今夜海の奴、野球部の飲み会で遅いんだって、もしかしたら帰れないかもしれないよ」
運動系の飲み会は半端じゃない、吐くまで飲み続けているのが常だった。

「ふふ・・今夜は俺と姫の二人だけだな……」
『姫と言うあたりがヤバイ……』
「この前試作した薬試してみようかな?」
「はぁ?勝手に試せば」
「ああ、ありがとう。そうさせてもらうよ」
『ん?なんで俺に礼言うんだ?』空の意図がまるで判っていない大地だった。


「空、この薬って違法ドラッグとかじゃないよな?」
「はあ?将来の薬剤師が違法ドラッグなんか使う訳ないだろう?」
「でも何か熱いんだけど……」
「これはさっきも言ったように、俺が作った薬だから安心して」
「……やっぱ安心できないかも?」

「おお、結構とろとろになっている」
「あっ!掻き回すなよぉ」何か情けない声だ……空の指が触れる所が熱く疼く。
「なに……これ?」大地は思わず腰を振りたくなり、モジモジしてしまっている。
「基本は生薬だから、体にもいいから安心して」空はそう言いながら、指を2本に増やしていた。
「あぁ……気持ちイイ……」

 付き合いは長いけど、こういう関係になってから長いわけではない。
こいつらと体を合わせるようになってから、これが4回目だった。
そして空だけってのは初めてで何か違う意味新鮮な気分だった。
ストレートでグイグイ押して来る海と違って空は変化球で攻めて来るタイプだ。
指がイイ所に当たりそうで、逸らされる。
「ああ……空!」
「可愛くお願いしないと触ってあげないよ・・」
「くそっ!」中に塗られた薬がむず痒く熱い。

「空!もういい、指抜いて挿れろ!」
「駄目だよ……お願いしないとこのままだから……」大地は相変わらずムズムズして腰を動かしている。それでも焦らされてイイ所を避けられてしまう。

「ああぁ……そら~もう……」
「ちゃんと言って」
「お・おねがいします……ちゃんと触って……」
「姫可愛い……」
「あああぁぁ……あん……」空の指が3本に増やされ、更にイイ所を優しく擦った。
「空……熱いよー、もっと……」
「大分薬が効いてきたみたいだな」
今回の試作品は大成功だ、と内心ほくそ笑みながらそっと指を引き抜き、自分の熱くなった杭にゴムを被せずぶずぶっと先だけを押し込んだ。
「ああああ―――」
「姫……イイ?」

「あっあっ……あぁぁぁ……もっと奥まで挿れろよ!」
 すると、入ったばかりの空の杭がつつっと出て行ってしまう。
「あぁ……バカ、抜くなよ!」「何て言うんだっけ?」
一瞬唇を噛みながら止めてしまおうかと思った大地だったけど、やはりこの疼きを止めてもらうには言うしかない
……

「空……お願い……挿れて下さい……」とお願いした途端、ぐいっと杭が打たれた。
「あああああぁぁ―――」大地の嬌声に満足気に空の杭は一気に奥まで押し入って来た。
「あぁぁ……あん……あん……ああああああああぁぁ―――」
もう大地の口からは嬌声と喘ぎしか発せられではいなかった。

 それからどの位の時間が過ぎたのだろう?大地は散々焦らされ啼かされ登りつめさせられた。
ぐったり横たわる大地を横抱きにして風呂に連れて行き綺麗にしてくれる……
湯船にのんびり浸かりながら「なあ空?お前は薬剤師になるのか?」
「一応資格は取るつもりだよ、製薬会社の研究員になりたいし」
「ふーん……海はプロ行くつもりかな?」
「どうだろう?大地と離れるのが嫌だから止めるかもよ?」
「えっ?何で?」
「シーズンになると、あっちこっち遠征に行くからなぁ……」

「俺たち、いつまで3人でいられるんだろうな?……」
「今日は何だかしおらしいな?どうかした?」
「……別に」
 大地は何かの発作が起きるように時々胸の奥がキュンと淋しくなる時があった。
特に理由やきっかっけが無くて急に……本当に何かの発作のように。

「大地が望めばいつまでだって一緒に居られるさ」
「……望まなければ?」
「望まなくても、俺らは大地と離れないから!」
少し怒ったような空の声に少ーしだけ安心して
「空、髪洗って!」
「空、風呂から出たらプリン!」
「空、後で耳掻きして!」
「空、空、俺を捨てないで……」


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