2ntブログ

スポンサーサイト

 --, -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【夏蛍】深雪

 02, 2011 01:04
その視線の先には固く秘めやかに閉ざされた蕾がそっと息づいていた。
畠山はどう見ても、深雪が昨夜男のモノを受け入れたとは思えなかった。
深雪の蕾はまだ男など知らないように慎ましかった。

会えなくて寂しく苛立っていたのは深雪ばかりでは無かったのだ。
ただ畠山は色々な手続きや引越しの準備、新しい家具の手配などで忙しく、
プライベートの殆どの時間をそれに費やしていたのだった。

『この部屋で初夜の時のように深雪を抱きたい』
旅先とはいえ、簡素なビジネスホテルで抱いた事を深雪に申し訳なく思っていた。
そしてその願いを自分の手で壊そうとしている自分に気付いた。

「誰かに触られた?」
その言葉に深雪は自分では違和感は無いが見れば判るのかもしれない、と体を一層固くした。
「・・・先輩・・許して・・」
それはこの体勢の事なのか、それともやはり誰かと繋がりを持ったのか
畠山には理解出来なかった。

「あぁぁっせんぱ・・・」
畠山は舌で深雪の蕾を突付いてきた。
『固いな・・・』その蕾は畠山を拒否するように舌先を跳ね返してくる。
「夕べ・・誰と何処にいたの?」もう一度畠山は聞いてみた。
「ど・・同期の・・あぁ・・鮫島と一緒でした」
深雪が答える間も畠山の舌は蕾を解すように蠢いていた。

「何をしてたの?」唇を離さないで聞くからその吐息をもろ下半身で受け、
くすぐったい感触に深雪はまた違う快感を覚えた。
「一緒に・・飲んで・・僕飲みすぎ・・て・・・やぁぁっ・・酔っ払ったみたいで・・鮫島の部屋に泊めて・・・もらいま・・した。あっ・・」
尖った舌が少しだけ蕾の中に押し入ってきて、深雪は逃げようと身体を捩ったが、畠山の手は深雪の腰を掴んで離さない。

「それから・・・?」
「気がついたら・・もう朝で・・僕は・・裸だった・・先輩ごめんなさい」
そこまでやっと言えた深雪の瞳からは後から後から涙が溢れて来てしまう。
「何があったか覚えてないの?」少々呆れて畠山はそう聞いた。
「は・・はい・・・何も・・・くっ・・・」
久しぶりに畠山に触られる身体は心とは裏腹に敏感に反応を始めていた。

「そう・・・ここに挿入された?」
「わ・・判りません・・」嗚咽と一緒にそう返事が返ってきた。
「そうか、じゃもう少し、じっくり検査しないと判らないな・・いい?検査するよ?」
もう畠山の目は怒ってもいなかったし、その口元は緩んではいたのだけど、深雪からはその様子は全く伺う事が出来なかった。
「・・はい・・お願いします」そう言い深雪は恐ろしさのあまり身体を小刻みい震わせていた。

畠山の肉厚の舌が改めて蕾を弄るように動き出した。
「あぁぁ・・」ぞくぞくとする感触はもう快感と呼べるものだった。
久しぶりの逢瀬がこんな状況にも関わらず、深雪は自分の恥ずかしい場所に唇を這わせているのが畠山だと思うと、それだけで絶頂を迎えそうなほど心が悦んでいた。

怒っていると思っていた畠山の動きが想像以上に優しくて、深雪は何故か涙が零れてきた。
指先で淵をなぞるような動きに代わり、その感触に深雪の腰が跳ねた。
「感じやすい体だね・・」
その言葉は揶揄されているのか、責められているのかさえ深雪には理解できなかった。
「こんなに勃ち上がってる」そう言いながら深雪の裏筋につつーっと指を這わせた。
「やぁぁっ触ったらだめ・・」
「どうして?じゃ・・・深雪が望んでいる事をしてあげるよ」
深雪が何?と返す言葉よりも早く畠山の熱い口腔に含まれ、深雪の口からは再び嬌声が漏れた。

「だめっ、いっちゃう・・」
あの日畠山に抱かれてからもう、二ヶ月以上経っていた。
深雪の中に溜まりに溜まった欲が放出を求めて悶え狂っているようだった。
「あぁぁ先輩・・だめ・・いくっ」
だが解放の寸前にその熱は畠山の手によってぐっと封じ込められた。
「やぁぁぁぁぁ」
畠山は手を緩めずに体を上にずらし、深雪の顔の近くに寄せた。
「ひとりでしなかったの?」あまりにも早く絶頂を迎えそうになる深雪にそう問うた。
深雪は涙を溜めた瞳で畠山を見詰めふるふると首を横に振った。

「どうして?深雪の年なら溜まった物は外に出すのは当然だろう。勿論俺も大して変わらない年だけど・・・」
「先輩は?」
「俺は・・出した・・深雪の事を思い出しながら。」畠山は少し照れたように正直にそう告白した。
「僕の事を・・・?」
「ああ、深雪のイク時の顔や、声や、肌を思い出しながら自分でした」

「せんぱい・・本当に?僕の?」
「ああ、だからまたイク顔を見せて」
と近づいた唇は返事を返す前に塞がれ、その口付けに酔っている間に畠山の右手が深雪のペニスを上下に扱き始めた。
「んんん・・・っ」畠山の動きを止めようとしても、唇は塞がれたまま動きがとれなかった。

「あぁぁぁぁっ」逃れるように離れた唇から嬌声が漏れ、深雪は足の指をくーっと反らしながら溜まった精を吐き出した。
深雪はガクガクと震える腿も揺らめく腰も、畠山の手の内にある熱も自分の全てが何故か愛しかった。
「先輩・・好きです、でもごめんなさい・・僕鮫島と・・」
「うん知ってるよ、鮫島とは同じベッドで寝ただけだって事」
「えっ?そうなんですか?」

間の抜けた深雪の問いかけに思わず畠山は失笑してしまい
「自分でSEXしたかしないか分からないのかなぁ?」と呆れた口調で言った。
「だって・・朝起きたら裸で・・鮫島も裸で・・あ、鮫島は下着は着けてたけど・・」
「だからやっちゃったと思ったの?」
畠山の優しい声に深雪は泣きそうな顔で頷いた。

「大丈夫だよ、深雪の大事な所は以前のまんまだ・・」
「良かったぁ、先輩まだ僕の事・・・?」
深雪の問いかけに「続きしようか?」と畠山が微笑んだ。
「はい・・いっぱいして下さい」
深雪はずっと言えなかった事をやっと強請る事が出来た。

「俺としたかった?」
「・・・・はい」
「俺も早く深雪を抱きたかったよ、この部屋で」
「この部屋で?」
「ああ、もう少しして落ち着いたら深雪もここに越しておいで」
「いいの?僕が引っ越してきていいの?」
そう聞く深雪の瞳には嬉し涙が溢れんばかりに溜まっていた。

「勿論、深雪と暮らすために用意した部屋なんだから」
「でも会社の先輩たちが、先輩結婚するから此処を買ったんだって、噂してました・・」
「・・・・するよ」
「・・・・・・・」
「深雪と、ずっと一緒なんだから結婚するのと同じだろ?」

「せんぱーい」そう言うと深雪はヒックヒックと嗚咽を漏らし始めた。
「ばか、泣かなくっても・・・」
子供みたいに嗚咽を漏らす深雪を胸に抱き締めて、
畠山は「これから宜しくな、愛してるよ」と囁いた。
「はいっ・・・」それ以上言葉の出ない深雪に優しい口付けをしかけた。


「深雪・・・深雪・・・」
畠山は唇を離す度にそう何度も愛しそうに深雪の名前を呼んだ。
そして深雪の故郷の真っ白い雪を思わせるような白い肌にも愛を刻んでいった。


<おわり>


ランキングに参加しています。
ぽちっとして下されば嬉しいです。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村



関連記事

WHAT'S NEW?