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番外 ひとつの旅立ち 中編

 16, 2011 04:01
「拓海、本当にあれで良かったのか?」
「はい……」
裁判所を後にしながら、瀬田が聞いてきた。
拓海は、自分も同じ立場なら佐久間と同じことをしたかもしれない……と佐久間を擁護するような発言をしたのだ。佐久間の罪状は殺人未遂ではなく、傷害罪である。おそらく執行猶予が付くだろうと弁護士は言ったが、拓海はそれで良かった。

拓海の母は病弱だったけど、拓海を愛しんでくれた。だが佐久間の母親は違った。もし自分が佐久間と同じ立場だったら同じように道を踏み外していたかもしれない。

「お前は強いな……」
瀬田はハンドルを握りながら溜息混じりに吐く。
「あなたの……あなたの血が俺の体の中に流れているから……」
刺された時に出血が多かった拓海に瀬田は輸血をしてくれていたのだ。

「拓海、午後半休にしてあるよな?」
「あ、はい。半休の届けは出してあります」
どのくらい裁判に時間がかかるか分からないので、仕事の予定は入れられなかったのだ。でも今から戻ったらまだ少しは仕事が出来そうな時間だ。

「よし、俺も半休だ」
瀬田はそう言うと、突然ハンドルを左に切り、ホテルの前に車を停車させた。
「どうしたのですか?」
「家まで持たない」
「体調でも……?」
「拓海があまり可愛い事を言うからだ」
「はい?」
さて自分は何か可愛い事を言っただろうか?と首を傾げてしまう拓海だ。

結局瀬田は部屋をリザーブして、その無駄に広い部屋の無駄に広いベッドに拓海を押し倒した。
「な、何……」
「何ってやる事は一つだろう?」
「明るいうちから……」
会社に戻って仕事しようかと考えていた拓海にとっては、瀬田の行動は全く予想しなかった事だった。

「お前の中の、俺の血は騒がないのか?」
至極真面目な顔で瀬田がそんな事を囁いた。
「あ……」
拓海はさっき自分が言った言葉が瀬田に火をつけてしまったのだと、やっと気づいた。
自分が刺した男が裁判に出廷した帰り道、まさか男と同衾しているなどとは佐久間も考えもしないだろう。佐久間は未だ拘束された身だ。


一瞬集中力を欠いた拓海の目を瀬田が覗き込んで来た。
「欲しがるのは俺だけなのか?」
そんな瀬田が可愛く愛おしいと思うと、拓海の口元も綻びてしまう。

「俺も、あなたが欲しいです。凌牙……あなたがいてくれるから俺は強くなれる」
「馬鹿……お前に挿れる前に俺をいかせるつもりか?」
拓海は、そんな瀬田の首に下から手を回し自分に引き寄せた。優しい唇が降りてくる。重なる寸前に愛を囁く唇に拓海は吸い寄せられる。

今まで何度も重なった唇が心地よくて拓海は静かに瞼を閉じた。
拓海の欲を引き出すように、口腔を蹂躙する瀬田の舌は優しくて熱い。
「あぁ……」
拓海の漏れる吐息までも絡めとられてしまい、だんだんと息が上がってしまう。

瀬田は唇を付けたまま、拓海のネクタイを緩めシャツから抜き取る。まだお互いに背広を着たままの状態で飢えたように貪り合いながら、お互いのシャツのボタンに指をかける。
まるで数年ぶりに再開した恋人同士のようだと拓海は口元を緩めた。

「余裕だな?」
そんな拓海が気に入らないのか、瀬田が不満そうに言った。
「いえ……一緒に住んでいるのに俺たち何やっているんだろう、って思って」
「そうだな……だけど俺は24時間365日、拓海に飢えている」
拓海は、瀬田の言葉と尖りを摘む指先に酔いしれた。
「あぁ……凌牙」
いつの間にか拓海の腕から抜かれた白いシャツがベッドの下に落ちていた。まだ乱されないズボンの中で拓海の欲望が頭をもたげ、窮屈そうに解放の時を待っていた。

「凌牙……」
瀬田の声や指先だけで感じるようになった拓海の体は、会社で遠くから垣間見ただけで熱くなる事もあり、拓海を悩ませている。
ネクタイをきっちり結んだ瀬田の姿は、凛々しくてとてもセクシーだった。
そのネクタイは抜き取ったが、シャツのボタンを外す事は途中までしか出来ていない。早く瀬田の素肌に触れたいと願いながらも、拓海は翻弄されっぱなしだった。

「あぁ……」
指先で弄られていた尖りが湿った唇で濡らされる。気持ち良くて縋るような視線を瀬田に向けた事が恥ずかしくて、拓海は目を伏せた。

瀬田は胸に舌を這わせながら器用に拓海のベルトを外し、前立てをくつろげる。
いつから自分はこんなに貪欲になってしまったのだろう、瀬田の次の行動が待ち遠しく腰が揺らいでしまう。
「欲しいか?」
「あぁ……あなたが欲しいです」
「いい子だ」
拓海の素直な言葉に、瀬田は満足そうに口角を上げながら、下着の中に手を差し込んだ。

待っていた瀬田の大きな手のひらに包まれた拓海のペニスからは歓喜の涙が零れる。
「拓海、すごく濡れている」
「いやだ、言わないで……」
恥ずかしさに拓海の腰が少しひけそうになったが、瀬田はそれを許さず零れる涙ごと口腔に収めた。

「ああぁっ」

拓海がシーツをぎゅっと掴んでその快感を逃そうとした。だがそれに気づいた瀬田がその指に自分の指を絡める。それだけで達してしまいそうになり拓海は瀬田から逃れようと腰を引いた。
「俺の前では何も我慢するなと、言っているだろう?」
そう言ってから改めて口腔深く咥えられ、拓海はあっけなく白旗を上げてしまった。

「凌牙……」
色々な意味泣きたくなる。
達したばかりの拓海の後ろに瀬田の指が這う。
「やあ……」
余韻の残る体に容赦ないように瀬田の指が入口をゆるゆると解しにかかった。



◇すみません、寝落ちしていました。中途半端ですが一度更新



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COMMENT - 3

-  2011, 11. 16 [Wed] 14:32

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梨沙  2011, 11. 16 [Wed] 21:51

キャッ(^^*))((*^^)キャッ

久しぶりの瀬田×拓海のカップにあえて嬉しいです。
瀬田さんの愛しいという気持ちは今だ衰えることなく健在で(⌒~⌒)ニンマリです
後編も楽しみにしてます(*^.^*)

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-  2011, 11. 17 [Thu] 00:45

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