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立夏とふたりの野獣 10

 24, 2011 00:00
掠めた唇が舞い戻って来た。だが立夏は微動だにしない。
「目つぶれよ」
徹の言葉に立夏は無意識に瞼を閉じた。何故素直に従っているんだろうと、もうひとりの自分が問い掛けた時に徹の頭が揺れた。その衝撃が触れた唇から立夏に伝わる。

「何やってるんだよ」
「あ…っ」
低い声に立夏は我に返り、徹は悪戯が見つかった時のような、罰の悪そうな顔を見せた。

「早かったな」
徹はしれっとして答えるが、立夏は怖くて慶吾の顔を直視できなかった。

「だから何やってるんだって聞いているんだけど?」
さっきよりは幾分落ち着いた声だったがそれでも立夏には充分怖かった。

立夏の視線の先にはさっき徹に見せられた雑誌が、頁を開いたまま投げ出されていた。

「あ…っ」
立夏はこの時やっと今までの辻妻が合った気がした。考えなくても慶吾と徹の関係は最初から不思議だったのだ。

二人があの雑誌のような関係なら今慶吾が怒っているのも理解できる。

(もしかして浮気現場を押さえられた?)
「先生、違うんです」
立夏は何とか言い訳をしようと顔を上げた。
実際浮気などとは違う気がする。だからと言ってさっき唇が重なったのは事実だし、まだ僅かに感触も残っている。「立夏は黙っていなさい。「徹俺は手を出すなって言ったよな?」
「だから…先生ごめんなさい。僕が変な事言ったから」
そうだ、自分が割のいいバイトをしたいと言ったばかりに…

そこで立夏はふと考えに息詰まった。どうしてバイトの話からキスに発展したのか分からない。

「徹さん、どうして僕にキスなんかしたんですか?」
「立夏が可愛くてキスしたかったからじゃ駄目なのか?」
「駄目に決まってるだろう」
「いてっ…」
徹の言葉が終わらないうちに慶吾が、徹の固そうな頭をペシッと音を立てて叩いた。
「ちっ…」そんな慶吾が立夏に向き直り胸に抱き寄せた。
「怖かったね立夏、こんな武骨な男に襲われて」

訳の分からない事は二度続いた。立夏がぼぅっとしている間に、慶吾の唇までもが立夏の唇に触れた。

(あぁ徹がキスした罰はキスなのかぁ…)立夏は漠然とそういう結論になった。

「ご馳走様」
慶吾が厭らしく自分の唇を舐め上げた。
「ふ、二人とも何やってるんですか!痴話喧嘩の当て馬になんかしないで下さい」
「当て馬?」慶吾が口の中で復唱し、徹は黙ってニヤニヤしていた。

「ふ~ん、それより慶吾帰って来るのが随分早いんじゃないか?」
徹に言われ

て立夏も昼飯には戻れないと言っていた慶吾の帰宅を訝しく思った。

「ああ、前野さんの事を立夏が気にしていたみたいだから…」
慶吾の言葉に立夏はまた慶吾の仕事の邪魔をしてしまったとうなだれた。




すみません、最近萌え枯渇しているみたいですね。補給の旅に出た方がいいのかな?とちょっと悩み中



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