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ラストダンスは貴方と 15

 31, 2011 02:45
 玲の反応を見たアキトは執拗にその箇所を攻めた。
「あ……っ」初めて喘ぎらしい声が漏れ、アキトの頬が緩む。
「玲、気持ちいいか?」
「やだ……」もう自分は気持ちいいという感情を忘れているのかもしれない、そう思ったが少し芯が通った自分の体の変化に戸惑う。
体だけが先に行き、心が置いていかれそうで不安になる。

「玲、今お前が俺の事を何とも思っていなくても、俺たちが愛し合っていた事は事実だ。俺を受け入れろ」
玲は、自分の後孔から厭らしい水音がするのを息を潜めるように聞いていた。
「早く入れろよ」自分もアキトも追い詰める言葉をわざと吐く。

 アキトがジェルを追加しながら、3本目の指を挿入してきた。そこから意識を逸らそうとして玲は喘ぐ代わりに唇を噛み堪えた。
例え過去に受け入れた事実があっても、もう何年もそういう行為に使っていない体が軋む。
早くしろと何度言ってもアキトは慎重に玲の体を解していた。それが死にそうに恥ずかしい。過去の自分は余程この男を好きだったか、鈍かったかどちらかだと玲は思ってしまった。

「挿れるぞ、自分で膝裏を抱えて」
 玲は煽った手前素直に従うが、その体勢はとても卑猥で、恥ずかしかった。
ちらっと見るとアキトの体はもう充分に、勃ち上がり先走りの密を零していた。玲の視線を感じたのかアキトが少し口角を上げる。
「お前が、いつも欲しがったやつだ」そう言うと切先を押し付けた。
「うっ……」その熱と、これから始まる行為に自然と体が強張った。

「力抜かないと辛いぞ」
 力の抜き方なんか知らない……だけど、切先が埋められた時に玲は自然と受け入れる体制を取った。
(体が覚えていた……?)
アキトがゆっくりと腰を進める。
「う……あぁっ」異物感と違和感に生理的な涙が零れた。だがアキトは止まる事なく玲の胎内に全てを埋め切った。時間を掛けたが最後まで玲が激しい拒絶を見せる事は無かった。

「玲……」アキトの声が熱い。感激で上ずっているようにも聞こえる。
「大丈夫か?苦しいか?痛くはないか?」玲が返事をする暇もなくアキトは沢山の言葉を投げかける。そのひとつひとつに玲は首を振るが、本当はその震動にすら体が悲鳴を上げそうだった。

「せっかく、ちょっと元気が出てたのに……」挿入の苦痛で玲のペニスはすっかり元に戻っていた。
「可哀想にな……余程ショックな事があったんだな」まるで子供の頭を撫でるように、アキトが玲のペニスを撫でる。
「玲の中は相変わらず、狭くて熱くて気持ちいいな……」
「恥ずかしい事をさっきから……早く動けよ」
「言われなくても動くよ」きっとアキトも動きたいのを我慢していたのだろう、玲の言葉に背中を押されるようにアキトは腰を動かし始めた。

「あ……っ」内臓まで持って行かれそうな感覚に自然と声が零れてしまう。
そして押し戻される感覚に又唇が小さく開く。
アキトは静かに、そして確実に玲の中を擦り上げて行く。
「あぁ玲、凄く気持ちいい……やっと玲を抱けた」

 やがてゆっくりながらも、玲の感じやすい場所を集中的に攻めて来るアキトに玲は翻弄された。気持ちいいとは思わなかったが、体の反応は顕著に表れていたのだ。
「あっあぁ……」自分の口から信じられない声が漏れ、玲はその度に眉根を寄せ否定する。

「あ……熱い」人の体の熱さに玲は少しずつ強張りを解いて行った。
(玩具とは違う……)
(えっ?)今自分は何を考えた?何を思い出した?
「怖い……アキトもっと強く抱いてくれよ」玲は何かに怯えるようにアキトにしがみ付いた。
「玲?」急な玲の変化にアキトも訝しむ目を向けるが、しがみ付いた玲の顔までは見えなかった。

「もっと、強くして」玲の言葉に、アキトも大きく腰を振った。
ばんと打ちつける、肌の触れ合う音が寝室に響いても玲は顔を見せようとはしなかった。
そんな玲を無理やり剥がして、唇を貪った。
玲もアキトに応じるように舌を絡めて来る。


 彰人と会えるのは、月に1・2度だった。
明日の日曜日には久しぶりに会える。逸る心を抑えながらバイトをすませ家に戻った。戻る途中に母親が旅行で留守だと思い出した。そんな家には本当はあまり帰りたくなかったが、部屋には大事な物が置いてある。彰人とデートする時には必ず身に付ける指輪だった。
 プラチナに彰人の誕生石のサファイアが埋め込んであるオーダー品だった。それは決して女性的では無く、中性的な雰囲気で玲もとても気に入っていた。

 明日の支度をしたら、友だちの家かネカフェにでも行こうか?などと考えながら部屋に戻った。
義父が台所の食卓で機嫌良さそうにしているのを横目で見て、ただいまと声だけ掛け自分の部屋に入った。
 大事な物は机の引き出しの奥の箱に仕舞ってあった。嬉々としてその箱を取り出したが、違和感に不安になる。重みのある箱が、今日は何故か軽く感じ慌てて中身を確認した。だがそこにある筈の指輪が無かった。

 他の引出しも注意深く探したが見当たらない。学校に持って行く事が出来ないので、外で失くす事は無かった。几帳面な性格の玲が違う場所に仕舞う事など考えられなかった。

「いやぁ、盗品だったらヤバイと思ったけど、大丈夫だったよ」
急に背後からそんな声がして、玲は飛び上がる程に驚いた。だが義父が何を言っているのか分からなかった。
「ま、高校生には贅沢な物だ、何処の誰に貰ったか知らないが、それなりの金にはなったよ」
玲は義父の言っている意味をやっと理解し、驚愕した。
「何、どういう意味ですか?」それでも縋るように聞いてみた。
だけど、義父は玲の問い掛けには答えず、何かの箱を投げて寄越した。
「ほら、お前にも土産やるよ」

「だから、どういう意味かって聞いているだろう!!」玲は青くなりながら、義父に食って掛かった。だが詰め寄った途端に玲は左頬を平手で殴られ倒れこむ。
「ガキがあんな物持つなって言っているんだよ、それより土産開けてみろよ」平然と言い捨てる義父を睨み付けるが、玲などが睨んだ所で敵う相手ではない。

「返せよ、俺の指輪を返せよっ」
もう一度飛び掛かるが、力仕事をしている大人の男に華奢な玲が敵う筈が無かった。
「ったく、俺が開けてやるよ」玲を殴った事など何とも思わない義父が、その箱の包みを開けた。
「丁度良かったよ、あのガキもこの街から出て行ったからな、相手探していたんだよ」
玲は義父が何を言っているのか、何を玲に土産に買って来たというのか見当もつかなかった。
 だが、箱から出された物を見て、震えが来る程驚いた。
義父はそれを玲の顔に近づけ、にやついている。
「ほら、もう指輪も売っぱらったんだから、その男と別れろ。俺が遊んでやるから」
義父とはいえ戸籍上で父親になっている男の言葉とは思えなかった。咄嗟に玲は逃げようと立ち上ったが、それを義父は許さなかった。


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