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ラストダンスは貴方と 16

 18, 2011 00:00
「玲?」心が着いて来ない玲の顔を覗き込むように、アキトが名前を呼んだ。
「あ……」我に返った玲の体に埋め込まれているのは、紛れもなく熱い肉だった。それにほっと安堵の吐息を漏らす。

思い出したくないのに、少しずつ過去の出来事を思い出してくる自分の心を壊してしまいたかった。
思い出すな、と悲鳴を上げている。だけどこの熱があの日とは違うと玲に教えてくれるのだ。
「アキト……怖い」
「大丈夫だ、全て受け入れろ。そこから新たに出直せばいいんだ」

そんなに優しくされても自分はアキトを裏切っていたのだ。
本当の事を知ったら許してはくれないかもしれない。
図々しいアキトを疎ましく思いながら、いつの間にかアキトに惹かれていた事に今更気づいた。
レイジとしてアキトを好きなのか、玲として彰人を好きなのかは今は分からない。
ただ分かっているのはどちらも自分の心だと言う事だった。

「あぁ……」アキトの熱が奥を突き、内壁を擦りながら抽挿を繰り返している。
触れられていないのに固くなった自分のペニスが、悦びの涙をぽろりと零した。
それは止めどなく零れ幹を伝って草むらをも濡らす。

「何があったとしても、俺は玲を離さないからな、俺から離れるなよ」
「アキト……」
アキトは手で玲のペニスを扱きながら腰を打ちつける。
その震動に身を任せながら玲も快感に身を任せようと試みた。
気持ちいいのに心のどこかでそれを否定してしまう……。

「あぁ……」苦しい―――。


「くそっ、止めろっ」
手を後ろに回され拘束されてしまうと、力が入らない。
言葉だけで抗うがそれが楽しいのか義父は逆にエスカレートしてしまう。
くぐもった機械の音が胎内から聞こえる。

「散々男のを咥えていたんだろう。玩具が簡単に入ったぞ」
簡単じゃない痛くて堪らないのに、時々掠める場所がその痛みを和らげてくれるのだ。
「やめろ……」
根元を縛られた状態で吐き出す術もないペニスが天を向いている。
あさましさに涙が零れてきそうだったが、玲は弱気な面を義父に見せたくは無かった。

捲り上げられたシャツが首元に絡んで気持ちが悪い。そのせいで少し身じろぐと義父は嘲笑うような顔を玲に向けた。
「イキたいか?」
「ふ、ふざけるな。こんな事をしていいと思っているのかよ?」
「今夜一晩過ごせば、そのうちお前から抱いてくれって言うようになるさ」
どこまでも義父は自分本位の考えを貫く。

「うわっ」胎内の玩具の勢いが強くなり、玲は反射的に声を上げた。
「気持ちいいだろう?」
もしこの玩具が彰人の悪戯なら素直に気持ちいいと答えたかもしれない、だけど自分の脚の間で玲の秘部を覗き込み、玩具のスイッチを弄っているのは、戸籍上の父親なのだ。簡単に受け入れられる筈などなかった。

だけど、彰人に慣らされた体は玩具をも受け入れ、玲に快感を与えようとうねっている。
義父の指が玲の胸の尖りに伸びて来た。自分の重みで押し潰された腕が痛む。
義父の指を避けようとしても無駄な努力だと判っていたが、それでも嫌悪感で反射的に身を捩った。

「う……あぁ」この快感も彰人が教えてくれたものだ。
いっそ知らなければ今与えられる快感に身を任せられたかもしれない。
彰人が開発した体を他人に上書きなどされたくはない。

(彰人……たすけて……)
心の中で何度も助けを呼び、動かせない腕を妄想で天に向けて伸ばす。

「ふん、ローションなんか要らないな、こんなに濡らして」
小馬鹿にしたように義父が呟き、玲のペニスに触れて来た。
「やめ……触るな」自分の体の全ては彰人のものなんだと訴えたい。
それで止めてくれるのなら何度でも言える。ぐちゃぐちゃと卑猥な音が玲の耳に届いた。塞ぐ腕も使えない。

「イカせてやろうか?」義父が厭らしい目で玲に聞いてきた。
「触るな、お前になんか触られたくないね」
玲も負けてはいなかった。義父の前でイク事など死んでもイヤだった。今は根元を縛られている事に安堵する。

(彰人……)心の中でどれほど助けを呼ぼうが、彰人は近くにいないのだ。義父がこれ以上の行為に及ぶ前に、何とかここから逃れなくてはならない。
「まさか我が息子が男を咥え込んでいたとは、さすがの俺も驚いたよ」
だけど義父の顔は全く驚いた様子はなかった、きっと以前から気づいていて、チャンスを狙っていたような気がした。

「やめろっ……」玲が何度そう言っても、義父の手の平は肌を撫で回す。
この肌もこの体も心も義父の為のものじゃない、彰人のものだと……
「AKITOって奴に写メでも送ってやろうか?」
まるで玲の心を読んだように義父がにやついた。

「どうして……あ」義父が売っ払った指輪の内側には、自分と彰人の名前が刻んであったのだ。あの指輪の行き先が悲しい。ブランド物の指輪ならそのまま売られるだろうが、刻印のある物は素材の価値しかない。きっと溶かされ再生されるのだ。とても苦しくて辛い。


「そろそろイカせてやろうな」義父はその戒めを解きにかかった。
全身で抗う玲の願いは簡単に打ち砕かれる。そこから先は、なし崩しのように玲の体と精神は崩壊して行った。


後ろでに縛られた紐が緩んでいる事に気づいたのは、義父がしつこい電話に出る為に玲の傍から離れた時だった。

そして玲が我に返った時、自分の手には硝子の灰皿が握られ、義父がうずくまり呻いていた。
その後自分が何処をどう歩いたか、覚えていない。拘束された腕も、長い間玩具が挿入されていた体も痛い。
だが額から血を流した義父の姿を思い出すと体が小刻みに震えてしまった。



玲は2つの出来事を封印して、記憶をすり替えていた事を知った。


玲は自分の腹の上に吐精した後を見た。アキトとはまだ体が繋がったままだ。
「彰人……俺は人を殺したかもしれない」
「え……」玲のとんでもない告白にアキトの動きが止まった。



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