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「もう下がって良いよ、追って必要書類を送るから記入して持って来て」
「は・はい・・・では失礼します」
まだピンとこない顔の尾崎は言われるがまま立ち上がり、一礼して出て行こうとした。
「あ、最後に一つだけ聞いていいか?」
「はい」
「君がこの会社を受けた理由だが?」
「本当は御社の経営方針が・・と言った方が良いのでしょうが・・
私は人を探しに来ました。」
「・・・そうか、判った。書類の提出準備が出来たら連絡しなさい。
日程を決めよう。」
尾崎は自分の動機を正直に話す事で、もしこの決定が覆っても良いと思ってたのに
いとも簡単にその動機を受け入れられた事にも戸惑いを覚えた。
いったい何がどうなってるのか?
尾崎が退出するとそれまで一言も口を挟まなかった狭山が口を開いた。
「社長、私には全く理解出来ませんが?」
いつも冷静な意見を述べる狭山にしては少々感情の乱れがある言い方だった。
そして履歴書のコピーを引き抜き、
「これが彼の履歴書です。特待生なのに286番・・・」
「見せろ」
狭山からコピーを受け取ると、瀬田は家族構成を一番最初に見た。
だがその欄は空欄だった。
そして保証人の欄も空欄。
これが特待生である尾崎が286番目にしか選ばれなかった理由か?
瀬田はそのコピーを机の上に置くと、又椅子を回転させ
青く澄んだ空を見上げた。
あれから5年近く、尾崎はどんな生き方をしてきたのだろう?
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まだピンとこない顔の尾崎は言われるがまま立ち上がり、一礼して出て行こうとした。
「あ、最後に一つだけ聞いていいか?」
「はい」
「君がこの会社を受けた理由だが?」
「本当は御社の経営方針が・・と言った方が良いのでしょうが・・
私は人を探しに来ました。」
「・・・そうか、判った。書類の提出準備が出来たら連絡しなさい。
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尾崎は自分の動機を正直に話す事で、もしこの決定が覆っても良いと思ってたのに
いとも簡単にその動機を受け入れられた事にも戸惑いを覚えた。
いったい何がどうなってるのか?
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「社長、私には全く理解出来ませんが?」
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そして履歴書のコピーを引き抜き、
「これが彼の履歴書です。特待生なのに286番・・・」
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だがその欄は空欄だった。
そして保証人の欄も空欄。
これが特待生である尾崎が286番目にしか選ばれなかった理由か?
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