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罪よりも深く愛して 16

 30, 2011 00:00
「ああ―――っ」勢いよく下から突き上げられて、千夜の背中が反り返った。
それからの速水は留まる事を知らないかのように、激しく千夜を攻めたてた。
浅く深く抜き差しされ、良い所も焦らしながら突いてくる。

速水の唇が千夜の胸の尖りに降りた。
「いやだっ」今まで後ろから繋がる事が殆どだった為、千夜のその尖りはまだ未開発だった。知らなかった感触に千夜の腰が跳ねる。
「気持ちいいか?」
「ぁぁぁ……」恥ずかしい、男の自分がこんなに乳首が気持ちいいなんて……
そんな千夜にとどめを刺すように、速水は軽く歯を当てた。
「や、ああぁぁっ」その刺激はダイレクトに腰に来て、さらに繋がった孔を伸縮させる。

「千夜……お前の全てが可愛い」
速水の恥ずかしくなるような台詞も、すーっと心に染み入る。
背中にシーツの冷たさを感じ、初めて体勢を変えられた事に気付く程千夜は営みに酔っていた。
速水の動きがお互い達する為の動きに変わった。片足を肩に担がれ、より深く繋がる。

速水の手が千夜のペニスに伸びてきた。
怯えたような顔で千夜は頭を振り「駄目……直ぐ……だから駄目」
きっと数回扱かれるだけで自分は、爆ぜてしまうだろうと千夜は怯えた。
「一緒に達きたい。だから……あ……ぁ」
もう後ろだけで何度も絶頂を迎えている千夜は、最後には一緒に達きたいと願った。
「ああ、一緒に達くぞ、俺も相当我慢強い」自嘲気味な言葉が加わり、速水が大きく腰を引いた。
抜ける寸前で止められたそれは「あっ」と思った瞬間に再奥を目指した。
同時にペニスも激しく扱かれる。
「あああぁあぁぁっ……達く……爽輔さ……ん……達くっ!」
痺れる……頭も体も痺れて身動きがとれない中、速水が千夜の中で爆ぜた。
「あぁぁぁぁぁ……」同時に掠れた声を吐きながら、千夜もどくどくっと篭った熱を放出した。


真っ暗な闇に意識が葬られるようだった。
そしてその闇に中、天から真っ赤な花が降って来る。
どうして自分はいつもこの花を思い浮かべるのだろうか?
薄れる意識の中、千夜は自分に問うた。
もう、この瞬間は夢なのかそれとも無意識なのかも判らない頭で……

20101214-ryu-namida.jpg
イラストの版権・著作権は『BL脳炸裂!!』のRyu様にございますので
無断転載・転写は固くお断り致します。



『千夜ありがとう……嬉しいわ』
千夜が小学生の頃だ、10月初めの母の誕生日に道端に大量に咲いていた花を見つけ、それが簡単に手折れる事がわかり、両手一杯に抱えて持ち帰った。
一瞬驚いた顔をした母が、直ぐに嬉しそうな笑みを浮かべ、ありがとうと言ってくれた。
それが千夜にはとても嬉しかった。

そしてそれは毎年続き、千夜が中学生になった頃その花が忌み嫌われる花だと知った。
『ごめん母さん……俺知らなかったんだ……』
知らないとはいえ、そんな花を誕生日に贈った自分が恥ずかしくて申し訳なかった。

『千夜、見てご覧なさいこの花を……花を引き立てる葉もないでしょう?すっと真っ直ぐに伸びた茎に、天を向いて咲くとても凛々しい花なのよ。まるで千夜のような花だわ、潔くて凛としてとても情熱的よ、だから母さんはこの花がとても好きなの』

薄れ行く意識の中走馬灯のように記憶が蘇る。
そして穏やかな笑みの母の顔と、耳元で「愛してるよ千夜」という速水の声を聞きながら、完全に千夜は意識を手放していった。


朝方千夜が目を覚ますと、後ろから抱き抱えられるように眠っていた。
床に目をやると、剥がされたシーツが無造作に投げ捨てられていた。
そして自分の体にも、自分で吐き出した欲望の残骸は残ってはいなかった。
全部速水が綺麗にしてくれたとしか考えられない。
目の前にある真っ白なシーツの塊が昨夜の痴態を思い出させ、心臓をドクリと跳ねさせた。

そっと速水の腕から逃れ、ベッドから降りようと試みた時、速水の絡まる腕に力が篭った。
「まだ早い……」
「あ……はい」起きていたのか、自分の身じろぎが起こしてしまったのかは判らないが、
速水はその腕を解こうとはせずに、そう囁いた。
お互い全裸のままだ……千夜は急にその体勢が恥ずかしくなり、体が火照るのを感じて焦った。

「あの……速水さん、その……もう少し離れて下さい」
「いやだ」駄々っ子のように即答する速水に、一瞬驚くが嬉しくもあった。
今まで着けていた鉄の仮面を外したかの如く、甘くなる速水に年下ながら愛しさが募ってしまう。
「あ……っ」後ろから抱き付いている速水の中心が熱くなり、千夜の尻の辺りに当たっている。
まるで連鎖反応のように、千夜の前も熱く頭をもたげて来てしまう。

「そんな悩ましい声を出すな」耳元で囁いた後、その唇は項を這う。
「だめだから……」形だけの拒否をする千夜を後ろの男がくすりと笑った。
「ほ・本当に駄目だから……」
「ああ、挿れたりはしないさ、ただこうしているだけだ」
直接的な言葉を添えられ、触れられた項がさらに熱くなってしまう。

項を過ぎた唇が背骨を這い、回された腕が引き締まった胸板を過ぎ、その指が尖りを摘む頃には千夜の息が上がっていた。
その尖りは摘まれ、指の腹で転がされ甘く爪を立てられツンと主張をし始めた。
それでも千夜は速水の悪戯のような行為に、声を出さないように唇を噛んでいた。

胸から離れた掌がわき腹を擽るように撫で上げ、さわさわっと小波を立てながら千夜の太腿を撫でる。
「あ……っ」
もう完全に勃ち上がり、透明な露をしたためている肝心な場所は無視して通り過ぎる掌に、
千夜の口からは小さな声が上がった。
「どうした?」
「……いえ」

背骨を伝っていた唇も、尾てい骨の辺りでUターンし、また背に沿って戻ってしまう。
「駄目なんだもんなぁ?」完全に揶揄する言葉に、千夜はどう答えていいか判らず固まってしまう。
シーツが擦れる音で、速水が上体を起こしたのが判った。
大きな掌が今度は、千夜の背中を撫で回しそして、引き締まった尻の肉も掴むように撫でた。
「う……っ」
「引き締まったいい体だ……」独り言のように速水は呟く。
速水のその言葉に性的な意味合いが全く感じられない事に、千夜は一抹の不安を疼く胸に抱いた。

「今ならA社に戻れるぞ」速水は千夜の肩甲骨の辺りを撫でながらそう言った。
「えっ?」そこは、千夜が一度内定を貰ったスポーツ用品関係の会社だった。
とっくに辞退の連絡は入れてある筈だ。
「お前の辞退届けは、上の方で預かってもらっている」
ベッドの中で千夜の体に火を点けておきながら、一体速水はどういうつもりなのだろう……

「俺が……貴方の傍にいることは、迷惑なのでしょうか?」
「いや、だが今なら普通の生活に戻れる」
そう言いながらも速水は自分が、もいでしまったであろう千夜の背中の羽の痕を、ずっと撫でていた。



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COMMENT - 2

梨沙  2011, 06. 30 [Thu] 12:24

おやまあ~

速水さん愛し愛される喜びを味わったようですねうふ♪(* ̄ー ̄)v
千夜と思いが繋がって良かったですが、速水さんからのお話は千夜を困惑させてますね… 速水さんにしてみたら千夜を元いたはずであろう世界に戻そうとしているんでしょうが、やっと心から結ばれたと感じている千夜にしてみれば戸惑いを感じずにはいられないでしょうね(^^;;
( ̄~ ̄;) ウーン 次回も気になります~

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kikyou  2011, 07. 02 [Sat] 22:25

梨沙さま

こんばんは!

暑くて煮えているkikyouです^^;

速水と千夜、いい感じになってきましたよぉ
こういう性格は書くのが楽しいです。
鬼畜という要素を持っているとどうにでも書ける?ヽ(゚∀゚)ノ
でも、うちの攻め君達は、みんなそういう要素を持たせているんですが
どうしてか、腰抜けになってしまっています(笑)

千夜が、あまり受け受けしていないからかな?

もう最終話を下書きに入れました……
楽して来たのも、今夜で終わりです。

茹るような暑さの中、妄想は枯れていませんので
何とか頑張って行こうと思っています。

いつも読んで下さってありがとうございます!

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