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罪よりも深く愛して 11

 25, 2011 23:07
「今……ここで……ですか?」
手術の後の興奮からだろうか、速水がこの院長室で千夜を求める事など初めてだった。
先日ホテルで剛の物を咥えた……それが千夜にとって初めての経験だったのだ。
「どうした?この前は剛の物を美味そうに咥えていただろう?」
「……はい」

千夜は戸惑いながらもソファで寛ぐ速水の膝の間に跪いた。
(どうすれば?……)あの時は半ば無理やり剛にやらせられたのだ。
今は先ず何をどうすればいいのか、1からの行為は屈辱よりも戸惑いしかなかった。
千夜は速水にする初めての行為に眩暈すら感じていた。

ゆっくりとジッパーを下ろす指は僅かに震えている。
(これが自分の仕事だ)と思えば何だって出来る筈だ。
速水が千里にしてくれた事は、こんな事で返せない程の大きな事なのだから。

千夜は目を瞑って、速水のまだ勃ち上がってはいないモノを口に含んだ。
先日剛が言った事や、されて気持ち良かった事を思い出しながら、唇と舌を動かした。
速水のモノが口の中でだんだんと育ってくる。
千夜のやりたいようにさせている速水は、何の要求も出さない。

一方速水は千夜の下手な口淫にも、自分が感じてしまう事がおかしかった。
必死に速水の物を咥える、ビジュアルにも自分の体が反応してしまう。
(千夜……)名前を呼んでその頭を押さえ込みたい衝動を、抑えるのもある意味愉しい。

口の中いっぱいに膨らんだ速水の物に、それでも必死に唇を這わせ舌を動かす千夜は、これ以上の技術を持たなかった、これからどうすればいいのだろう?
上目使いで速水を見上げた時に、自分をずっと見ていたのだろう速水と目が合ってしまった。
その途端最大限に口腔を占領したモノが弾けた。
口いっぱいに青臭い苦さが広がり、千夜はどうしていいか判らなかった。

「飲んで」優しい言い方だったが、その内容は千夜には厳しいものだった。
千夜は生理的な涙を滲ませながら、口腔に広がった苦味を飲み干した。

だが千夜は速水の物を育てながら、自分の雄の部分も半ば成長しているのを感じていた。
それを速水に知られたくは無かった。
だがこんな体に改造したのは速水なのだ。それとも自分にその素質があったのだろうか?

千夜は新しいオシボリで速水のモノを綺麗に拭いてズボンに納めた。
射精したという事はとりあえず満足してくれたって事なのだろう……
ひとつの事が終わって安堵の息を吐いた時、速水はまた千夜に向かって言った……
「俺が手本を見せてやろう」と。

「い・いえ……いいです……遠慮します」
ソファに座ったままの速水が「ズボンを脱いでここに立って」とまた優しい声で厳しい事を言った。

「そんな……」薄暗いベッドの中ならまだしも、午後の明るい部屋でズボンを脱ぐなんて……いやそれ以上に速水にそんな事をしてもらう事自体に、抵抗を感じた。
「速水さん……勘弁して下さい」
「俺の言う事が聞けないのか?」

――――コンコン
「入れ」
「院長、頼まれていた珈琲届けに来ました」
珈琲ポットを片手に入って来たのは、何と手塚医師だった。
(頼まれていた?)もし自分が速水の前でズボンを下ろしていたら、どうなっていたのだろう?
くらくらするような気分の中、速水から離れポットを受け取った。
「お邪魔でした?」千夜に向かい小馬鹿にしたように、手塚が言った。
「いや構わないが」速水のその言葉に、千夜はカップの準備をする手を一瞬止めた。

他の男たちに平気で自分を抱かせる速水の事だ、そんな事は想定内とういか、本当にどうでも良い事のような気がした。
千夜は速水が自分の何を大事にして、何を玩具以下に扱うのか、その基準がさっぱり判らないでいた。

珈琲を半分ほど飲んで、カップを置いた速水は千夜に向かって言った。
「千夜何をしている、まだズボン履いたままか?」
「そ・そんな……手塚先生もおられるのに?」
「誰がいようと関係ない、それとも俺の言う事を聞けないというのか?」
「…………」聞けない訳は無いが……立ち竦む千夜の腕を速水が引寄せた。

速水の手が千夜のベルトにかかり前を広げる。
ベルトの重みで一気に床にズボンが落ちて行くのを、唖然としながら千夜は見ていた。
速水の動きには隙がない、下着を少し下げられた千夜の性器は、あっという間に明るい光の中に晒された。
「あっ!やめて下さい……」
「見られているって事も、違う自分を見つけられるってもんだ」
(これ以上違う自分など知りたくはない)

「爽輔は手術の前後って獣みたいになるから、君も覚悟した方がいいよ」
手塚に言われ、えっ?と思った瞬間に速水の冷たい掌が、千夜の性器を握り数度扱いた。
「あぁっ!速水さん……だめです。お願いします……」
逃げようとする千夜を掴んで速水は、離さない。
「手塚先生が……止めて下さい……」
千夜は速水の肩に手を置いて、その体を引き離そうとするが、速水の体はビクともしない。

「何勿体つけているの?無駄な抵抗は止めなよ、爽輔だって時間が無いんだから」
容赦ない手塚の声に手塚の方を見ると、その目の中に憎しみを見た気がした。
言葉では、からかっているように見える手塚の内心は、激しい嫉妬心で真っ黒だった。
そして手塚に見せ付けるような速水の、行動の意味が判った。

さっきエレベーターを降りる時に千夜に投げた「諦めない」という言葉の意味が……。
速水は手塚を切ろうとしている、それは千夜という存在があるからなのか、それとも単に千夜を駒として使っているのかは、今の所千夜には判らなかった。

その時院内アナウンスが「速水院長、速水院長お時間ですのでお願い致します」と流れた。
そういえばさっき速水の携帯電話が鳴っていたような気がした。
「千夜、4時間で戻る……ちゃんと準備をしておけよ」
速水はそう言うと手塚に向かって「手塚先生、もう午後の診察の時間でしょう」と声を掛けた。
その言葉は何も関係のない一人の医師への言葉だった。
もうこの部屋から出て行けという意味だ。
手塚は悔しそうな顔で「わかりました……」と言うと千夜を一瞥して部屋を出た。

そして速水も新しい手術着に着替え有能な外科医の横顔を見せて部屋を出て行った。



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*話の進みが遅いので、0時に続きを更新致しますo(*'▽'*)/☆゚’

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