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俺、武藤駿平 14

 15, 2011 00:00
優しく大事に抱かれた……
そして達く瞬間に俊平は自分のペニスを抜き、掌に受け止めた。
「駿平く……ん」
「いや、今日ゴムないし……中に出してお腹壊したらまずいでしょ?」
その駿平の気遣いを少し寂しいと感じてしまう、自分は異常なのだろうか?那月は心の中でそう問うてみた。

那月の吐き出した白濁を、丁寧にティシュで拭き取る駿平に「ありがとう」と小さな声で言うと、顔を上げた駿平の顔がとても幸せそうで、那月も釣られて微笑んだ。
「那月さん、俺……凄い好き」
「僕も……す・好きだよ」
駿平のように素直に言えなくて、那月は顔を真っ赤に染めてそう告白した。

「うん、嬉しい」
まだ20歳になったばかりの駿平には、辛い過去も不安な未来もないのだろう。
それを考えると、今夜那月のとった行動は駿平の将来に負担になるのかもしれない。
「駿平君……」
「何?」那月の隣に体を横たえ、那月の髪を弄りながら駿平は聞いてきた。

「もし、好きな人が出来ても僕の事は気にしないで」
「はぁ?那月さん俺じゃ駄目なの?遠回しに俺の事ふっているの?」
「違う……」
「じゃどうして?」
「今は、僕の事好きだと思っているかもしれないけど、将来もし……その時僕に遠慮してもらいたくないから」
「判ったよ、その時はまっしぐらにその人に向かうから。那月さんの事なんか気にしないで突っ走るから」
少し不機嫌そうに駿平がそんな事を言った。
「うん……」
不愉快にさせるかもしれないが、さっきの言葉はどうしても言っておきたい言葉だったのだ。

「でもね、そんな心配要らないと思うよ」
「……」
「俺って凄い一途だから」そう言う駿平の顔はもう笑顔に変わっていた。
きっと那月の言いたい事が判ったのだろう。

「その前に那月さんが、俺から離れられないようにしておかないと駄目だな。俺より那月さんの方が心配だ」
自分がまだ学生で独り立ちしていない身分だという事が、駿平にとって一種の引け目だった。
那月はそんな駿平の頬を撫でると「僕なら大丈夫だよ。凄い一途だから」と駿平の言葉を借りて、そう囁いた。

「そんな顔していたら、また抱きたくなる……」
正直もう駿平の体は、完全に回復していて那月を抱きたくて、うずうずしていた。
だが那月の負担を考えると、簡単には圧し掛かれない。
「いいよ、僕も……」
恥かしそうに泳いだ目に色を感じ、駿平は再びその唇を塞ぎにかかった。



翌日目覚めると、あまり広くない那月のベッドに俊平が、幼い顔をして眠っていた。
那月は暫くその顔を眺め、昨夜の余韻に浸っていた。
覚えたばかりの男とのSEXに駿平は理性というブレーキを掛けていたが、それを外させたのは那月だった。
だから流石に今朝は体が重くて痛い。
朝食の支度をしたくても体が言う事を聞いてくれそうになかった。

「那月さーん」寝ぼけたように駿平が那月に抱きついてきて、その手を解く程の力は無かった。
「あっ!」寝ぼけた後、びっくりした顔をして駿平が目を覚ました。
「おはよう、駿平君」
「あ……那月さん……夢じゃなかったんだ」
駿平は那月の体をぎゅっと抱きしめた。
「おはよう、那月さん」耳元で囁かれ、那月はその声が妙に色っぽく感じ驚いた。

昨日までは、仲の良い同居人だった駿平が一夜にして、特別な存在になってしまったのだ。
「俺、何か朝飯の支度するね、那月さんはそれまでベッドの中で休んでいて」
「いいよ、僕が作る」
「駄目だ、夕べ……その……」具体的に言うには、爽やかな朝の光が邪魔をしていた。
「判った、簡単な物でいいよ」
「任せて」そう言って一度ベッドから出かけた駿平が「忘れ物」と那月の頬にキスをした。

那月は独りになったベッドの中で、ほんわかとした幸せを噛み締めていた。
今まで体の関係を迫られても、何故か一線を越えられずにいたのに、駿平が相手だと簡単にそのハードルを飛べた。
相性と言うべきなのだろうか?
そんな事を考えながらも那月は心に誓った。
(もしそのいつかが来たら、僕は黙って見送ろう)と。


「那月さーん。飯の支度出来たよ、自分で歩けないなら俺が御姫様抱っこしてあげるよー」
そう言いながら駿平が勢いよく那月の部屋の扉を開けた。
拒否しながらも、結局駿平に抱えられ食卓に着いた。
その時テーブルの端に置いてあった那月の携帯が、小気味よい音楽と共に震動し出した。

携帯の液晶画面で確認すると発信者は『武藤康二』だ。
「もしもーし!那月大丈夫かぁ?夕べ駿平に襲われなかったか?」
駿平と良く似た元気な声が鼓膜に響いてくる。
だが、康二の問いかけに那月は顔を赤くし「あ、え、」程度しか返せないでいた。

「え……っ?もしかしてもしかした?」康二の言葉に那月は小さく「うん」と言葉を返した。
「康二?」駿平が小声で聞いて来たので、那月は電話の相手をしながら首を縦に振った。
「ちょっと貸して」駿平が那月の手から携帯を取り上げた。

「てめぇ康二!」年上に話す言葉ではないが、そこは従兄弟という気楽さで、駿平は友達相手に言うように乱暴に怒鳴った。
「おう何だ?」電話の向こうで康二のにやにやしている顔が浮かぶ。

「てめぇ……ありがとな」最初の勢いは全く無く、駿平はそう言った。
「大事にしろよ」
「勿論、余計なお世話だ」

那月は、珈琲の香りが漂う部屋の中で、好きな男と一番信頼している友達の、遠慮のない会話を聞いてただ、嬉しそうに口元を緩め駿平の横顔を眺めていた。


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COMMENT - 3

誄羅  2011, 05. 15 [Sun] 00:08

やったぁ\(^ ^)/
一番乗りですね
お久しぶりです

めっちゃ久しぶりにいったら
ブログ変わっててびっくりしました!!
これからも見るんでがんばってください^^

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梨沙  2011, 05. 15 [Sun] 10:27

良かった(*^.^*)

うふ♪(* ̄ー ̄)v
無事にとうい言い方はおかしいかな? 思いが伝わり相思相愛になってなによりv(*'-^*)bぶいっ♪
那月にはまだまだ遠慮の気持ちが残っているみたいだけど… 駿平の大きな愛に包まれてその不安も解消されていくでしょう!!なんといっても駿平が紳士なんだから~
もしかしたら また波乱なことも待ち受けてたりするかも知れませんが2人が幸せであることを~!! ああ~ まだまだ目が離せませんね!続きがたのしみですポッ(*゚.゚)(゚.゚*)ポッ

Edit | Reply | 

けいったん  2011, 05. 15 [Sun] 15:32

甘い雰囲気だだ漏れの駿平と那月の朝食は、ズバリ ”ハニートースト”でしょう!オゥ♪(σ゚∀゚σ)⌒ィェィ♪

朝から 爽やかな色っぽさの駿平と 優しい色っぽさの那月
目の保養~です!(☆▽☆)b

一途同士の二人、何があっても 離れないでね♪(*´・ω・(・ω・*)...byebye☆

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