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太陽が見えない 8(観潮楼参加SS)

 29, 2011 00:22
「馨何で泣いてるんだ?」驚いた顔で太陽が覗き込んできた。
「何でもない」身を捩るが太陽はそれを許さなかった。
「俺そんなにキツイ事言ったか?最近ちょっと変じゃないか馨」

『最近じゃない僕はずっと変なんだよ・・・』
多分生まれてから自分はずっと変なんだと思った。
可愛い女の子は大勢いるのに僕は誰にもときめかない、自覚したのは高校生の頃だけど思い起こしてみたら、中学生の頃だって可愛いって騒がれてる女子を見ても何も感じなかった。

「勝も、最近お前何だか思いつめてるって言ってた・・・もしかして恋してるのか?」
何も知らない太陽は知らないが故に馨の心を傷つける。
「・・・・恋してるよ」
「嘘っ!誰相手?俺の知ってる子か?」
そう言うと太陽は会社の可愛い子の名前を順番に言い、それでも馨が頷かないから、今度は大学まで遡った。

「・・・僕の好きな人は・・・」
「・・・・」太陽が真面目な顔で馨をじっと見ている。
「僕の好きな人は・・・明和生命の滝沢さんだ」
馨はとうとう取り返しのつかない嘘を吐いてしまった。
「明和の・・滝沢?」その名前に一瞬ピンと来ない顔をした後
「滝沢って男じゃないか!」
「そうだよ、男性だよ・・・」

だが馨は驚いた太陽の言葉の中に蔑む色が無かったのを敏感に感じ取った。
「太陽、ずっと内緒にしてたけど・・僕ゲイなんだ・・・」
本当は北海道旅行で打ち明けるつもりだった、でももう場所は何処でも良かったのだ。
思いが通じないのなら、早い方がいいのかもしれない・・・馨はそう思った。

「ゲイ・・って馨・・・本当なのか?」
「そうだよ、僕はゲイだよ」
「その・・滝沢さんとは付き合ってる・・のか?」太陽の語尾が弱々しくなった。
「うん、僕たちはもうSEXもしたし・・」
それは嘘ではなかったが、馨は現在進行形のような言い回しをした。

「SEXって・・・馨・・どういう意味か判って言ってるのか?」
「勿論・・・何なら太陽も一度試してみる?案外いいよ男同士って」
「ふ・ふざけるなっ!」
「太陽、僕汚い?僕と試しにするのイヤ?」
「お前は汚くなんかない、だからってお前と出来るかよっ」

「最初で最後って言っても駄目?もし太陽が抱いてくれないなら、僕はこの足で滝沢さんの部屋に行くよ・・・彼なら僕の欲求を満たしてくれるから」
もう後戻りは出来ない・・・絶望的な思いのまま馨はそう言って太陽を煽った。

「そんなに男が欲しいのかよ?」
「・・・欲しい」馨は涙に濡れた瞳で太陽をじっと見詰めた。
「ふざけんじゃないよ・・・」だが言葉と裏腹に太陽の声は酷く弱々しかった。
ずっと友達だと思ってきた馨のカミングアウトと、更に男が欲しいという言葉に頭の中は爆発寸前だった。

「くそっ!」呻くような声を上げ太陽は馨を跨いでその体を組み敷いた。
「そんなに男が欲しければ抱いてやるよっ」
「・・僕がしてあげる、太陽を・・今までのどんな彼女よりも気持ち良くしてあげる」
馨は太陽の力の入ってない体を押し退け、太陽のパジャマ代わりのスポーツウェアに手を掛けた。

「馨?」
「太陽は黙って僕のされるがままに・・・・お願い」
馨はそう言うと、太陽の下着ごとウェアを足首まで一気に下ろした。
「ば・ばか・・・馨何?」
馨は今まで、何度かプールや皆で行った温泉で太陽の裸はちらっと見た事があった。
だけど、こんな間近で見る事など初めてだった。

慣れてるような事を太陽には言ってしまったが、実際男の物を咥えるなんて経験が無い。
太陽の腰に顔を近づける馨に向かって「馬鹿っ、馨お前何やって?」
馨は最後まで太陽に言わせないように、慌てて太陽のペニスを手にした。
『太陽・・・気持ち悪くても我慢して・・一度だけだから・・』

馨は目を閉じて、そっと太陽のペニスを口に含んだ。
「うっ」その瞬間に太陽が呻いて、馨の肩を押そうとするが、太陽の体は金縛りにあったようにそれ以上の力は入らなかった。
馨は一度全部飲み込んで何度か軽くスライドさせた後、今度はねっとりと裏筋を舐め上げ、亀頭も舌を差し込むように刺激した。

こんな子供だましのようなフェラチオで太陽が満足するかは判らなかったが、馨にそんなテクニックなどある筈もない。
ただ、愛しさだけでその行為を続けた。
時々太陽が「うっ」と声を漏らし、萎えていたペニスも半ば育ち始めている。。
きっと感じてくれてるんだ・・・そう思うと馨の動きもだんだんと大胆になってきた。

ジュルジュルと音をたてて、夢中になって続けた。

太陽は、いったい自分の身に何が起きてるのか?
そして自分の下半身に顔を埋め、手や唇や舌を使って自分に奉仕しているのが、馨だという事実に、そしてそこから否応なしに生まれてしまう快感にも戸惑うばかりだった。

『俺は馨の何を今まで見てきたんだろう?』
ゲイである事を苦しんでいたに違いない・・・
今さらながら、知っている限り馨が女と付き合ったり、風俗に遊びに行ったりした事が無い事を思い出した。

「馨・・・・」
馨の名前を呼ぶ事がこんなに胸が苦しいのだと初めて知った。
『僕たちはもうSEXもしたし・・』さっきの馨の言葉が頭の中でジンジン鳴っていた。





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COMMENT - 16

ちこ  2011, 01. 29 [Sat] 04:09

ふえ~~~~ん(涙)
だんだん思いもしなかったほうへ話が進んでいくなと思ったら・・・
馨く~ん(T_T)

太陽くんったら、普通にノンケさんだった~(≧▼≦)
馨くんのこと好きでまたんないって感じだったのに~~~えっ、えっ、えっ、(涙)
好きの意味が・・・
馨くん、ソレ、おやつのうまい棒じゃないよ~(*/ω\*)
もう、無理しなくていいからっ!!
kikyouさま~っ、馨くんのウソつきなお口にチャックして~(T_T)
馨くんを助けてあげて~!
夜中なので魔法使いは休業中なのだっ(≧ω≦)


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びび  2011, 01. 29 [Sat] 09:07

ヒーーー!か、馨クーン‼((((;゚Д゚)))))))
なんでまたややこしくしちゃうの~⁈

あーっ、太陽のニブちんのバカちんがー!(♯`∧´)
知らんけど、ついでにデカちんがー!

ニブちん相手には馨くんが素直にならないと、なかなか通じないんだからね!
あんまり複雑にしないで~(/ _ ; )ぅ、ぅ。。。

Kikyouさまー、でもこの展開実はキライじゃなーい(*^_^*)
いっぱい馨くんの泣き顔が見れそうだ!
続き、楽しみにしてますo(^▽^)o

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jun  2011, 01. 29 [Sat] 10:58

エエ、馨がカミングアウト?
しかも滝沢さんと付き合ってるような言い方して。
太陽は本当に友人として馨が好きだったんですね。
これからどんな展開になっていくのかな。
ハッピーで終わるんだろうけど。
そこまで行くのは大変かな?

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梨沙  2011, 01. 29 [Sat] 12:25

ε=Σ( ̄ )ハァー

もう… ますます 話がややこしくねじれていってる; ̄ロ ̄)!!
馨ちゃん そこまで自分を卑下しなくても…
太陽は固まってるし… カミングアウトどころか一気にすっ飛ばしてる感じ!?
( ´△`)アァ- どうなるんでしょうね…この2人(〒_〒)ウウウ

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けいったん  2011, 01. 29 [Sat] 14:08

その嘘は ダァー(゚ω゚)bメッ!!

kikyouさまぁーー皆様も私と同様で 「なんじゃこりゃぁ!」って感じなんですけど~プリ(*`З´*)プリ

馨が この場面で ヤヤコシイ嘘を吐くだなんてー!!(ii▽ii)
こんな状況での 大好きな太陽との行為を するなんて 後悔では 済まされませんッ!

「太陽のJr.が フニャ・チン、フニャ・チンにな~れ♪」...って 私も お手伝いするから 魔女っ子ちこチャンにでも お願いするしかないでしょうね。
魔法のホウキも持ったし 私も準備 OK♪ ホウキのつもり→Ψ(`・ω・´)ゞbyebye☆

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-  2011, 01. 29 [Sat] 16:45

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

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甲斐  2011, 01. 29 [Sat] 17:18

哀しい嘘

馨くんたら告白あきらめたと思ったら
滝沢さんだなんて言っちゃうんだ
好きだって言ったら迷惑だし嫌われるかも…と思ったら言えなくなっちゃいますよね
哀しい嘘
せめてもの思い出に好きな人に抱かれたいなんて
切なく一途なその思いに胸が痛いです

Edit | Reply | 

魔法使いちこ  2011, 01. 29 [Sat] 18:35

え~、私、けいったんさまよりご指名にあずかりました『魔女ッコちこちゃん』こと、免許皆伝魔法使いちこでございますっ(^^)v

けいったんさまのご希望により今から『フニャッフニャの術』行きま~~~す
ヾ(=^▽^=)ノ゜゜☆。。☆
効果のほどは、待て次回!!←責任は取れませ~ん♪

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kikyou  2011, 01. 31 [Mon] 14:20

ちこさま

こんにちは。

あわわ・・・馨だけではなくて、ちこさんまで泣かせてしまった^^;

太陽ノンケでしたねぇ(笑)
でも、まだまだ謎は隠されています。

>馨くん、ソレ、おやつのうまい棒じゃないよ~(*/ω\*)
もう、無理しなくていいからっ!!

もう、笑わせないでっ!!(●ノ´з`)ノ<.∴;:゙;`ブーッ
うまい棒か・・・何味なんだろう?(爆)

コメントいつもありがとうございます。

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kikyou  2011, 01. 31 [Mon] 15:17

びびさま

こんにちは。

喜怒哀楽が全て篭められたコメントでした!(笑)

>あーっ、太陽のニブちんのバカちんがー!(♯`∧´)
>知らんけど、ついでにデカちんがー!

もう、面白くて腹痛くなりそうです。
びびさんの妄想を叶えましょう゚.+:。(≧∇≦)ノ゚.+:。

10話アップしました。
違うものも見れそうですよ^^

コメントありがとうございました。

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kikyou  2011, 01. 31 [Mon] 15:30

junさま

こんにちは。

ややこしくなりましたネ。
(あ、イヤッ・・ひとごとみたいですが^^;)

これからの展開を楽しんで下されば嬉しいです♪♪

コメントいつもありがとうございます。

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kikyou  2011, 01. 31 [Mon] 15:33

梨沙さま  ε=Σ( ̄ )ハァー

こんにちは。

はい、ややこしくなって来ました^^;

自分でどんどん、ややこしくしてしまっています。

本当は5話くらいで終わる話が・・どんどんと長くなってしまいました。

ハピエン主義ですので安心して下さいネ。???(笑)

コメントありがとうございました。

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kikyou  2011, 01. 31 [Mon] 15:47

けいったんさま その嘘は ダァー(゚ω゚)bメッ!!

あぁぁ・・・けいったんが怒ってるぅm(。≧Д≦。)mスマーン!!

本当に、馨も困ったもんです^^;
あ・・っスイマセン

Ψと・飛べるのか・・?

でも二人掛かりで呪文を唱えれば何とかなるかもしれません。

でもでも、馨が悲しむかもしれないし・・・
ど・どうしよう?どっちがいいんだぁ?

あとはこの指が動くがまま・・です(笑)

コメントありがとうございました。

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kikyou  2011, 01. 31 [Mon] 15:57

鍵コメLさま  光が有れば影ができるのも必然ですが

こんにちは。


はい、みんなに怒られてしまいました゚.+:。(pωq)゚.+:。エーン

そして馨の言動はおっしゃる通り「箱庭」の必須課程です^^;

最初から最後まで明るい話ってのも書いてみたいと思いますが
なかなか、難しいですね。

以前クリスマスの話の「瀬名と遥」カップルの時に
泣かせるよりも笑わせる方が難しいというコメントを頂いた事があります。
本当にその通りだと思います^^

とりあえず太陽と馨のこれからを楽しんで下さいネ。

コメントいつもありがとうございます。

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kikyou  2011, 01. 31 [Mon] 16:23

甲斐さま 哀しい嘘

こんにちは。

あぁ・・・こんな言葉をタイトルに持ってくれば良かったぁ。

馨の切ない想いの行き着く所はどこでしょうか?

陽の光がいっぱい差し込む場所だと良いのですが^^

コメントいつもありがとうございます(*^_^*)

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kikyou  2011, 01. 31 [Mon] 16:27

魔法使いちこさま

> え~、私、けいったんさまよりご指名にあずかりました『魔女ッコちこちゃん』こと、免許皆伝魔法使いちこでございますっ(^^)v
>
> けいったんさまのご希望により今から『フニャッフニャの術』行きま~~~す
> ヾ(=^▽^=)ノ゜゜☆。。☆
> 効果のほどは、待て次回!!←責任は取れませ~ん♪


面白いから全文残しです^^

さて、魔法の効果の程は・・・もし『フニャッフニャの術』が効いてしまったら
案外馨に恨まれるかも?ですよ(;´Д`A ```

緊急呼び出しにお出まし下さってありがとうございました!!

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