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愛しい人へ 19

 16, 2010 13:28
杉浦は麗を担いだまま部屋に戻りソファの上にそっと座らせる。
「麗大丈夫か?ちょっとやり過ぎたかな?」
労わるような声にまだ呆然としててまだ体に力が入らないようだった。

「杉浦さん・・・一体何が起こったんでしょうか?」


「もしかしてキスしたこと無かった?」
麗はそんな事あるわけないと心の中で叫びながら、黙って頷いた。
「そうだよなぁ・・・あの状況で誰かと付き合える訳ないよな」

「ここまでやったんだ、ついでに筆卸しておくか?」
「ふでおろし?」
全く意味が判らず鸚鵡返しに聞く麗に
「もうすぐ19だろう?女の一人や二人知っていても可笑しくないぞ」
やっとその意味が判って被りを振りながら
「嫌です!いや・・・」と麗は泣きそうな顔になった。

「どうして?お前の年だったら皆経験してるぞ、少し位経験しておかないと
これから余裕持って人に接して行けないぞ」
「やだ・・・知りたくない・・・」
「大丈夫だ、俺も一緒にいてやるから」
そんなの余計にイヤだ・・・

「西条も誘うかな?」
そう言いながら携帯を胸ポケットから取り出し
「あー西条、ソープ行こう」
「はい?ソープですか・・・・又何で急にそんな所へ」
「筆卸さ、麗の」
「又、そんな馬鹿な事言って・・・・麗君は承知してるんですか?」
「嫌だって駄々捏ねてるさ」
「当たり前じゃないですか・・・」全く呆れて物が言えない。

「じゃあどうするんだこれから?女に触れられても怯え、油断すると男にまで狙われて
少し免疫付けておいた方がいいんじゃないか?」
「それなら社長が教えてあげれば良いじゃないですか?」
「えっ!俺が・・・・」
「そうですよ!、いきなり女抱かせるよりも、まず一人エッチでしょう」
「そ・それもそうだな・・・」
西条の言う事に妙に納得してしまい、杉浦は電話を切った。

「麗、お前一人でした事あるか?」
いきなり何の事だか判らない麗に向かい
「あれだよ、あれ!一人でもぞもぞっと自分のを握って扱いた事あるのか?って」
麗の顔はこれ以上無いと言う程真っ赤になり、唇はわなわな震えている。
搾り出すような声で「そ・そんなのある訳ない・・」と。

杉浦は、あんな栄養状態じゃ精子も製造されないかもな・・・と思ったが
最近は栄養状態も良いし、休養も充分な筈だ。
「お前さ、ここが熱くなって、もやもやした事ないのか?」
麗だって立派な成人男子だ、体調も良くなった最近は時々もやもやする事はあった。
心当たりがあるのか、麗は答えず俯いた。

「そうか、あるのか」それが当然だと言うように杉浦の声は明るい。
「俺なんか初めて女抱いたのって中一の時だぜ」
「中一?」まだ両親が揃って元気だった頃だ。
勿論栄養満点の食事はしていたし、体力だってあった。
だからと言ってその当時麗が女の人を抱きたいとか、そういう事を考えた事は無かった。

「そんな年でも・・その・・出きるんですか?」麗には全く想像出来なかったのだ。
「当たり前だろ、ま、俺は体格も良かったからその時の相手は誰も中一だなんて思わなかっただろうけどな」
小学6年の時にはもう165cmあったと言う。
「一度は成人に間違われて、危うく子持ちにさせられる所だったよ」
笑いながら過去を教えてくれる杉浦に
「老けてたんだ・・」とつい呟いてしまった。

そんな麗の呟きを聞いてるのかいないのか・・・
「そうだなぁ・・・おかずなくっちゃ難しいな・」とまた訳の判らない事を言われ
「えっ?おかず・・、そういえばまだ夕飯の支度が・・・」
慌てて立ち上がろうとする僕に
「今夜は外で食おう、先風呂入るぞ」

そう言われて時計を見ると、まだ4時過ぎたばかりだ。
「あー僕バイトの続きが・・・」
「今日はもういい、明日から又頑張れ」
結局バイト初日は散々な結果になってしまい、落ち込んでしまった。

「社長だって仕事戻らなくてはいけないんじゃ?」
「西条が居るから大丈夫だ」
麗は又落ち込んだ、僕なんか何の役にも立たない・・・
沈んでいる麗に「ほら!早く風呂の仕度しろ」と性急な声が飛んでくる。

午前中に風呂掃除も全部終わっているから湯張スイッチを押すだけだ。
戻ると杉浦は誰かと電話で話しをしていた。
「あーそうだな好みが判らんから色々取り混ぜて10本くらいでいい、
あっ豊川、判ってると思うが勿論無修正だぞ」
電話を切ると麗に向かって「おかず用意してやるからな」と嬉しそうに話すので
「え?今夜は外で食事じゃ・・・・」
「ああ、飯は外だ」

時計を見て「10分位で戻るから、風呂溜まったら先入っておけ」と
訳の判らない麗を残して部屋を出て行った。

風呂の仕度が出来ても帰って来ないから、言われた通り先に入る事にした。
体を洗い、湯に浸かっていると杉浦が戻って来て風呂に現れた。
「頭洗ったか?」
「いえ、これからです」
「そうか、俺が洗ってやる」
「頭くらい自分で洗えます」
「いいから来い」相変わらず自分勝手だ。

本当は麗は杉浦に頭を洗ってもらうのが好きだ。
大きな掌でマッサージするように洗われるのは
本当に気持ちが良くて安心する。
シャワーの湯を掛け泡を洗い流し、その指は
麗の背中を撫でる

麗は背中を撫でられ体が強張るのを感じた。
「・・・綺麗になったな・・もう背中には一つも痣残ってない」
感慨深げに杉浦が呟いた。
「こっち向いて立って」
抗っても適わない事はもう学習していたから素直に言われた通りにする。

風呂の小さめな椅子に座っている杉浦前に立つと
自分の中心が杉浦の目の前に来ている事に気づき思わず腰を引いた。
杉浦の指が麗の腰骨の辺りをなぞると
麗は小さく「あっ!」と呻き声を洩らしてしまった。

「あーここにまだ少し痣が残っているなぁ、後は大丈夫そうだな」
と独り言のように呟いていた。
「ほう、いっちょ前に剥けてるな」
そう言うと、麗のペニスを人差し指でブルンと揺らす。
「あ・・っ」ほんの一瞬の事なのに麗はまた小さな声を洩らした。

「さ、冷えるから浸かれ」と促され麗は再び湯船に浸かるが
さっき少しだけ触れられたペニスが少し疼いているのを感じ戸惑っていた。





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