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雨の日に出逢って 9

 22, 2010 21:59
「最後にひとついいですか?」
女性週刊誌のインタビューを瀬名は受けていた。
「はい、何でしょう?」
「SENAさんは今恋人は?」
「募集中です」瀬名は営業スマイルで答えた。

最近こういう質問が多くなった。
恋人が男であろうが、女であろうが関係ない
こういう時は「いない」と答えるのが、こういう世界で生きる者の術だった。

今夜は遥が部屋に来る日だ。
恋人が居るなんて答えたら、絶対に写真誌がスクープを狙って待ち構えてしまう。
ファンに夢を持たせるようにと事務所に言われなくても
「恋人が居る」なんて言えるはずも無かった。

モデル仲間でゲイが居ない訳では無かった。
芸能関係者にはカムアウトしている者も少なくは無い。
だが瀬名はカムアウトする訳にはいかなかった。

瀬名の恋人椿遥は公務員。
それも警察関係だ、運転免許更新センターで職員として勤務していた。
まさかお堅い公務員がゲイモデルの恋人だと世間に知られたら大変な騒ぎになってしまう。
週刊誌の格好の餌だという事は勿論瀬名は判っている。

それにモデルは学生だけのバイトのつもりでいる。
こんなに割りの良いバイトは無い。
最近何故か雑誌に載る機会も増え、忙しくはあったが
出来たら金を貯めて、遥と一緒に安心して暮らせる部屋を借りたかった。

着ていた服を急いで脱いでスタイリストに渡すと
「瀬名君随分急いでるのね?」意味ありげにスタイリストの女性が笑っている。
返事はせずに肩を竦めるだけで留めた。
ちょっとした事でも洩らす訳にはいかなかった。


「お疲れ様ー」そう声を掛けて控え室を後にした。
時計を見ると予定の時間を1時間もオーバーしている。
「やっばい!遥怒ってるかな?」

遥と本当の恋人同士(遥が言うには)になれたのは最近の事だった。
遥のあの甘い喘ぎ声を思い出しただけで下半身が反応しそうでやばかった。

瀬名はドアをそっと開けた。
シーンとした部屋に『やっぱ寝ちゃったか・・・』と残念な気分でベッドを覗き込んだ。
横向きで寝ている遥の頬にちゅっとキスをしてから、シャワールームに行った。

さっとシャワーを浴びて戻って来てもさっきと同じ姿勢で眠っていた。
起こそうかどうしようかと迷いながら遥を見ると
何と遥の左手がパジャマのズボンの中に入っていた。

瀬名が遥のズボンを伸ばして覗いてみると、やはり遥は自分の物を手にしたまま眠っていた。
瀬名は悪戯心を起こし、遥が目を覚まさないようにそうっとズボンと下着を脱がせてみた。
それから、わざとトンと音をたてて、携帯をベッドのサイドテーブルの上に置いた。

「んん・・・あぁ瀬名・・・おかえり~」
寝ぼけ眼の遥が嬉しそうな顔で言った。
「うん、ただいま。悪かったな遅くなって・・・で、遥ひとりで何してたの?」
わざとらしく聞いてみると「えっ?寝て・・・・・ああーーー!」
やっと自分の状況に気づいたらしい。

「ふーーん?遥我慢出来なくて、ひとりで遊んでたんだ?」
「う・うん・・・」『やっぱそうなんですかっ!』
そう答えながらも、自分はいつ下着まで脱いだのだろうと、少しだけ不思議に思った遥だった。

「で、気持ち良かった?」揶揄する瀬名に向かって
「それが・・・あまり上手に出来なくて・・」遥が困った顔で答える。
「ふーん・・じゃ俺が見ててやるから、もう一度やってみたら?」
瀬名の提案に「う・・・うん・・じゃ見てて悪い所があったら教えてね」
そう言って、遥がゆっくりと自分のペニスを扱きだした。

「や・やっぱ・・見ないで・・恥ずかしい」
「今更そんな事言ったってダメだよ、ほらちゃんと手動かして」
瀬名がベッドの縁に腰掛けてそんな遥を見ていた。

「遥キスしようか?」
瀬名の言葉に、キスしたら少しは上手に出来そうな気がして
「うん・・キスして」と強請った。

遥がそっと目を閉じ瀬名のキスを待っていたが・・
瀬名がキスをした場所は遥の手の中のペニスの先端だった。
「ひやっ!やーん・・・・そこじゃない・・」
だけど、瀬名にちゅっとされただけで、ピクッとペニスが揺れた。

遥の頬がポンと赤く染まった。
「あはは・・僕のペニス瀬名にキスされて喜んじゃった・・・」
照れたように言う遥に覆いかぶさりたい衝動を抑えながら
「ほら、続けて」と誘導する。

目を瞑る遥に「ダメだよ、ちゃんと俺の顔見ながらやって」と瀬名が声を掛けた。
「う・・うん」遥が瀬名を見つめながら手を動かしている。
「あ・・っ」時折甘い声を洩らしながら、遥のペニスはだんだんと育ってきた。

そして何故か、遥の瞳からぽろっと涙が零れ落ちた。
「・・遥?」
辛い事をさせてしまったのか?と思いながら声を掛けると。

「瀬名ぁ・・・目が・・・痛い」
まばたきもせずに見つめていたらしい・・・
「はぁ・・いいよ目瞑っても」瀬名が吐息混じりに言うと
遥が素直に目を瞑った。

そんな遥に気づかれないように、瀬名は遥のペニスに顔を近づけて行った。





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「天使の箱庭」からの転載で申し訳ございません^^;

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