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雨の日に出逢って 2

 20, 2010 22:12
「それで探し物見つかったの?」
「えっ?」
「だって占い師に雨の日に探し物見つかるって言われたんだろ?」
遥の問いかけに瀬名は口元を緩め
「ああ、見つかったよ」と答えた。

「そう・・良かったね」
「で?遥はどうして裸足であんな所を歩いてたんだ?それも泣きながら」
「うう・・・・」遥が返事に困って唸っていた。

遥の前後の話を?ぎ合わせると、何かしら想像は付くが遥の口から言わせたかった。
「誰かに変な事でもされた?」
「えっ?何で判るんだ?」
背中合わせでベッドに座っていた瀬名の体がぐらっと倒れた。
「おい急に振り向くなよ、バランス崩しただろ」
「ご・ごめん・・・」

バランスを崩して倒れたついでに遥の膝に頭を乗せた。
「あっ!重いだろ」遥が身を捩るから
「だって俺恋人の膝枕って憧れてたんだからいいじゃん」
「こ・恋人・・・」

「ああ、さっき恋人になるって言っただろ」
「う・うん・・・・」
遥は恋人だと言われて、照れながらそっと膝に乗せた
瀬名の髪を撫でた。
『うっ!可愛い・・・このまま押し倒していいかな?』
瀬名も何か照れがあってさっきまでの
勇気が湧いて来なかった。

「遥の指気持ちいい・・・なぁ遥からキスして」
「えっ?・・・・うう・・・・」
下から見上げると、真っ赤な顔で唸っている。
「お前本当に23歳?」唸ってばかりの遥に揶揄するように言うと
「そうだよ、僕の方が年上なんだから『お前』って言うな」
「あれー遥逆切れ?」
「うう・・・」

瀬名はぴったり合わさった太ももの間に手を差し込んで腿の内側を撫でながら
「なぁ?誰に襲われそうになったんだ?」
「・・・・職場の先輩」
「どういう風に?」
「好きだって言われて抱きつかれた・・・」
「キスされた?」
遥は首を激しく横に振っている。

「キスはさっきのが初めてだって言っただろ」
『やっぱ本当だったんだ・・・』
瀬名は嬉しくなって「遥・・早くキス」と下から強請った。
「う・・」少し唸ったかと思うと瀬名の唇にほんの一瞬暖かい物が触れた。

「もっと・・」
「うっ」もう一度遥の顔が落ちて来る。
その機会を待ってたかのように、瀬名が下から手を伸ばし遥の後頭部を抑えた。
「んん・・・」
そのままの体勢で遥の体を逆に押し倒した。

今度は瀬名が上になり、そして深く遥の唇に絡めた。
「あアン・・」
調子に乗った瀬名が遥の口腔に舌を差し入れた。
「んんん・・・・」遥が下から瀬名の体を押しのけようと腕を突っ張って来た。
瀬名が上顎の裏を舌で舐めると遥の体から力が抜けたようになり
「アン・・・」と甘い声を漏らした。

瀬名はさっき途中で止めた遥のシャツの中に再び手を忍ばせた。
遥の尖りを指の腹で転がした。
「アアン・・・」
「遥・・・感度良すぎ」
「だって・・・瀬名が擽るから・・」
「へっ?くすぐったい?」
「うん・・むずむずする」
「ばーか・・・それを感じてるって言うんだよ」

こんな無自覚じゃ抱きついた先輩を責められないなぁ・・・
瀬名はその先輩に同情しそうな気分だった。

「なあ、さっきみたいに此処舐めてもいい?」
遥がさっき同様にコクンと頷いた。
瀬名は遥の尖りが見えるまでTシャツを捲り上げた。
「遥のここピンクで綺麗だな・・・・」溜息が出る程綺麗な色だった。
「へ・へんな事言うな・・・」

瀬名は舌先を尖らせてそれをツンツンと突付いた。
「ヤアン・・」
「遥エロッ・・」
「アアーン」舌で転がされ吸われる度に甘い声を漏らした。
「エロ過ぎ」

『ダメだ・・止まらない・・・』
だけど今はゴムも無いし、ローションも無かった。
遥を傷つけたくは無い・・・・

その時耳の近くで「キュルキュルッ」と音がした。
「へっ?何腹減ってんの?」
恥ずかしそうに赤い顔をして「だって昼から何も食べてなかったんだもん・・・」

瀬名はそれが合図のような気がした。
「うちには何も無いから、ファミレスに飯食いに行くか?」
「うう・・・・僕財布も持ってきてない」
「飯くらい俺が奢るし・・・腹が減っては戦が出来ぬって言うだろう」

『ドラッグストア開いてるかな?』丁度良いタイミングだ・・・

遥にサンダルを履かせて、一緒にファミレスに向かって歩きながら
「帰ったら続きやろうな?」と声を掛けると
遥は黙ってコクンと頷いた。
「遥可愛い」
「可愛いって言うなぁ」
「遥・・好きだよ」
「うう・・・」

「あっ!いつの間にか雨上がってる」瀬名が気づいて夜空を見上げた。

「・・僕雨嫌いじゃない・・・」
「ん?何で?」
「・・・瀬名に逢えたから・・・・」

「俺も雨好きかも・・・」
「僕も・・・瀬名が好き」


何年一緒にいても結ばれない恋もある
直ぐに恋に堕ちる出逢いもある。

瀬名はあの雨の中何人かの男や女に
声を掛けられたが無視した。
だけど、瀬名から声を掛けたのは
遥だけだった。


俺たちの出逢いは偶然のようで必然だったんだ。
「遥・・・好きだよ」何度でも言いたかった。
「うん・・」遥はコクンと頷くだけだが、瀬名は口元を緩めそんな遥を優しく見つめていた。




以前に「天使の箱庭」で観潮楼企画として参加した作品です。
ちょっとあほっ子ちゃんも書きたくなったので、こちらの方に移す事にしました。

時期が終わっているのと、過去記事の移行ですのでイラストは使えませんので
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