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バレンタインの囁き

 14, 2011 03:54
「紫苑・・何だその荷物は?」
日曜日の午後買い物に行くと出かけた紫苑が戻って来た時には、エコバッグに何やらの食材と、それとは別に大きめの紙の手提げ袋を大事そうに抱えていた。
「あぁこれ?明日皆さんにお配りするバレンタインのチョコです」
紫苑は満面の笑みを浮かべそう返事をしながら、その紙袋をテーブルの上に乗せた。

「チョコって・・こんなに沢山?」
「はいっ、いつもお世話になってる方に差し上げようと思って・・」
「それにしても・・・」20個以上は入っているだろう・・・
「パパさん、ママさん、千秋さんや山口さん・・」
紫苑がどんどん名前をあげて行くのをぼんやりと紫龍は聞いていた。
その中に沖田の名前もあり、少し気分を悪くはしたものの、今更紫苑にそんな事を言っても聞くはずもない。

「俺のは?」
「この中にはありません」
「え・・っ?」がっくり肩を落とす紫龍に向かって
「特別だから・・・自分で作ります」と紫苑は少し照れたような顔を向けた。
「しおーん♪」抱き締めようとする紫龍の体をかわして
「明日はパパさんの所に行けないから、これから行ってきます」などと紫苑は言う。

「これから?!」とは言ってもまだ3時くらいではあったが・・
「紫龍も一緒に行こう?」などと言われれば頬も緩むものだ。

結局紫龍の実家で夕飯までご馳走になり、マンションに戻って来たのは夜も8時を過ぎてからだった。
風呂にも入り、さてという所で紫苑は台所に戻りがさがさとチョコを作る準備をしている。
「リビングでテレビでも観てれば?」
「いや、ここで紫苑がどんだけ愛を込めてくれるか見てる」
「まったく・・・」
そう言いながらも紫苑は楽しそうに手際よくチョコを刻んで温めた生クリームと合わせている。

「それはどうするんだ?」
「よーく混ぜ合わせて、後は型に入れて冷蔵庫で冷やし固めるんです」
「ふーん、意外と簡単だなぁ」
「簡単だよ、でもひと手間かけることで愛情がこもるんだ・・」

「それ舐めていい?」
「えぇ?子供みたい・・もう少し冷めたらいいですよ」
そう言いながら紫苑は泡だて器でゆっくりと混ぜていた手を止めて
その先に付いたチョコを人差し指ですくって舐めてみせた。
「うん、美味しい・・舐める?」

そう言うと紫苑はもう一度指にチョコをつけて、その指を紫龍の前に差し出した。
紫龍はその指を一度ぺろっと舐めると、引こうとする手を掴んでその指を口深く咥えた。
「もうっチョコ付いてないよ」
擽ったそうにする紫苑の指の付け根までも紫龍は執拗に舐めている。
「し・しりゅう・・・」
紫苑の頬が染まったのを確認すると、今度は自分の指にチョコをつけた紫龍が、その指を紫苑の口元に持って行き「舐めて」と強請る。

紫龍の指に舌を這わせ、チョコを舐め取ると自然とその指の根元までも舐めたくなり、紫苑も深く咥えた。
紫龍はそんな紫苑をダイニングのテーブルにそっと貼り付けてしまった。
「あ・・っ紫龍」背中にテーブルの冷たさを感じで、やっと紫苑が慌てた。

紫龍はもう一度チョコをすくうと、それを紫苑の唇に塗りつけそっと唇を重ねた。
本当にチョコ味のキスだ。
もうチョコの味など全くしなくなった頃に、紫龍の手は紫苑のエプロンを捲り、パジャマの裾から手を差し込んだ。

「あっ・・紫龍だめっ」
もうすっかり紫龍の好みに開発された体だけど、明るいダイニングで素肌を見せるのはとても恥ずかしかった。
パジャマの中で紫龍の手の平がやさしく腿の内側を撫でている。
付け根まで届くかと思うと又膝まで下がってしまう手の動きに紫苑の瞳が潤んでしまう。

「紫苑・・パジャマの前が濡れてるよ」
シルクサテンの素材は軽くて、勃ち上がった紫苑の姿を隠さないばかりか、濡れた様子までもしっかりと見せ付けていた。
紫龍の言葉に首筋まで染めた紫苑が抵抗するように身を捩る。

「やだぁ・・」
「何がやだぁ?」
それでも紫龍は内腿以外は撫でようとはしない。
「あぁん・・紫龍だめ」
「だめって俺は何もしてないぞ」
「チョコが・・・もう冷蔵庫に入れないと・・・」
紫龍はこんなになってもチョコが気になるらしい紫苑をもっと苛めてみたくなる。

紫龍はエプロンの紐を解き、体から抜き取った。
そしてパジャマのボタンを外し紫苑の胸元を肌蹴た。
「あっ・・紫龍ここじゃいや・・」
「だめだ、チョコ食べたい」
「えっ?」紫龍の言ってる意味が判ったのは、肌蹴た胸の尖りに生温くなったチョコを塗られた時だった。

ダメと拒絶する前に尖りに唇が下りてきた。
「あぁ・・」チョコを舐める舌の動きはくすぐったいようだが、確実に紫苑の性感帯を攻めている。
舌で転がされ、吸われ紫苑はパジャマの前を更に濡らしてしまう。
「紫龍・・・お願い・・ベッドに連れてって・・」
「俺はここでもいいけど?」
「いやっ・・・お願い・・」
「じゃ何でも言う事聞く?」
「・・・・」さすがに紫苑も慣れてきたのか、簡単に「うん」とは言わない。

そんな紫苑の態度を見て紫龍の口角が上がった。
「じゃ決まりだな、明るいから紫苑の中までよーく見せてもらおうかな?」
そう言うと、ぱっとパジャマの裾を胸の辺りまで捲って、紫苑の下半身を明かりの元に晒した。
「やぁっ!お願い紫龍・・・恥ずかしい」
「どうして?恥ずかしくなんかないよ、紫苑凄い綺麗だよ」
実際黒いパジャマの中から伸びた紫苑の白い体はこのまま飾っておきたい程綺麗だと紫龍は思った。

「お願い紫龍、ベッドに行こう?」
可愛くお願いされてしまったら、もう紫龍もお手上げだ。
それに固いテーブルの上で本当に抱いてしまったら、明日仕事になぞ行けなくなり、紫苑に恨まれてしまうのは判りきっていた。

紫龍はそっと紫苑をテーブルから抱き上げた。
紫苑の体からふぁっとチョコの香りが漂う。
「ふふ、チョコの香りがするよ紫苑・・」
「食べたい?」ちょっとだけ大人っぽい顔で紫苑が口元を緩めた。
「ああ、食べたい・・全部」

そう言いながら紫苑の体をベッドに下ろすと、首に回した腕を紫苑は解かずにそのまま紫龍に唇を重ねてきた。
紫龍も唇を付けたまま、紫苑の下半身を弄ってそっと手の平に包んでやると、重なった紫苑の唇から小さな吐息が漏れた。

何も知らなかった紫苑も今はとても敏感に感じるようになり、潤んだ目で紫龍を誘ってくる。
どんどん成長する紫苑に紫龍も煽られて、毎回違う子を抱いているような気分になる。
抱くたびに紫苑への愛が深まるような気がする。
「紫苑、愛してるよ」唇を離して愛を囁くと縋るように唇に吸い付いてくる。
何度か角度を変えて深い口付けを交わした後、紫苑の髪を撫でながら
「紫苑、他の所もキスしたい」と囁くと、
「いっぱいキスして」と言う言葉のわりには言った自分に恥ずかしそうに俯く。

時間をかけて充分に解した紫苑の体と繋がる。
体が馴染むまでの間、負担をかけないように腕を突っ張ったままの紫龍が聞いた。
「紫苑・・俺が親父くらいの年になっても、毎年チョコくれるか?」
「勿論・・それに紫龍がオジサンになったら、僕だてもうオジサンだよ」
「紫苑がオジサン?あはっ考えられないな」
「僕はずっと紫龍と一緒に年を重ねていくんだよ・・・」

「あんまり可愛い事言うと、紫苑を壊すほど抱いてしまいそうだ・・」
そして紫龍はゆっくりと抽送を始めた。
「あぁぁっ・・はぁっ・・しりゅう・・」
紫苑の内壁がしっとりと絡み付いて紫龍を離そうとはしない。
「紫苑・・そんなに締めたらもたないから」
「だってぇ・・・あぁ・・っ・・・ぁ」

紫苑のこんな乱れて艶かしい顔を知ってるのは自分だけだと思うと
愛しい気持ちが止まらなくなる。
ゆっくりとした抽送から、だんだんと激しいものへと変わっていく動きの中
紫苑の体も揺れて髪も揺れ、紫龍の心を揺さぶる。

「紫苑・・・愛してるよ」
「あぁっ・・・僕も・・・」
紫龍に貫かれ喘ぐ紫苑の頭の中から、作りかけの生チョコの存在などすっかり消えている事を紫龍も気付かないでいた。

紫苑の手作りチョコよりも甘く幸せな夜はまだまだ終わりそうになかった。


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ああ・・すみません、何だかメリハリの無い話になってしまいました。
それなのに思いのほか長くなり、こんな時間になってしまいました。


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COMMENT - 10

NK  2011, 02. 14 [Mon] 07:28

あま~い

昨日までの緊迫した展開とちがって、
紫苑ちゃんが出てくるだけでPCからあま~い香りが漂ってきて、
周囲がパステル調に染まっていく感じです。
紫龍さんではないけど、鼻の下も伸び顔が緩みっぱなしになってしまう。

本編の頃の紫龍さんは、心に傷を負った紫苑ちゃんを包むように
大切に愛していて大人の懐の深さを感じてましたが、
最近甘えん坊ですよね。
ジャイアンと評されていたこともあったような。。。
紫苑ちゃんは紫龍さんを甘やかしすぎです。

それにしても、あま~いヴァレンタインに楽しみました♪

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tukiyo  2011, 02. 14 [Mon] 10:12

や~~ん

やはり甘さではこのふたりが一番でしょう~。
スッポンポンにやわらか素材のパジャマを上半身だけ着て
エプロン・・・。
そんな姿でチョコ作りぃ~~~。
もーーー紫苑ちゃん最強~~~。

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ちこ  2011, 02. 14 [Mon] 10:27

俺のは?って聞いちゃう?

俺のは?って聞いちゃう紫龍さん(笑)
もう、可愛~い(^^)v
カッコいいから可愛いまで、評価がコロコロと変化する紫龍さん(笑)
愛される所以はここにあるんですね~(^^)v
紫苑ちゃんの愛を込めたチョコレートと一緒に紫苑ちゃんもいただきます(^ε^)パックン
きっとホワイトデーには・・・はっ!
今、スッゴクイケナイ妄想をしてしまった(//∀//)
恥ずかしいのでサヨウナラ(_´Д`)ノ~~←意味がわからん!

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びび  2011, 02. 14 [Mon] 11:13

あっま~い(♡×♡)

「しお~ん♪」
ここ好きです。紫龍のメロメロ顏が目に浮かぶ(*^_^*)

やっぱり甘さNo.Iはこの2人かしら♪( ´▽`)
チョコの使い方はこれが正解に思えて来たワタシって…
良いの?良いよね?
(こちらに集う方々には愚問かなψ(`∇´)ψウシシ!)

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けいったん  2011, 02. 14 [Mon] 11:49

マイッタネ~( *´・ω・`)人(´・ω・`*)マイッタネ~

もう 皆様が 「「「「あま~い❤」」」」の連発で。。。
私も その言葉しか 浮かばないです(*・・*)

ハートに バキューンズキューン!
バーン!!(o^―^o)ニコo┳*-----------------❤))*'д`*)シ・シオン...byebye☆

P.S.毎土・日曜日は 新サイト探索の お出掛けをしているので その日は 訪問出来ませんが、月曜日に纏めて いっ気読みさせて頂きますので ヨロシクッス(●^_^●)♪

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kikyou  2011, 02. 14 [Mon] 20:57

NKさま  あま~い

こんばんは。

バレンタインどうしようかな?と思っていたのですが
やはり、紫苑と千尋には頑張ってもらおうと思って^^

ジャイアン!(笑)そういえば・・・

思うに・・・・光輝を格好良い光輝にする為には、紫苑を危険に晒さなくてはならないかも?
う~ん・・・などと考えてみても、なかなか良い方法も思い浮かばずに・・

なんだか普通の話になってしまいました^^;

それでも読んで下さって、本当にありがとうございます。

コメントありがとうございました。

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kikyou  2011, 02. 14 [Mon] 21:00

tukiyoさま  や~~ん

こんばんは。

やっぱ一番の甘いカップルですよね?(笑)
本当にネタが尽きるほどに、この二人は書いてきました。

そしてもう私の中では殿堂入りしてしまった紫苑を今更泣かせる事などできずに
色々思い悩んでいます^^;

でも紫苑やっぱ可愛いです(*^_^*)

コメントありがとうございました。

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kikyou  2011, 02. 14 [Mon] 21:16

ちこさま 俺のは?って聞いちゃう?

こんばんは。

聞くんですよねぇ紫龍だと(笑)
もう紫苑のやる事成す事気になって仕方ない。
もうポッケにでも入れておけば?って感じの溺愛ぶりです。

ホワイトデーの妄想・・・
あぁお返しがあるのか。
いっぱいチョコを配った紫苑にもお返しが沢山届きそうですねぇ。
大変だぁ、紫龍の心配がまた増えてしまう^^;

コメントいつもありがとうございます。

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kikyou  2011, 02. 14 [Mon] 22:06

びびさま あっま~い(♡×♡)

こんばんは。

目が・・目がハートだぁ凄い!

甘いですよ~
本当はもっと塗ってみたかったのですが作者自粛です(笑)

こちらに集って下さる方々はもう紫苑の姉であり母であるので^^
もうあっちに塗ったりこっちに塗ったりと協力して下さりそうです(*^_^*)

コメントいつもありがとうございます。

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kikyou  2011, 02. 14 [Mon] 22:26

けいったんさま マイッタネ~( *´・ω・`)人(´・ω・`*)マイッタネ~

こんばんは。

そうなんだぁ土日は出張でしたか!
私好みっぽい所を見つけたら教えて下さいネ。

甘いチョコにはやっぱ、紫苑と紫龍しかないかなぁって思って書きました。
ちょっと甘過ぎる二人だけど(笑)

私もゆっくりネットサーフィンしたいなぁ(#^.^#)

コメントいつもありがとうございます。

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